私が、今書いている金融本の、骨格(こっかく)は、まず、
Ⅰ. 「アメリカは米国債(の支払い、償還)を踏み倒す。居直り強盗だ」 である。
これを、英語では、上品に、sovereign debt restructuring 「ソブリン・デット・リストラクチュアリング」という、これは、「国家債務(ソブリン・デット)」の「再編(リストラクチュアリング)」と訳されるだけで、このコトバの重大性を、日本の専門家たちは、誰も説明しない。
この恐ろしい言葉の本当の姿を、分かりやすく説明しない。
だから、皆、ポカーンとしている。
そのくせ、偉そうに、難しそうな経済(学)議論を、したり顔でやっている。
一番、大事な、超重要な、この「ソブリン・デットのリストラクチュアリング」が、「借金の踏み倒し」であることを、誰も言わない。
このことの重要性を、私は、3月17日の、自分の金融セミナーで、大声でだ怒鳴りながら説明したのだ。
今度の私の金融本で、詳しく、丁寧にやる。
それをどう書いたらいいのかで、私は目下、苦しんでいる。
そして、次に、
Ⅱ.「米国内にあるドルの、20倍のドルが海外に流れ出している」
この世界中に存在するドル(これを、ユーロ・ダラー euro dollar と総称して言う)膨大なドル(アメリカ政府は、これらを管理できない。残高だけは分かる)を、アメリカ国内に還流させようとしている。
だから日本政府が、秘密で、貢がされてきたアメリカへの資金援助の、その見返りが、100年物(100年後に返します)の「米国債」の山なのだ。
そして、この世界中に垂れ流されているドルが、高金利に引かれて、NYの金融市場に戻って来るのを、今、実行している。
だから、ドルだけが、他通貨に対して高い(強い)という政策が行われている。
ドル高円安の動きの根本は、ここなのだ。
NYの金融博奕(ばくち)人間たちがこの、外国から還流(かんりゅう)してくるドルを大歓迎して使っている。
だからアメリカのワルたちは、「金利を上げろ。もっと上げろ。FRBのパウエル議長よ。今の政策金利5.5%では足りない」と喚(わめ)いている。
こいつらを、金融タカ派(hawk ホーク)という。
表面上は、いつも、(アメリカの)インフレがコワい。
だから引き締めるために金利を上げるのだ、と言っている。
そういう説明ばっかり、日本人も金融解説で、読まされる(テレビもこればっかりで説明する)。
だから皆、金融のことが分からない。
それに対して、アメリカの金融制度が壊れることを本気で心配している人たちは、金融ハト派(dove ダブ)と呼ばれる。
彼らは、金融緩和を続けるしかないのだ。
もっと金利を下げて、かつ、財務省とFRBは、もっと財政支援をしないと済まない(もっと米国債を発行し続けるしかない)」と言っている。
このハト派の方が大人(おとな)だ。
ポール・ボルカ―(デイヴッド・ロックフェラーの金融経済の大番頭)の系統の米財務官僚たちだ。
このボルカ―の若い頃、愛人だった、ラエール・ブレイナードが、今、NEC(大統領直属の国家経済会議)の責任者で、アメリカの予算を組んでいる。
日本では、木原誠二(きはらせいじ)と島田隆(しまだたかし)たちが、「ああ、ほんとうにキツイなあ。こんなにアメリカにふんだくられると、予算も組めないよ」と、日本の予算を最高度で組んでいる。
だから「日本は、金利を上げれないんだよー。10年物の国債が、1%を越すと、もう利払いの計算が出来なくなって、財政破綻するんだよ。」
だから、日銀植田と一緒になって、マイナス金利から脱却した、といいながら、今も、ゼロ金利のままなのだ。
日本はこれでいいのだ。
