カナは私。
もう一人の私。
そのことに気が付いたときカナは死んだ。
私がやりたかったことを実行してくれたのはカナだった。
グズグズしている私のレールから邪魔なものを排除していたのはカナだった。
カナは私の負の部分。
嫌な事は全てカナに押し付けてきた。
そんなカナを私は捨て忘れていた。
毎日の生活に終われ思い出すことも無かった。

あの弟君と一緒に真っ赤なワンピースを来た自分の写真を見た日。
あの日私は あの部屋を飛び出し自宅へ戻った。
戻った私を迎えてくれたのはカナだった。
カナの顔は脅えてた。
いつもの自信たっぷりなカナの顔とは違った。
いや・・・いつもカナは脅えた顔だったのかもしれない。
私が嫌なことばかり押し付けていたのだ。
「あんたなんか要らない!」私は叫んだ。
私を覗き込むカナの姿を突き飛ばした。
カナは壁にぶつかり そのまま崩れ動かなくなった。
そのカナを台所から持ち出した包丁で刺した。
何度も何度も刺した。
私は泣きながら刺した。
その手を止めたのは追ってきた弟君だった。
「あや・・もういいよ!カナは もう居ない」
その声で私は手を止めた。
私が包丁で刺していたのは真っ赤なワンピースだった。
カナの姿など無かった。
確かにそこにカナが居たはずだったが姿は無かった。
「初めからカナは居ないんだよ」弟君が声をかけた。
私は黙って弟君の顔を見つめ頷いた。

真っ赤なワンピースは箱に入れてクローゼットに入れた。
なぜだか捨てる気にはなれなかったのだ。
私はカナを忘れたくなかったのかもしれない。
そのときはそのことに気が付かなかった。


マグロの解体ショーのお手伝いがあった。

テーブルの上に横たわる一匹?のマグロ。
40キロくらいあるらしい。
私より軽いな。←(当たり前?)
でも~40キロにしては小さく感じる。
そう思ったとき 
「あれで40キロもあるの?」
「見た目には私の3分の1くらいじゃない?」
「私 120キロも無いわよ!」と しーちゃんが言い出した。
確かに・・・そうだ。
「しまりが違うのさ!」マサ子が言った。
なるほど!マグロちゃんは しまった体型なのか。
メタボな私たちと根本的に違っているわけだ。
目指せ!マグロ体型!!ってことなのか・・・!?

入居者もボチボチホールに集まってきて解体ショーが始まった。
だが手伝いといっても 何もすることは無い。
業者さんが張り切って主催してるから
誠意を見せるためのサクラである。
観客が少ないと相手に悪いという それだけの理由であった。
以前 大手スーパーでの解体ショーを見たことがあるが
見せる事に慣れた職人さんで
多少オーバーなアクションであったものの。
トークを交えながらの解体は見る価値のあるものだった。
が・・・
今日の解体ショーはお粗末なものだった。
マグロ事態が小さいせいもあるかもしれないが
職人さんが見せる事に慣れていないらしく
まさに職人そのもので 
ブツ・・ブツ・・・ブツ・・・と無言で解体していた。
隣にマイクを持った人が立ち。
「今 頭を切り離しました」とかナレーションを入れてくれているのだが
空気に長い間触れていると生きが下がるから・・・と言う理由で
切り離したとたん すぐに厨房に運ばれていってしまった。
運ぶ前に集まった人たちの前をワゴンにでも載せて見せて歩いても良さそうなものである。
だが その願いもむなしく←(味見が出来れば 言うことは無い^^)
ただ職人が もくもくと解体だけを進め
すぐ横でマイクを持った人が実況放送?
そんな状態で解体ショーは終わってしまった。
観客の口には一切れも入らなかった。
労働にはそれなりの代価を支払わなければいけないのではないか~!?
入居者の人たちは お昼ごはんのおかずとしてマグロを食するらしいが
サクラの私たちの口には入らない。
生臭い匂いを撒き散らしただけでマグロは行ってしまった。

