「ウルトラマンギンガ」ニュージェネレーションの始まり | 女装男子かなこのブログ

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2013年7月10日、「ウルトラマンギンガ」が放送開始され、今年で放送から10周年にあたります。


この「ギンガ」は、2023年の現在に至るまでウルトラシリーズの放送が続くきっかけとなった作品でした。


今では「ニュージェネレーションヒーローズ」と呼ばれるようになった、現在放送中のウルトラシリーズの第一作となった「ギンガ」は、それまでのシリーズにはなかった設定をいくつも加えた画期的な作品です。


その理由はいくつかありました。


これまでの定番だった「地球防衛隊」が登場しない、舞台となる場所は山奥の限られた場所、ウルトラマンに変身する本作の主人公・礼堂ヒカルはまだ高校生、そのヒカルはギンガ以外のウルトラマンに変身するだけでなく、さまざまな怪獣にも変身できる……などです。


なかでも、変身に関係する「スパークドールズ」という設定が大きな変化を生みました。


スパークドールズはダークスパークによって、全てのウルトラマンと怪獣が人形へと変えられた姿です。


このスパークドールズを使って、宇宙人だけでなく一般の人間も、ウルトラマンや怪獣に姿を変えることができました。


この設定が与えたウルトラシリーズの大きな変革、それは変身した人間がその間、異空間のような場所にいることです。


それまでのシリーズでは変身後はウルトラマンと一体化し、別々に表現されることはほとんどありません。


この姿と心を別々に見せるとも言うべき演出が、ニュージェネレーションでの大きな変革となりました。


商業的にも、このスパークドールズは大きな変革をもたらします。


それまでに発売されていたウルトラ怪獣シリーズのサイズを14センチクラスに変更、価格を従来の500円、ワンコイン設定にしました。


この新シリーズでは劇中と同じく左足裏に「ライブサイン」というシールが貼られ、作品中と同じように別売りの玩具で読み込ませる連動機能が装備されています。


このスパークドールズとして、過去作からレギュラーで登場したのがウルトラマンタロウでした。


タロウは単なるゲストというわけでなく、本作では未熟な主人公ヒカルの導き手役となり、時にはコメディリリーフとしての役割も担っています。


そして最終回では視聴者待望の奇跡的な復活を遂げ、それまでのうっ憤を晴らすかのような活躍で作品を盛り上げました。


タロウに限らずコメディ的な演出が多く見受けられますが、この点はそれまでのウルトラシリーズには少なかった要素でしょう。


こういった演出は、少し前に放送されていた大人向けバラエティ番組「ウルトラゾーン」(2011年)の影響と考える人もいます。


また、本作「ギンガ」のそれまでと異なる部分に、従来の作品から刷新された放送形態が挙げられます。


それまでのウルトラシリーズは、TBS系列で放映されていました。


それが「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」(2007年)をきっかけに、現在のテレビ東京系列に変更されます。


そのため、放送されている地域が大幅に少なくなってしまいました。


そして、劇場版などのプロモーションなどとして製作された、過去シリーズを編集した番組「ウルトラマン列伝」(2011年)が放送を開始しました。


この「ウルトラマン列伝」が新たな若年層に浸透し、シリーズの知名度を徐々に定着させていきます。


その放送は後継番組「新ウルトラマン列伝」(2013年)も含めると259本、約5年におよぶ長期放映となりました。


ウルトラシリーズ最長の放送期間と言っていいでしょう。 


「ギンガ」は、この「新ウルトラマン列伝」内の番組として放映を開始します。そのためか、「ギンガ」はシリーズのなかでは極めて異例な放送話数の短さとなりました。


全11話、それも前半6話と後半5話の分割放送です。


続編となる「ウルトラマンギンガS」(2014年)全16話と合わせても、ようやく半年間ほどの規模でした。


この半年間の放送というのもニュージェネレーションの特徴で、新作を半年間放送後、総集編となる番組を半年間放送して1年間のローテーションで番組枠を回す、という方式をこれ以降のシリーズで確立します。


こういった形で1年でなく半年単位のローテーションで番組制作することで無理のない進行が可能となり、人気の定着化もあってウルトラシリーズは異例の長期継続化されることとなりました。


振り返ってみれば、ウルトラシリーズが番組枠を維持できたのは昭和の第二期シリーズの4年(1971~75年、「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンA」「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」)が最長です。


そう考えると、現在のウルトラシリーズは歴代で一番、人気が安定化されていると言えるかもしれません。


そして、この「ギンガ」がきっかけになって、テレビシリーズに本格的に導入されたのが「マルチバース」の概念です。


もともとは劇場作品で生まれた概念ですが、これにより、作品ごとに「並行世界にある別の地球の物語」になっているという点が明確化しました。


この設定に合わせることで、シリーズの過去作品もすべて別世界という位置づけになります。


そして、これまでに共演することができなかったウルトラマンたちも一緒に並ぶことになりました。


ニュージェネレーションの始祖というだけでなく、ウルトラシリーズすべてを統一したということを考えると、「ギンガ」という作品が果たした役割はとても大きなものだったと言えるでしょう。