日本高野連の小倉好正事務局長は19日、サスペンデッドゲーム(継続試合)の導入を検討していくことを明かしました。
19日の第103回全国高校野球選手権大会(甲子園球場)の大会第6日は、降雨☔のため第1試合の近江高校(滋賀)―日大東北高校(福島)が5回途中ノーゲーム、第2試合に予定されていた西日本短期大学付属高校(福岡)―二松学舎大学付属高校(東東京)は中止、20日に順延となるなど、連日の雨で日程消化に苦慮しています。
雨により、第1、第2試合が20日に順延され、
第3、第4試合は雨が止むのが見込まれることや、選手の健康面への配慮から試合開始を遅らせ、第3試合は午後3時開始として行われました。
1回戦の試合を残したまま2回戦に入るのは異例のことです。
これにより、決勝も1日遅れ、29日となりました。
女子高校野球の決勝戦も23日に変更されました。
8月31日からは甲子園で阪神対中日の3連戦が予定されており、大会が31日以降にずれ込んだ場合はプロ野球と併用することも検討されています。
1975年の大会も今大会のように雨天中止が相次ぎ、その結果プロ野球阪神戦2試合が中止となりました。
当時、甲子園球場は高校野球の期間中は外野フェンスに歴代優勝校の校章や大会名・主催者名が書かれたプレートが掲出されており、それを撤去するのに丸1日かかったからです。
現在は高校野球の期間中でも外野フェンスには広告が掲出され、大会名・主催者名はバッターボックス後方の回転式広告に掲出されています。
スコアボードの表示もプロ野球と高校野球で違いますが、これはスイッチひとつで切り替えられます。
大会本部は雨天対応を巡るオンライン会見を開き、試合開始の判断に至った経緯を説明しました。
その中で、後日あらためて中断時点から再開するサスペンデッド導入の考えはないか聞かれた小倉事務局長が「投手の障害予防、球数制限について、いろんな課題が出ています。選手権大会が終わった後、整理しながら検討していきたい」と答えました。
さらに「我々は『サスペンデッド』という言葉ではなく、昨年度も『継続試合』という表記で議論していました。それを含めて、今後も検討していきたい」と続けました。
日本高野連が検討している「継続試合」とは、試合の成立条件を満たしていない段階でプレーを止め、後日、続きを行うというものです。
この日の第1試合のケースが当てはまります。
一方で、8回表途中でコールド試合となった17日の大阪桐蔭―東海大菅生戦(西東京)のようなケースは、今後もコールド試合として扱い、継続試合の対象とはしません。
「1人あたり1週間500球以内」の球数制限があるが、ノーゲームとなった試合で投げた球数も、制限の対象にカウントされます。
今後、継続試合が導入されれば、ノーゲームがなくなり、いわゆる“無駄球”が解消されることになります。
高校野球の地方大会では照明設備の無い球場で試合をすることが多く、延長戦になると日没コールドゲームとなることがあります。
これも本来だとサスペンデッドとなるが、日本ではコールドゲームとなっています。
サスペンデッドゲーム(一時停止試合)
野球規則7・02にあり、悪天候などにより試合継続が不可能となった場合、その日のプレーを打ち切り、残りを後日行います。
試合成立となるイニング(プロは5回、アマは7回)が行われていない限り、サスペンデッドゲームとすることはできません。
日本プロ野球のパ・リーグでは2011年まで採用していたが、1988年以降で適用された試合はありません。
アメリカ大リーグでは現在も採用され、試合成立イニングを過ぎて、ビジターチームが同点に追い付くか逆転した回の攻撃中に中断、または同条件でホームチームの攻撃中に同点のまま中断となった場合、適用されます。