今晩のおかずは マグロの刺身にしようかな~!?
誰とも無く そう呟き いつものお茶飲みを始めた。
今日のお茶飲みは盛り上がらない。
頭の中は さっきのマグロのことでいっぱいなのだろうか?
私には自分の頭の中のことしか解らない。
その時 私は
我が家の今晩のメインを刺身にしようと決めていた。
他の7人の考えていることは解らない。
だが。。。
彼女たちの目は輝いていた。
心に何か秘めたものがある目だった。

間違いなく我が家はマグロの刺身である。
さて~残り7人の今晩のメニューは~!?
気にはなるが私には解らない。

ママのバックはドラエモンのポケットと同じである。
何でも出てくる。
飴やガム・チョコレートは当たり前。
健康食品まで飛び出す。
外食するときにも使用するつもりで持ち歩いているそうである。
だが
持ち歩いてはいるが使用するのを忘れてしまうらしい。
一向に減らない。
そのうえ新商品が出ると どうしても買いたくなるらしい。
試さずには居られないのである。
人一倍健康には気をつけている。

先日 ビタミンCのボトルを持ってきた。
ほとんど飲んでいないような中身である。
「これ・・ここに置いておいたら誰か飲むよね~!?」
とママがビタミンCのボトルを取り出した。
最初に友子がふたを開けた。
「ずいぶん 大きなダブレットだね?」
そういいながら取りだした。
確かに大きい・・
薬が苦手な私には飲み込むのが無理そうな大きさである。
私は断念した。

実は8人ともメタボのことを気にしてない振りをしているが
内心 とても気にしているのだ。
だが病気なので仕方が無い。
空気を吸うだけでも体重は増加する。
成長期なのである。
健康な証拠とも言える。←な馬鹿な!?

そのタブレットを取り出したとたん
取り出した友子・持ってきたママ・飲むのを断念した私
以外の人の手が伸びた。
私たちにもくれ!と その手は言っていた。
手のひらにも口が付いているのである。
その日を境にタブレットを飲みだした。
だが タブレットのことを記憶している人は居ない。
思い出したように友子が飲もうとするときだけ
手を出すのである。
口に入るものは拒まない。
それもまた あの病気の特徴である。

それでも最近はおとなしく過ごしている。
あの<あるある大辞典>の放送が中止になったからである。
あの放送が流れていたときは必死だった。
誰も運動をする気は無い。
苦しいことは目を瞑り楽して痩せるのなら試してみたい。
運動の時には目もくれないが
食べるだけで痩せる!などと言うタイトルのときは必死なのだ。
目を皿のようにして放送を見る。
普段はすぐに行動に移さないのに 即座に買い物。
放送の次の日は その商品をゲットするのに力を注ぐ。
その行動力には驚かされる。

勿論 効果が出た人は居ない。
なぜなら その情熱は長く続かないのだ。
翌週は また違う方法を試している。
流されやすい性格である。

痩せるどころか増える場合もある。
カスピ海ヨーグルトのときは笑ってしまう。
お通じがよくなって痩せる。
と言うのがうたい文句だったが・・・
このヨーグルトには味が無いため食べにくい。
その上 少し粘りのようなトロミがあって食べにくかった。
くだものと合えると良い。っと言われていたが
食べにくいからと言って糖分を加え
バナナにかけて食べている人が居た。
↑
ここでは名は伏せておこう。
あんたもあんたもやってたよね?
勿論私もやってみた。

これを食べるのはいいが
結構なカロリーなはずである。
これを 今までの昼食+○○○なのである。
これでは痩せるはずが無い。
だが本人は気が付かない。
「なぜ減らないのだろう~!?」と
疑問がっているのが私には疑問だった。
勿論 この無駄な努力の習慣も長くは続かなかったのは言うまでも無い。

「トントン食べる?」
綺麗なおねぇさんが聞いている。
ダイエットに気をつけてるトントンが断ると
「トントン 仲良くしよう~♪」とウーロン茶がトントンを誘う。
今 そんなウーロン茶のCMが流れている。
ウーロン茶を飲みながら食べよ!と言うCMのオチらしいが・・・!?
ウーロン茶を飲むと太らないのか~!?
そんなことは絶対にありえない。
なぜなら 私たちのお茶飲みは ウーロン茶を愛用していたときもあったのだ。
今じゃ すっかりトントン化してしまった。
効果があるならメタボな生活とオサラバしていたはずである。