
下絵
下絵描く人専門の方がいて、色は染める人(色を塗る人)が決めるそうで、試し塗りした色を、問屋さん(だったかな?)にみてもらい、
「この絵柄は◯歳くらいの人が着るだろうから、色をもっとこうして」とか、指示され、その試し描きした分は、賃金にならないそうです。
この下絵は、お話を聞いた匠が4〜50代の頃に、競技会(たぶん技能を競う職人達の技を、偉い匠が評価する会だと思う)に出品したもので、染め屋さんは、普通は下絵を描かないですが、競技会の為に描いたもののコピーです。
下絵と色つけを見比べてください
白く縁取りされてるのは、糸目友禅で、糊を引いて染料を置いてます。
糊がない、いかにも手描きが、「素描き」友禅。
ボヤけてるのが、エアーで染料を吹き付けてます。
この3つの工程、本当は専門の各職人がいるが、人の手が増えると、着物代にも跳ね上がり、出来上がりも遅くなるので、一人で三役できる匠です。
この絵にもこだわりがあり、子供の脱いだ下駄を見て下さい。
キチンと揃えてるのは、いいところのお嬢さん
下駄がバラバラになってるのは、暴れん坊の権太くれの庶民を、表したそうです。
物語性になってるんですね。
皆さんの帯や着物も、物語になってるのがあるかもしれないですよ

そして、これ、実際には、縮緬の色留になってます
(仮縫いの状態です)
このクリーム色を境にして、上の部分の白生地を色無地の色に染めるそうです。
そして、縮緬て、しぼが細かい?小さい?目立たないほど、高価だそうです。
百均の縮緬は、しぼがよくわかるので、安いという事になりますね。
有名な、鴨川の友禅流しは、余分な染料と、糊を落とす作業をしてるそうです。
現代は、地下水で工房でやってる所もあります。
環境問題もあるのかな。
匠の筆
犬や猫を想像すれば、毛の硬い所と柔らかい所がわかりますよね。
筆を作る職人さんや、動物自体も希少になってるそうです。
ポスターカラーの筆の高いの、やはり、描き心地が全く違うので、匠仕様なら、尚更ですよね。
最後に、見せてくれたのが、日本刺繍の先生がピンセットで、金箔に挟んでた和紙(あのあぶらとり紙)で折った、めっちゃ、ちっこい折り鶴
匠は、すごく大切にされてました。
日本刺繍の先生の、器用さがわかりますよね

以上、京友禅の染め屋さんから、2時間に渡るお話をまとめてみました。
出来上がったものには、烙印を押すので、後々のお手入れや、誰がやったかがわかる。
私は、友禅の着物は持ってないですが、友禅に限らず、それぞれに職人の想いが詰まった着物や帯等を着るのだから、大切にしたいと思いました。
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました😊