◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(9月28日・マツダスタジアム)
巨人が広島に勝ち、4年ぶり48度目(1リーグ時代を含む)のリーグ制覇を達成しました。
阿部慎之助監督は就任1年目での優勝となりました。
涙をみせながらベンチから出てきた阿部監督は、選手たちの手で現役時代の背番号「10」と同じ10回、空を舞いました。
試合後の優勝監督インタビューでは「最高で~す!」と絶叫しました。
前夜は本拠地・東京ドームで中日に3―1で競り勝ち、2位・阪神が広島にサヨナラ負けしたため、優勝🏆️へのマジックナンバーを「1」とし、広島戦に臨んでいました。
試合は3番・吉川尚輝選手が4安打、4番・岡本和真選手が2打席連続の適時二塁打で3打点を挙げるなど16安打で8得点。
先発の菅野智之投手は小林誠司捕手との「スガコバ」バッテリーで8回まで投げ6安打1失点、119球の熱投。
リーグ単独トップの15勝目を挙げ最多勝も近づきました。
巨人先発の菅野智之投手は打たせて取る投球で3回まで広島打線をヒット1本に抑えます。
打線は4回表、2本のヒットでチャンスを作ると、9月の打率.352と好調の吉川尚輝選手がタイムリーヒットを打ち、1点を先制します。
しかし直後の4回裏、菅野投手は初めて先頭打者に出塁を許し、その後ピンチを招くと、菊池涼介選手にタイムリーヒットを打たれ、同点に追いつかれます。
それでも巨人は6回、先頭の吉川選手が猛打賞となる3本目のヒットで出塁すると、キャプテン岡本和真選手がタイムリーヒットを打ち、勝ち越しに成功。
続く坂本勇人選手のファーストゴロで岡本選手が三塁へ進み1アウト三塁。
ここで、広島先発の森下暢仁投手が治療のためとのアナウンスでベンチに下がってそのまま降板。
この回はさらに小林誠司選手もタイムリーを打ち、3―1とリードを広げます。
さらに7回、2アウト一、三塁のチャンスで、岡本選手が2打席連続のタイムリー2べース。
また守備交代で途中出場の増田大輝選手もタイムリー2ベースを放ち、この回3点を奪います。
援護をもらった菅野投手は5回以降、広島打線をヒット2本に抑えて3塁を踏ませません。
8回を119球、4奪三振1失点の好投で降板します。
打線は8回裏に坂本勇人選手、増田選手のタイムリーで2点を追加し、リードを7点に広げます。
そして9回、2番手の高梨雄平投手は先頭の坂倉将吾選手をレフトフライ、続く田村俊介選手をピッチャーゴロに打ち取り、2アウトを奪ったところで降板。
優勝まで後1アウトの場面で、守護神の大勢投手が登板。
代打・二俣翔一選手にヒットを打たれますが、末包昇大選手をセカンドゴロに打ち取り、巨人が優勝を決めました。
また先発の菅野投手は、沢村賞を獲得した2018年以来の15勝目を挙げました。
阿部慎之助監督にとっては1年目での快挙。
開幕戦の相手、阪神相手に2勝1敗と幸先のいいスタートをきるも、4月3日にはその阪神と並んで最下位も経験。
6月には9勝12敗1分と負け越しますが、7月には14勝6敗と大きく勝ち越し、その後も順調に白星を重ね、9月5日に首位に立つと、広島の失速もあり、そのまま首位から陥落することなく、優勝の運びとなりました。
就任会見で「喜びをセプテンバー(9月)に」という目標を口にしていた阿部監督ですが、見事な有言実行となりました。
胴上げとインタビューの後、阿部監督は選手をベンチから出てくるように促し、ともに左翼席の一角に陣取った巨人ファンへあいさつ。
すると、マツダスタジアムには阿部監督が現役時に使用していた登場曲「September」(Earth, Wind & Fire)が流れました。
春季キャンプのキャッチフレーズ「笑うアベには福来たる~新風の先に笑顔のSeptember~」にも取り入れられた、巨人ファンにはおなじみの曲。
球場の粋な演出に巨人ファンは歓喜、広島ファンも拍手を送っていました。
巨人のリーグ制覇を受けて、長嶋茂雄終身名誉監督がコメントを発表しました。
「シーズンを通して投手陣が踏ん張り、打つべき人が打つ、バランスの取れたチームに成長していったと思います。今年こそ優勝というプレッシャーの中で、辛抱強く采配した阿部監督、期待に応えた選手たちの奮闘は見事でした。この勢いでクライマックスを勝ち上がり、日本一になってくれることを願っています」
◆球団別リーグ優勝回数
巨人 48(セ39、1リーグ9)
西武 23(パ23)
ソフトバンク 22(パ20、1リーグ2)
オリックス 15(パ15)
阪神 10(セ6、1リーグ4)
中日 9(セ9)
広島 9(セ9)
ヤクルト 9(セ9)
日本ハム 7(パ7)
ロッテ 5(パ5)
DeNA 2(セ2)
楽天 1(パ1)
(以下消滅球団)
近鉄 4(パ4)
松竹 1(セ1)