パンタグラフ | 女装男子かなこのブログ

女装男子かなこのブログ

あたし、かわいいものが大好きな女装男子です❗
女装に年齢は関係ありません❗

主に上空に張られた架線(電線)から電気を得て走る電車や電気機関車は、屋根の上にパンタグラフと呼ばれる集電装置が付いています。


特に都市部の電車だと、JR・私鉄問わずパンタグラフ形状は「<」が主流ですが、古い電車だと「◇」の形をしたものも見受けられます。


従来から採用されていた「◇」のパンタグラフは、細い棒を複数組み合わせてふたつの菱形にし、集電舟(架線に擦らせて電気を採り入れるための部品)を支える構造です。


パンタグラフには下の枠がX字型に交差したものもあり、これは「下枠交差型パンタグラフ」と呼ばれます。


日本で初めて本格的に下枠交差型パンタグラフを採用した車両は新幹線0系です。


下枠交差型パンタグラフは関西私鉄やJR西日本に採用した車両が多いです。


関東私鉄では下枠交差型パンタグラフの採用は少なく、本格的に採用していたのは東武鉄道と京成電鉄だけで、西武鉄道、京王電鉄、京浜急行電鉄、東急電鉄、相模鉄道、東京メトロ、東京都営地下鉄などは一切採用しませんでした。


国鉄時代の下枠交差型パンタグラフの採用は電気機関車ではEF65形1000番台、EF64形1000番台、ED75形700番台、EF81形などがあり、新幹線でも0系、100系、200系と全面的に採用されていたが、在来線電車での採用は北海道用の711系、781系のみでした。


一方の「<」は「シングルアーム」と呼ばれ、1本の棒が途中で折れるような構造です。


菱形や下枠交差形に比べ部品の数が少ないシングルアームは製造費が安くなるほか、構造が簡素化されたことでメンテナンスが容易になるというメリットがあります。


また部品数が少ない分、重量が軽くなり、車両全体の軽量化を図ることも可能になります。


車両が軽いとレールに与えるダメージも少なくなり、線路のメンテナンスにかかる費用も抑えられます。


以上の点から、古い電車であれパンタグラフを「◇」から「<」へ更新する例もあります。



菱形パンタグラフ(JR西日本103系)
国鉄時代の標準的なタイプ(国鉄形式はPS16)

菱形パンタグラフ(阪急3300系)


下枠交差形パンタグラフ(JR西日本321系)


下枠交差形パンタグラフ(阪急8300系)


シングルアームパンタグラフ(JR西日本225系)


シングルアームパンタグラフ(阪急1300系)




そのほか、高速走行する電車の場合もシングルアームの方が好都合です。


構造物が多い菱形は、走行中に受ける空気抵抗が大きくなります。


電車が速く走れば走るほど、空気抵抗によって生じる騒音も大きくなってしまうのです。


騒音を抑えられるという点も、シングルアームが普及した理由のひとつでしょう。


ちなみに架線は必ずしも同じ高さで張られているわけではありません。


例えば踏切では、トラックが架線を引っかけないよう高く設置されているほか、トンネルでは掘削断面を小さくするために架線も低く設置されています。


パンタグラフには、随所で架線の高さが変化しても、集電舟が架線から離れないようにするための性能が求められています。

このため、パンタグラフは架線の高さが変化しても、集電舟が架線からできるだけ離れないようにするための性能が求められます。


ひし形や下枠交差形は複数の細い棒で集電舟を支えていることから高さの変化に追随しにくく、逆にシングルアーム式は集電舟を支えるポイントが少ないため追随しやすいという利点があるのです。

シングルアームパンタグラフは1950年代にフランスのメーカーが開発し、ヨーロッパでは早くから普及していました。


日本でシングルアームパンタグラフを搭載した車両が多数登場するようになったのは1990年代に入ってからです。


これはフランスのメーカーが持っていたシングルアームパンタグラフの特許が1980年代後半に切れ、日本のメーカーが製造しやすくなったことも背景にあるようです。