指名打者ルール下の選手起用ミス | 女装男子かなこのブログ

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日本のプロ野球では、今年から先発投手が指名打者(DH)を兼任することが可能となりました。


先発投手兼指名打者は途中で投手として降板した後も指名打者で引き続き出場が可能、 指名打者として途中で代打や代走が送られた後も引き続き投手で登板が可能です。


通称「大谷ルール」と呼ばれるこのルールは昨年からアメリカ大リーグで導入され、3月に開催されたワールドベースボールクラシックでも採用されました。


だが、時として指名打者の起用ミスが起こることがあります。


2006年6月30日の日本ハム―楽天戦、1―1の9回裏1アウト一、二塁のピンチで、左の代打・小田智之選手が送られると、楽天・野村克也監督は小倉恒投手をファーストに回し、ワンポイントの左腕・河本育之投手を投入しました。


ヤクルト、阪神時代に何度となく用いた“野村スペシャル”です。


河本投手は代打の代打・田中幸雄選手を四球で歩かせたものの、2アウト後、小倉投手が再びマウンドに戻り、金子誠選手をファーストファウルフライに打ち取りました。


奇策がズバリ的中した形だが、この投手交代には思わぬ落とし穴がありました。 


パ・リーグは指名打者制のため、小倉投手が一塁に入った時点で指名打者が解除され、山崎武司選手がオーダーから消えてしまいました。


登板中の投手が投手以外の守備に就くと、それ以後は指名打者の役割が消滅するルールによるものです。


さらにファーストのリック選手がサードに回った結果、4番・フェルナンデス選手も河本投手に交代する形となり、一瞬にして打線が“薄っぺら”になってしまいました。


直後、セ・リーグとパ・リーグのルールの違いに気づいた野村監督が慌ててベンチを飛び出し、確認を求めたが、時すでに遅し。


試合も延長10回に小倉投手が田中賢介選手にタイムリーヒットを打たれ、無念のサヨナラ負け。


百戦錬磨の名将も「労多くして益なしや」とボヤキが止まりませんでした。


現在のプロ野球には予告先発があるので、先発オーダーに仮のメンバー(主に登板予定のない投手)を入れておき、試合開始直後に交代させる「偵察オーダー」は見られないが、その「偵察オーダー」で思わぬチョンボを生むことがありました。


1982年8月12日の近鉄―阪急戦、阪急・上田利治監督は山沖之彦投手を偵察要員として「5番・指名打者」で起用したが、同年から「スタメンの指名打者は最低でも1度は必ず打席に立たなければいけない。 ただし、第1打席の前に相手の先発投手が交代した場合は除く」とルールが変わっていました。


「ルールはシーズン前に読んで知っていた」という上田監督だが、近鉄の先発が右か左か予想がつかなかったことに加え、左の指名打者・加藤英司選手、ケージ選手が揃って不振とあって、「左投手が出てきたら、加藤を下げて、河村(健一郎)とばかり考えて、すっかり忘れてしまった」というのです。


山沖投手に代打を送れないと気づいたときには、もう手遅れ。


山沖投手も「いきなり“行け”と言われて、本当にビックリした」と泡を食いました。


そして、何とも間が悪いことに、1回表、阪急は安打と四球、野選で1アウト満塁のチャンスをつくり、山沖投手に打順が回ってきました。


直前まで長池徳士コーチから即席の打撃指導を受けた山沖投手だったが、「とにかく併殺だけはいかんと思ってた」と思っていたものの、見逃し三振に倒れました。


なおも2アウト満塁で高井保弘選手もセカンドフライに倒れ、無得点に終わりました。


その裏、島本講平選手の本塁打で1点を先行される悪い流れになりました。


だが、3回に4番・マルカーノ選手の3ランで逆転すると、火がついた阪急打線は15安打の猛攻で13―5と大勝し、指揮官のミスを帳消しにしました。


「もし、あのまま負けとったら……、冷や汗が出てきたぜ」と気が気ではなかった上田監督も、「今日の殊勲は山沖や!」と声を揃えるナインに、腹を抱えて大笑いしました。


同じケースは2011年5月20日のオリックス― 広島戦でも起こりました。


広島の野村謙二郎監督は先発は「7番・指名打者」に今村猛投手を偵察要員として起用してしまい、メンバー表交換の際にオリックス・岡田彰布監督に指摘されて気がつきました。


代打が認められないため、今村投手は2回表の第1打席で送りバントを決めました。


次の打席では石井琢朗選手が代打に送られました。


指名打者の偵察要員禁止のルールによって、大学野球では没収試合に至ったケースがあります。


2007年9月2日、仙台六大学野球秋季リーグの東北工業大学―仙台大学の試合で、東北工業大学がメンバー表に選手の背番号を誤って記入してしまいました。


その選手の背番号は秋季リーグから変更されたが、変更前の背番号を記入してしまいました。


その選手は背番号を変更した後のユニフォームを持って来たです。


しかも、その選手は「3番・指名打者」での先発出場で、その選手が打席に立った時点で没収試合となってしまいました。


なお、指名打者の第1打席の代わりに投手を打席に立たせることは可能で(ただし、以後は指名打者が使えなくなる)、そうしていれば放棄試合は免れました。