ガマンにガマンで生きる。
日本国民に多大の苦労を掛けながら、日本の為政者(いせいしゃ)たちは、頑張っている。
このことを日本国民が分からない。
アメリカの手先どもが、日本政府(岸田政権)を腐(くさ)すことばっかりやっている。
日本は、アメリカの金融市場が崩れ落ちるまで、我慢に我慢で、待っているしかない。
これでいい。
金利(インタレスト)というのは、とにかく、低い方がいいのだ。
産業資本家(経営者たち)にとっては、金利は低い(安い)方がいい。
銀行から借りている融資金の金利が上がるのが、経営者は、とにかく嫌いだ。
この「経営者(産業資本家)にとって、金利は安い方がいいのだ」という経済の原理(プリンシプル)を、まずしっかり分かりなさい。
産業資本家は、もの作りをして商品を作って、お店を経営して、その売りと利益から、従業員の給料を苦労して、払っているのだ。
このことが分からないと、他の偉そうな議論をいくらしても無意味だ。
世の中の仕組みの根本が分かったことにならない。
だから、それに対して、金儲けにだけ執着する、強欲人間たちである、金融博奕人間たちは、その歪んだ精神で、博奕の種銭(たねぜに)にするために、金利は高いほうがいい。
それが今の世界帝国の金融の城であるNYに集まっている。
そして、彼らが、度を越した金融博奕(ばくち)をするものだから、やがて、市場が破裂を起こす。
彼らは、先物(さきもの)と言って、「自分が持ってもいないものを、売る」この理屈をどこまでも拡張する。
おカネが何十倍にでも膨らむ。
それが世界に災いをもたらす。
現在、世界中の債務(世界借金 world debt ワールド・デット)は、377兆ドルにまで膨らんでいる。
これが2010年には、80兆ドルだった。
これらの膨大な、生まれてしまった借金の残高このことを、世界中で、真面目で頭のいい人間たちは、心配している。
どこまででも、どれだけでも、通貨(ドル)を刷って、政府の予算が足りなかったら、どれだけでも米国債(ナショナル・ボンド、TB 米財務省証券)を 刷ればいいんだ。
それが、ケインズ経済学の教えだ、となっている。
ケインズ博士が、墓場の陰で、「馬鹿ども目が。やっぱりこういうことをしたか。私には初めから分かっていたよ、お前たちがやるだろうことが」と嘆いている。
アメリカの強欲人間たちは、Ⅱ.の「海外にある、アメリカ国内にあるドルの20倍のドル」を、NYに呼び戻して、それを使いたい、と考えている、アメリカのゴロツキの、金融博奕人間(金融ユダヤ人)どもが、タカ派であり、「もっともっと金利を上げろ。金融市場を過熱させる。それが(人間の欲望を肯定する)資本主義というものだ」と騒いでいる。
それに対して、これ以上の国家債務(米国債の発行)には、堪えられません、と真面目な米財務官僚(ボルカ―派)は分かっている。
だから、なぜ、こんなに円安(160円まで行った。他の国々も同じ)になるのかが分かるだろう。
日本で借りられる「年率0.1%の 安価な資金を使って、米国の年率5.5%の高利の債券を買って運営」すれば、その差額で自動的に儲かる。
これを、「円キャリー・トレイド(取引)」という。
こういう金融博奕(ばくち)を山ほど、やっている。
ただし、この動きが、どこまで出来るか、だ。
すなわち、Ⅰ.のあまりにも摺り過ぎた(発行して、垂れ流した)米国債を、どうやって返済するか、償還できるか。
その前に、信用崩壊が起きないか、だ。
ここのところの闘いを、今、人類はやっているのだ。
だから、皆、分かりなさい。
