視聴率調査に変化 | 女装男子かなこのブログ

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3月30日、テレビ業界に一つの節目が訪れます。

ビデオリサーチが行っている視聴率調査がリニューアルし、各地の調査数が増えるほか、全国で個人視聴率が導入されるなどの変化があるのです。

最大のポイントは、これまでの「どれだけの世帯が見たか」を示す世帯視聴率ではなく、「性別や年齢などの項目別で誰がどれだけ見たか」を示す個人視聴率が重視されることです。

また、関東エリアに限らず「全国で何人が見たか」が明快になるなど、よりリアルな視聴動向が明らかになるのです。

スポンサーが「商品のターゲット層にリーチしやすくなる」とともに、視聴者にとっても「自分の好みに合う番組が制作・放送されやすくなる」などのメリットが得られるでしょう。

特に2010年代に入ってから、世帯視聴率は「高齢層の影響が大きすぎる」「スポンサーの意向と合わない」などの問題点が指摘されていました。

実際、高視聴率を獲得しても視聴者層が高齢のため広告収入には結びつかない番組もあるなど、個人視聴率の本格導入が待望されていたのです。

個人視聴率の公表に合わせ、調査世帯数も増えます。

関東地区は900世帯から2700世帯へ3倍増、関西地区は600世帯から1200世帯へ2倍増になります。

ただ、個人視聴率の見え方には要注意で、「世帯」ではなく「個人」が対象になるため分母が大きくなり、そのぶん視聴率の数字自体は小さくなります。

同じ番組でも以前より人気がなくなったような誤解を与えかねないため、ビデオリサーチは一定期間、世帯視聴率と個人視聴率を併記したり、視聴者数の推計を発表したりして、周知していくというそうです。

現在、ビデオリサーチの視聴率調査は、視聴者の年齢層を次のように分けています。

4~12歳 C(ChildのC)

13~19歳 T(TeenagerのT)

20~34歳 M1、F1

35~49歳 M2、F2

50歳以上 M3、F3

20歳以上は男性👨をM(MaleのM)、女性👩をF(FemaleのF)と区分しています。

C、Tは男女を区分しません。

4歳未満の乳幼児は対象外です。

また、民放テレビが2局以下の山梨・福井・徳島・佐賀・宮崎の各県は対象外です。

パソコンでの視聴は対象外です。

CS放送、ケーブルテレビ、独立UHF局は「その他の局」として扱われ、局個別の視聴率は発表されません。

調査対象の世帯はランダムに決定され、自ら名乗り出てなることはできません。

世帯や親族にマスコミ関係者がいる場合は対象者には選ばれません。

調査装置の詳細や対象者の選出方法については非公開で、調査中及び調査終了後も調査方法を秘密にするようにされています。


個人視聴率の本格導入に、テレビ局はどう対応するでしょうか。

世帯視聴率は現在、日本テレビが5年連続で三冠(全日・ゴールデン・プライム)を獲得するなど独走状態。

特にゴールデン・プライム帯にバラエティーを3~4番組並べた編成で、他局を圧倒し続けています。

ところが、独走状態の日本テレビは昨年から、視聴率の評価基準をいち早く個人視聴率にシフト。

さらにさかのぼると、2010年代に入る前から13~49歳をコアターゲットに定め、中でも「世帯視聴率をできるだけ下げずに、若年層の視聴者層を掘り起こそう」という姿勢を続けてきました。

他局が目先の世帯視聴率を求めて、高齢層をベースにした番組を制作する中、明確にシフトチェンジしていたのです。

この1年あまり、他局は「個人視聴率にシフトした日本テレビに世帯視聴率でも勝てない」という悔しい状態が続いていますが、「今春以降はさらにその差が開くのではないか」というのが業界の見方です。

