投手の本塁打 | 女装男子かなこのブログ

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高校野球では、かつては「エースで4番」が普通でした。

そしてプロ野球に入ってからも、バットを持たせれば「腕に覚えあり」の投手がたくさんいたものです。

草創期のプロ野球(職業野球)では、投手で中軸打者という例が珍しくありませんでした。

大阪タイガースの景浦將選手は投げては防御率1位1回、打っては打点王2回、首位打者1回。

セネタース(現存しない)の野口明投手は投げては最多勝1回、打っては打点王1回。

彼らは投手と野手を掛け持ちしていた、いわゆる「二刀流」でした。

当時でも沢村栄治投手(巨人)のように「投手専業」の方が多かったが、投手も打線の一員であり、打席に立てば安打、殊勲打を狙うのが当たり前でした。

沢村投手は投手以外での出場はないが、1937年春には98打数27安打11打点、打率.276をマークしました。

戦後は投手、打者の分業が進み、投手は9番を打つことが多くなったが、大投手と言われる投手たちは、打つ気満々で打席に立っていました。

300勝以上の投手は日本のプロ野球に6人いるが、彼らの通算本塁打数を見ると

1.金田正一 400勝 38本塁打
2.米田哲也 350勝 33本塁打
3.小山正明 320勝 9本塁打
4.鈴木啓示 317勝 13本塁打
5.別所毅彦 310勝 35本塁打
6.スタルヒン 303勝 19本塁打

となっています。

中日で「アライバ」コンビで鳴らした名二塁手、荒木雅博選手は2045安打を打ち名球会入りしているが、通算本塁打は34本で、金田投手、別所投手よりも少なかったです。

鈴木啓示投手(近鉄)は13本塁打だが、これはパ・リーグに指名打者が導入される1975年より前の9シーズンで記録したものです。

指名打者制がなければ優に20本は打っていたはずです。

昔の投手は「投げて打って」の武勇伝も数多く残しています。

金田正一投手(国鉄、巨人)の38本塁打のうち、2本は代打で記録したものです。

また、通算8つの敬遠四球を記録しています。

投手だからといって気を許すことはできませんでした。

金田投手に負けない「投手の強打者」が別所毅彦投手(南海、巨人)です。

1955年6月9日の中日戦で7回から登板した別所投手は、延長11回まで投げて自らのサヨナラホームランで決着をつけました。

打った投手はエースの杉下茂投手でした。

堀内恒夫投手(巨人)は1967年10月10日の広島戦でノーヒットノーランを記録したが、打っては宮本洋二郎、西川克弘、西本明和の3投手から3本の本塁打を打ちました。

堀内投手は引退試合となった1983年10月22日の大洋戦でも金沢次男投手からホームランを打っており、これが通算21本目でした。

江夏豊投手(阪神)は1973年8月30日の中日戦でノーヒットノーランを記録したが、11回表まで味方の援護がなく0-0でした。

試合を決めたのは11回裏に江夏投手自身が松本幸行(まつもと・ゆきつら)投手から打ったサヨナラ本塁打でした。

江夏投手は広島時代の1978年には23打数8安打の打率.348をマークしました。

江夏投手は9連続奪三振で有名な1971年のオールスター戦第1戦でも先制本塁打を打ち、MVPに選ばれました。

しかし、昭和の投手でもからっきし打てない投手はいました。

嵯峨健四郎投手は張本勲選手らが活躍した時代の東映(現在の日本ハム)の先発投手で、1964年には21勝しているが、1964年から65年にかけて90打席連続無安打のプロ野球記録を作っており、通算では249打数18安打、打率.072でした。

巨人の桑田真澄投手はPL学園高校時代、甲子園で6本塁打。

これはチームメイトの清原和博選手(西武、巨人、オリックス)の13本に次ぐ史上2位タイでした。

1987年7月8日の広島戦で桑田投手はプロ入り初完封勝利を挙げたが、この試合で3ランホームランとタイムリーを打ち、全打点(4点)を挙げており。まさにワンマンショーでした。

30歳を過ぎてから桑田投手は打者としても円熟味を増し、打率3割を2回記録。

2000年から2003年の4年間では105打数32安打1本塁打17打点、打率.305を記録しました。

守備要員の野手よりは間違いなく怖い打者でした。

指名打者制が導入されて以降、パ・リーグの投手は交流戦以外ではほぼ打席に立ちません。

「投手の好打者」は、セ・リーグだけになりました。

現役の投手では、石川雅規投手(ヤクルト)が最多の通算124安打。

2019年も34打数8安打4打点、打率.235でした。

2019年のヤクルトでは原樹理投手が22打数6安打1打点、打率.273を記録しました。

数は少ないながらも野手なみに打つ投手はいるにはいるのです。

しかし、今は打席で全く打つ気のない投手が圧倒的に多いです。

濵口遥大投手(DeNA)は26打数ノーヒット、犠打が1つあったものの三振が16、岩田稔投手(阪神)も22打数ノーヒットでした。

最近は投手の本塁打も激減しており、2017年は8本、2018年は6本あったが、2019年はついに0本でした。

打席に立って「一丁大きいのを打ってやるか」と思う投手は、いなくなりました。

過去3年で言えばウィーランド(元DeNA)が4本塁打、秋山拓巳(阪神)が2本打っているのが最多でした。

ところが、今年は開幕戦でいきなり2本の投手本塁打が飛び出しました。

新型コロナウイルスの影響で3カ月遅れの開幕となった今年のプロ野球、6月19日の開幕戦で投手の本塁打は2本飛び出しました。

1本目は巨人VS阪神(東京ドーム)で3回表、阪神先発の西勇輝投手が菅野智之投手(巨人)から先制ホームラン。

このホームランが2020年の阪神の初安打、初本塁打、初打点、初得点となりました。

2本目はDeNAVS広島戦(横浜スタジアム)の9回表、広島先発の大瀬良大地投手が2ランホームランを打ちました。

大瀬良投手は投打にわたる活躍で広島の勝利に貢献しました。

一方、阪神はリリーフ陣が打たれ逆転負け、西投手の一発は空砲に終わりました。

開幕戦の投手本塁打は2008年の川上憲伸投手(中日)以来12年ぶり、2人の投手が本塁打を打ったのは史上初めてでした。

アメリカ大リーグのナショナル・リーグはポジション別に打撃成績が良い選手のベストナインである「シルバースラッガー賞」を制定しているが、この中には「投手」の部門もあります。

2019年の投手のシルバースラッガーに選ばれたザック・グレインキー投手は、シーズン中にダイヤモンドバックスからアストロズに移籍したが、両チームで合わせて50打数14安打3本塁打8打点、打点.280をマークしました。

グレインキーは投手としても18勝5敗と、投打で勝利に貢献しました。

これが大リーグのエースというものです。

「二刀流」の大谷翔平選手を引き合いに出すまでもなく、優秀な投手の中には打者としても高いポテンシャルを持っている選手も多いです。

指名打者制を導入せず、投手を打席に立たせるセ・リーグの投手は、バットでも貢献する義務があると言えます。

ぜひ、「打ってやる」と言う気概で打席に立ってほしいです。

日本プロ野球 投手本塁打ベスト10
1位 金田正一 38本
2位 別所毅彦 35本
3位 米田哲也 33本
4位 平松政次 25本
5位 堀内恒夫 21本
6位 スタルヒン 19本
7位 稲尾和久 17本
8位 星野仙一 15本
8位 成田文男 15本
10位 金田留広 13本
(大谷翔平選手は投手と野手の二刀流なので、ここには含まない)
(投手以外での出場も含む)