Ⅲ.(3つ目)が、前述した、新興国(貧乏大国たち)70カ国ぐらいも、国内が大量の自国の国債(借金証書)を抱えて、その償還が出来ず、今にも国家破産(デフォールト)しそうだ。
この貧乏国たちは、強国であるアメリカのように「借金を踏み倒す」ことは出来ない。
IMF=世銀から借りている膨大な借款を、「もう、返せません。返す気が有りません」と宣言して、アルゼンチン(もう9回、これまでに破産した)を筆頭にして、「外国からの借金をチャラ、パーにしてくれ」と、騒ぎだそうとしている。
これらの貧乏国の債務(借金)も、ほとんどは米ドル建てになっている。
それをわざと捻じ曲げて、貧乏諸国への中国からの借款を「債務の罠(わな)」だとか、盛んに書いている日本人の専門家や記者たちは、アメリカの手先を通り越して、統一教会(Moonies ムーニー)どもだ。
私の、今度の金融本では、2015年に起きた、ギリシアの国家破綻の時に登場した、バルファキスという勇敢な経済学者が、ツイプラス左翼救国政権の財務相(ファイナンシャル・ミニスター)になって、「ギリシア国は、破産しました。ですから、民間企業と同じく、破産手続きを取ります。外国からの借金は、ほとんど返しません」という経済理論を、本当に、実行しようとした。
そして、怒りを買って辞任させられた。
このバルファキスの優れた宣言が、これから、世界中で起きて来る。
今、G20で、「この国家が破産した時に、どうやって債務をパーにすることを認めるか」の議論を始めている。
「パリ債権者会議」という世界の支配者たちが、隠然(いんぜん)と作っている、”Paris Club” 「パリ・クラブ」が壊れる、ということだ。
もう、欧米白人たちが世界を支配している時代ではなくなるである。
アメリカは、借金を踏み倒すが、小国たちは、夜逃げ(run away ランナウエイ)することを考えている。
それでも借金を返せなかった、国民は、塗炭の苦しみを味あう。
「娘が、女郎屋(ソープランド)に売られる。男なら、マグロ漁船に乗って来いや」の世界だ。
このことが分かって、始めて、世界の金融も分かるのだ。
Ⅳ(4つ目)は、アメリカ屋内の不動産と、NYなどの大都市のアパート価格の下落、暴落が始まっている、という事実だ。
私の次の本に載せるが、FTの記事で、NYでは60%の下落をしている。
全米の住宅地では、33%の下落をしている」が、事実だ。
これは、RMBS(住宅抵当証券)や、商業ビルのCRBS などの、マネタイズ(証券化)した、ボロくず債券(ハイリスク・ハイリターン債)の金融市場と直結する。
これらの大親分が、Ⅰ.の米国債だ。
そして、Ⅴ.(5つ目)が、アメリカ国内の政治の動乱状況だ。
もし、11月5日のアメリカ大統領選挙が、まともに行えないなら(きっと、また、巨大な不正選挙 voter fraud ヴォウター・フロード をやる)、その前から、アメリカは、内乱、内戦状態になるだろう。
トランプ派の国民が、もう黙っていない。
おそらく数万人の若者が、両方穂勢力で、銃撃戦となって死ぬだろう。
その前に、8月19日(?)から、始まる、米民主党の党大会(ナショナル・コンヴェンション)、ミシガン州(大都市シカゴが有る)の南の都市でのようだ。
この会場は、数万人の、怒れる貧しい若い労働者と学生たちが押し掛けるだろう。
デープステイイト(超財界人と軍産複合体と法曹)に対する憎しみが限界まで来ている。
ロバート・“ボビー”・ケネディJr (71歳、父親は殺された)が、この会場に来るかもしれない。
やっぱり騒乱状態になるだろう。
警察(ライオット・ポリス。機動隊)だけでなく州兵(ナショナル・ガード)も出動するだろう。
FEMA フィーマも?