実際、日本テレビはバラエティーもドラマも若年層が好む要素を織り交ぜ、積極的に若手タレントを起用しています。

例えば、「THE突破ファイル」には、ぺこぱやEXITなどの若手芸人、中尾暢樹さんや高田夏帆さんなどの若手俳優を毎週キャスティングしています。

ドラマでは、「今日から俺は!!」「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」「俺のスカート、どこ行った?」などの学園ドラマを積極的に手掛け、若手俳優を大量キャスティングしています。

そのほとんどは、世帯視聴率こそそれほど高くないものの、コアターゲットの個人視聴率で見たら及第点以上の結果を残しました。

他局が手がける高齢層向けの番組が多いこともあって、おのずと差別化になり、スポンサーからの評価も上々のようなのです。

「他局も日本テレビのように変えればいいのでは」と思うかもしれませんが、これまでの出演タレントや視聴者層を突然切り捨てるわけにはいかず、スポンサーとの調整もあるなど、すぐにシフトチェンジすることは難しいでしょう。

テレビ局の番組表を変えるには少なくとも年単位での改編が必要と言われることもあり、日本テレビの一人勝ちが続きそうなのです。

一方、他局はどこまで日本テレビに食らいついていけるのか。

鍵を握っているのは、やはり世帯視聴率からのシフトチェンジであり、それができれば、おのずと番組の企画も変わっていくでしょう。

そのためには、若手社員の抜てきもこれまで以上に求められるのではないでしょうか。

高齢層向けの人気番組をそのまま生かしつつ、若年層を取り込むべく、いかに新たな風を吹き込んでいけるか。

今春の視聴率調査リニューアルは、変わることを恐れない各局の覚悟が試されているのかもしれません。


日本の視聴率調査は1954年、NHK放送文化研究所が面接式調査を行ったのが最初です。

1955年には電通が日記式調査を始めました。

電通による視聴率調査は1963年1月が最後で、その後はビデオリサーチに引き継がれました。

1958年には社団法人中央調査社が日記式調査を行いました。

1961年にアメリカの市場調査会社、ニールセンの日本支社(1965年にエーシーニールセン・コーポレーション株式会社として法人化、その後ニールセンカンパニー株式会社を経て現在のニールセンカンパニー合同会社)が機械測定による視聴率調査を始めました。

ニールセンの視聴率調査には当時の日本テレビ会長の正力松太郎も支援したといいます。

1962年12月からはビデオリサーチも視聴率調査を始めました。

当初ははオフライン調査で、対象の世帯のテレビに測定器を取り付け、調査員が紙テープを回収した後測定していたので、視聴率が判明するのは次の週になってからでした。

1977年から電話回線を使用するオンライン調査となり、放送翌日に視聴率が判明するようになりました。

2000年3月にニールセンが視聴率調査から撤退、以後、視聴率調査はビデオリサーチの1社独占になっています。

ニールセンが視聴率調査から撤退した理由は、機械式個人視聴率調査の導入に際して民放キー局と意見が対立したからといわれます。

1987年に日本の民放テレビの間で起こった視聴質論争により、機械式個人視聴率調査の導入問題が起こりました。

1994年11月にニールセンが機械式個人視聴率調査を開始したが、その精度に異議を唱えていた民放各局が反発、1997年にはビデオリサーチも機械式個人視聴率調査を導入、これで調査費用が高騰したため、結果的にニールセンの撤退につながったといわれます。

ビデオリサーチが視聴率調査を開始した1962年以降、歴代1位の視聴率(関東地区)は1963年12月31日の「第14回NHK紅白歌合戦」で81.4%でした。

歴代2位は1964年の東京オリンピック、「東洋の魔女」が活躍した女子バレーボール決勝・日本対ソビエト(NHK)で66.8%でした。

視聴率調査は「世の中の動向を表す」「番組制作、編成の参考」「広告への接触を示す共通指標」を三つの柱としています。

それがより詳しく把握できるようになった時、テレビはどう変わっていくのか、注目されます。