野球日本代表「侍ジャパン」の2024年スタートとなったヨーロッパ代表との2連戦(3月6日、7日)は、日本が2連勝しました。
2試合とも日本の完封勝利で、特に2戦目は6投手が1人の走者も許さないパーフェクトリレー。
11月に世界のトップ12カ国・地域が参加して行われる第3回プレミア12に向け、上々のスタートを切りました。
一方で、ヨーロッパ代表がレベルを上げていることを実感したファンも多かったのではないでしょうか。
カリブ海に浮かぶオランダ領キュラソーなどの出身選手も多く、純粋なヨーロッパとは言い難いとはいえ、野球が世界に普及することは喜ばしいです。
サッカーは有名だが、実は野球でもヨーロッパ選手権が開催されており、意外に歴史は古いです。
1954年の第1回大会はベルギー🇧🇪で行われ、イタリア🇮🇹が優勝しました。
その後、レギュレーションを変更しながら2023年の第37回大会まで原則2年に1度開催されています。
現在は16カ国が本選出場する形式となっています。
ヨーロッパ野球選手権歴代優勝国
1回 1954年 イタリア🇮🇹
2回 1955年 スペイン🇪🇸
3回 1956年 オランダ🇳🇱
4回 1957年 オランダ🇳🇱
5回 1958年 オランダ🇳🇱
6回 1960年 オランダ🇳🇱
7回 1962年 オランダ🇳🇱
8回 1964年 オランダ🇳🇱
9回 1965年 オランダ🇳🇱
10回 1967年 ベルギー🇧🇪
11回 1969年 オランダ🇳🇱
12回 1971年 オランダ🇳🇱
13回 1973年 オランダ🇳🇱
14回 1975年 イタリア🇮🇹
15回 1977年 イタリア🇮🇹
16回 1979年 イタリア🇮🇹
17回 1981年 オランダ🇳🇱
18回 1983年 イタリア🇮🇹
19回 1985年 オランダ🇳🇱
20回 1987年 オランダ🇳🇱
21回 1989年 イタリア🇮🇹
22回 1991年 イタリア🇮🇹
23回 1993年 オランダ🇳🇱
24回 1995年 オランダ🇳🇱
25回 1997年 イタリア🇮🇹
26回 1999年 オランダ🇳🇱
27回 2001年 オランダ🇳🇱
28回 2003年 オランダ🇳🇱
29回 2005年 オランダ🇳🇱
30回 2007年 オランダ🇳🇱
31回 2010年 イタリア🇮🇹
32回 2012年 イタリア🇮🇹
33回 2014年 オランダ🇳🇱
34回 2016年 オランダ🇳🇱
35回 2019年 オランダ🇳🇱
36回 2021年 オランダ🇳🇱
37回 2023年 スペイン🇪🇸
最多の24回優勝を誇るオランダが圧倒的に強いのは、先述のオランダ領キュラソー出身の選手が多いためです。
ヤクルト時代の2013年に日本プロ野球最多記録の60本塁打をマークしたウラディミール・バレンティン選手もその一人。
オランダ代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも3度出場したが、地理的にはいわゆるヨーロッパ大陸ではなく、野球の盛んなドミニカ共和国🇩🇴やプエルトリコ🇵🇷に近いです。
現役メジャーリーガーでは大リーグ通算131本塁打のオジー・アルビーズ選手(アトランタ・ブレーブス)や、174本塁打のジョナサン・スコープ選手(前デトロイト・タイガース)、大リーグ通算420セーブのケンリー・ジャンセン投手(ボストン・レッドソックス)もキュラソー出身です。
ヨーロッパ選手権の優勝回数は2位のイタリア🇮🇹が10回で、スペイン🇪🇸が2回、ベルギー🇧🇪が1回。
今回、ヨーロッパ代表の一員として来日したアレックス・リディ選手はイタリアで生まれ育った初のメジャーリーガーとして有名です。
シアトル・マリナーズ時代はイチロー選手のチームメイトとしてプレーし、現在はメキシカンリーグで活躍しています。
さらにヨーロッパ代表のアレサンドロ・マエストリ投手コーチはイタリア🇮🇹出身で、かつてオリックスで4シーズン通算14勝を挙げた右腕。
9日の巨人戦で始球式に登板しました。
また、ミネソタ・ツインズで通算153本塁打を放っているマックス・ケプラー選手はドイツ出身。
ベルリン生まれながらバリバリのメジャーリーガーとして活躍しています。
逆に西武などで活躍したG.G.佐藤選手はかつてイタリアでプレーし、ロッテ、阪神、DeNAで通算97勝を挙げた久保康友投手はドイツでプレーするなど、日本人選手がヨーロッパでプレーする例もあります。
野球がヨーロッパにも普及し、日本やアメリカとの交流が活発になれば、世界的スポーツとなる日が来るかもしれません。
やがてWBCがサッカーのワールドカップのように世界中で盛り上がることを期待したい。