「ロボコン」のオリジナルはNET(現在のテレビ朝日)系列で放送された「がんばれ!!ロボコン」(1974~1977年)です。
「がんばれ!!ロボコン」以降も、東映はロボットの繰り広げるコメディー作品を世に送り出しました。
そして「がんばれ!!ロボコン」から25年の時を経て製作されたのが、「ロボコン」のリメイク版「燃えろ!!ロボコン」(1999~2000年)です。
「ロボコン」は晩年の石ノ森氏がリメイクを希望していた作品でもあります。
メイン監督を務めたのは前作「がんばれ!!ロボコン」の助監督だった坂本太郎氏です。
「がんばれいわ!!ロボコン」の脚本は浦沢氏が手がけ、監督を「仮面ライダークウガ」(2000~2001年)のメイン監督で「平成仮面ライダーシリーズ」の主力監督のひとりである石田秀範氏が担当すると発表されました。
また石田氏が「クウガ」のメイン監督に選ばれたのは、浦沢氏の脚本を忠実に演出した「テツワン探偵ロボタック」第14話「恋する餃子の涙」での映像センスを買われてのことといいます。
「燃えろ!!ロボコン」終了後に同枠(テレビ朝日系日曜朝8時00分~8時30分)で放送されたのが、平成仮面ライダーシリーズの第1作目「仮面ライダークウガ」(2000~2001年)です。
仮面ライダーシリーズは第1作目から「仮面ライダーBLACK RX」(1989~1990年)まで、大阪準キー局の毎日放送で制作されていました。
放映は1975年4月に大阪ネットチェンジ(毎日放送と朝日放送のネット交換)があった関係で、第1作目から「アマゾン」まではNET(現在のテレビ朝日)系、「ストロンガー」から「BLACK RX」まではTBS系でした。
しかし、「クウガ」以降の平成/令和仮面ライダーシリーズは現在放送中の「仮面ライダーゼロワン」まで、在京キー局のテレビ朝日が制作しています。
当時、仮面ライダーの復活を模索していた東映の鈴木武幸氏は、平成ウルトラシリーズを放送していた土曜夕方6時の放送枠を狙って、毎日放送との交渉を進めていました。
しかし、毎日放送側はウルトラシリーズの後番組をアニメ「ゾイド-ZOID」(1999~2000年)に決定してしまいます。
「燃えろ!!ロボコン」は仮面ライダーと同じく石ノ森章太郎氏の原作です。
その縁から「仮面ライダークウガ」は、「燃えろ!!ロボコン」の後番組としてテレビ朝日での制作に決定したのでした。
元々この放送枠は「宇宙刑事ギャバン」から始まった「メタルヒーローシリーズ」の枠です。
「燃えろ!!ロボコン」はメタルヒーローから平成仮面ライダーへとバトンを受け渡した作品ともいえるでしょう。
現在も製作が続く仮面ライダーシリーズですが、中でも人気の高い作品のひとつが「仮面ライダー電王」(2007~2008年)です。
ヒットの要因のひとつに、着ぐるみキャラクター「イマジン」の人気がありますが、イマジンたちのコミカルな描写は「ロボコン」の変形ともいえます。
「電王」の監督には石田秀範氏のほか、脚本に惚れ込んだ坂本太郎氏も参加しました。
着ぐるみキャラクターによるコメディー作品の演出経験が豊富な両名の参加は、イマジンたちのコミカルなやり取りを的確に演出し、その幅を広げました。
昭和・平成・令和と、3つの時代にわたって製作されることとなった「ロボコン」。
監督・石田秀範氏と脚本・浦沢義雄氏のタッグは「燃えろ!!ロボコン」以来、実に20年ぶりです。ロボコンはどのようなデザインになるのか、ガンツ先生はやはり野田圭一氏が続投するのかなど、まだ発表された情報が少ない分、「がんばれいわ!!ロボコン」への期待がふくらみます。