トランプ大統領の、生き残っている側近たちは本気で考えている。
もし、彼らデー欧ステイトがすんなり大統領選挙の結果を認めて、権力を明け渡すなら、その日のうちに、戒厳令(マーシャル・ラ=)を発令して、デープステイトの主要な人間たち、数万人を、ただちに国家反逆罪で、逮捕、拘束するだろう。
そして、金融政策としては、ただちに、ドルの切り下げ(まず20%とかを切り下げる)を実行しようとしている。
この構想はすでに周囲に知られている。
その時は、「ドルは暴落する」では済まないのだ。
これらのことを、日本人は分かりなさい。
Ⅵ.(6つ目)が、ロシアと中国の動きである。
5月にプーチンが北京に行って、習近平と話し合う。
ウクライナの停戦のことも当然だが、ここまで私が書いて来た、「アメリカの金融崩れから、自然に世界通貨体制が変わる」の話もするだろう。
以下は、昨日、私が書いていた文だ。
これももう、そのままここに載せる。
内容は繰り返しだ。
「ドルの下落」。
その背後に、米国債の世界的な、暴落(金利は上昇)、投げ売りの始まりがある。
今の為替の変動は、アメリカの金融崩れの第2段階だ。
日本ごとき、今や世界政治の実力では、アメリカの属国(従属国、朝貢国)をやり過ぎて、準(じゅん)大国にまで落ちてしまった国が、アメリカを相手に、NYの金融市場で、ドルと 米国債を、大量に売り払って、それで、アメリカのドル覇権(the USdollar hegemony ザ・ユーエス・ダラー・ヘジェモニー)を突き崩(くず)すなど、出来るわけがない。
このことも、重々、承知の上で、私、副島隆彦は、書いている。
日本政府(大蔵省と日銀)が、米国債をNY金融市場で一気に、1兆ドル(150兆円分)売ったら、本当にアメリカの金融市場(NYとシカゴの先物市場)は崩壊する。
この時は、アメリカ政府(金融市場の監視当局)は、ただちに、サーキット・ブレイカーどころか、国家緊急金融統制令(こういう法律が有る)を発令して、金融市場を、その取引を、一瞬で、凍結(とうける、フリーズ)する。
そして、「市場での大量のドル売りを無かったことにする」をする。
その特別な法律のことを、私は、すでに、自分の本に〇年前に、詳しく書いている。
今度また書こう。
アメリカのトランプ大統領の、まだ生き延びているスタッフ(忠実な側近)たちは、11月に、順調に(当然のこととして、アメリカ国民の80%の支持を受けている)自分たちが大統領選挙に勝って、正当に権力の座に戻ったら、ただちに、「ドルの切り下げ(dollar round down)20% 」 とかの大胆な決断をし、ただちに実行する気でいる。
このことは、公然たる事実である。
そうなれば、1ドル=100円を割る、どころではない。
米ドルは、80円、60円、40円と、どんどん崩れてゆく。
今のアメリカは、そのような内向き政策しかできない。
これが、America first ! 「アメリカ・ファースト !」政策である。
このアメリカ・ファースト ! を、私、副島隆彦が、もう10年前から、ずっと「バカ、こら。これを、アメリカが一番、とかアメリカ第一主義と訳すのは、誤訳(ごやく)を 通り越して、低能(ていのう)、低知能の翻訳だ」とずっと、怒ってきた。
正しくは、アメリカ・ファースト!は、「アメリカ国内優先(こくないゆうせん)主義」と訳せ、と、私が、ずっと強調してきただろ。
アメリカは国内問題が山積していて、とても、もう、諸外国を支配し管理している(世界の警察官。ワールド・ポリスをやる)暇(ひま)も余裕もない。
だから、トランプたちは、世界中に置いている米軍基地も、全部、アメリカの領土(国境線内。領土、領海の内側。太平洋ならグアムまで)に戻せ、と言っている。
米軍の軍人たちも、「もう帰りたい。外国になんかいたくない。自分の国を守るためなら頑張るけど、外国のことなど知ったことではない」と思っている。
米軍人はもう戦争をする気がない。
だからウクライナに軍事支援で、山ほど、武器弾薬を送っている。
自分たちはもう外国で死にたくない。
これがアイソレソニズム(isolationism ✖孤立主義。本当は、アメリカ国内優先主義。外国のことは2の次主義)である。
今日は、もうこれぐらいにしましょう。
副島隆彦拝