自己中米国のロシア制裁で米国は自爆するか | きなこのブログ

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ガスをルーブル建てにして米国側に報復するロシア
https://tanakanews.com/220401gas.htm

ロシアを経済制裁している米国側の諸国は4月1日以降、ロシア(国営企業ガスプロム)から天然ガスを輸入する際、ロシアの通貨ルーブルで支払わないとガスを売ってもらえなくなった。

 

ロシアは米欧日など米国側から経済制裁されており、ロシアの政府や企業はドルやユーロでの決済を大幅に制限され、ロシア政府が天然ガス代金としてドルやユーロを受け取っても、それを使って米国側から商品を買えない。

 

そのためロシア政府は、ガス代金をドルやユーロでなくルーブルで受け取りたい。 

経済制裁は、ロシアのウクライナ侵攻に対する処罰だが、ロシアから見ると2014年以来ウクライナを政権転覆してロシア敵視の米傀儡国として支配してきた米国側の方こそ極悪であり、ロシアがウクライナを中立国(露陣営側)に戻すことはロシアにとって正当防衛だ。

 

ロシアから見ると、米国側の対露制裁は不法行為だ。

 

ロシアがドルやユーロを使えなくなっているのは不当であり、ロシア政府はその不当さを迂回するための正当防衛策として、米国側に天然ガスの代金をルーブルで払わせることを義務づけた。

 

ロシアのこの措置は、ロシアを経済制裁している「非友好諸国」に対してのみ適用される。

 

米国側は今のところ、ガス代をルーブルで払うことをガスプロムの契約違反として拒否している。

米国側のうち、米英はロシアから天然ガスをあまり買っていないのでルーブル払いを拒否しても悪影響をあまり受けないが、ドイツを始めとするEU諸国は、消費するガスの半分近くがロシアからの輸入だ。

 

EUがこのままルーブル化を拒否してガス代を払わないと、4月2日以降、ロシアからEUへのガスの輸出が止まり、すぐに化学品など各種の工業製品の生産が急減するなど、経済に深刻な被害が出る。

 

欧州がロシア以外からの天然ガス輸入を大幅に増やすには5年以上かかる。

 

日本も、消費する天然ガスの1割がロシアからの輸入だ。

ロシア政府が米国側に「4月1日からガス代をルーブルで払え」と言い始めたのは3月25日ごろからだ。

 

米国側は当初、これは政治的な脅しにすぎず、米国側がルーブルでなく従来どおりドルやユーロで次回のガス代を払ってもロシアは受け取ってガスを輸出し続けるだろうと考えていた。

 

ロシア大統領府(クレムリン)の広報官は3月30日に、米国側がガス代をルーブルで払うまでに時間がかかるのは仕方がない(米国側のルーブル払いが遅れても、すぐにロシアがガスを止めることはない)と言っていた。

しかしプーチン大統領は3月31日に、4月1日から非友好諸国にガス代のルーブル払いを義務づける大統領令に署名して発効させた。

 

米国側がルーブルで払わない場合、4月2日以降、米国側はガス代をロシアに払っていない状態になることが確定した。

 

 

4月2日以降、米国側がルーブル未払いの場合、ロシア側がガスの供給を減らすのかどうかは明確でない。

 

だがドイツなどは、ロシアからのガス送付が減った場合にガス供給を配給制にするなどの応急策を検討している。

 

プーチンの署名後すぐに欧州のガス先物相場が110ドル台から148ドルへと急騰した。 

米国側はロシアを経済的に完全排除しており、ロシアと米国側は厳しく対立している。

 

ロシアはルーブル払いの義務化に従わない米国側への天然ガス供給を本当に減らす可能性が高い。

 

ガスを止められたら欧州は大混乱と大不況になり、とても困る。

 

とりあえずルーブル払いしておくのが得策だ。

 

しかし、ドイツなどEUはルーブル払いを拒否し続けている。

 

ロシア側は、ルーブル払いにするのは簡単だよ、と言っている。

 

しかし米国側は、ガスを減らされたらすぐに大混乱に陥るEUでさえ、ルーブル払いを拒否し続けている。

 

なぜなのか。

 

私なりに考えてみた。

ロシア側によると、米国側がルーブル払いをするには、ガスプロム銀行に口座を新規開設し、そこにドルやユーロでガス代を預け、ガスプロム銀行に両替を頼んで口座内の資金をルーブルに替えてもらい、そのルーブルでガスプロムにガス代を払えば良い。

 

しかし、米国側はこの手続きをやらないと言っている。

 

3月30日、ドイツのショルツ首相とプーチンが電話会談し、プーチンがショルツに上記のやり方を説明したが、ショルツは断った。

 

ドイツが断った理由について私が推測したのは、

ドイツ政府は米国から強要された対露経済制裁の一環としてロシア政府の資産を凍結・没収しているので、

ドイツ側がガスプロム銀行に口座を作ってユーロ資金を入れたら、

没収された資産の一部を回収する名目で、

ロシア政府がその資金を没収し、

ガス代として使わせてくれないと予測されたからでないか、

ということだ。

この推測が正しいのかどうかわからないが、とにかくドイツなどEUはロシアにガス代のルーブル払いを拒否しており、このままだとロシアが欧州へのガス送付を減らし、欧州経済は大混乱に陥る。

 

土壇場の今日明日じゅうにEU側がルーブル払いの手続きを実行すればこの問題は解決するが、まだわからない。 

独仏は国内にあるロシア側の資産を凍結・没収したが、日本政府は国内にあるロシア側の資産を凍結・没収していない。

 

日本政府は「没収はG7で決めたことなのでやりたいですが、外国政府の資産を没収できる法律がないので実行できません」と言っている。

 

実際は、資源大国であるロシアとの対立を強めたくないので放置してあるのだろう。

 

日本政府は今のところ米欧と歩調を合わせてガス代のルーブル払いを拒否しているが、今後、ロシアが日本へのガス送付を止める(サハリンからのLNGの船積みを止める)展開にったら「やむを得ない」と言いつつルーブル払いをやるかもしれない。

 

EUはロシアの資産を没収しているので対抗的な没収を恐れてルーブル払いに対応できないが、日本はロシア資産を没収していないのでルーブル払いに対応できる。

 

「法律がありません」と無能な小役人を演じる日本政府は、実は賢い。 

最終的に欧州や日本は、ルーブルでガス代を払うことになる。

 

もしくは金地金など、ロシアがほしがる他の資産で支払うことになる。

 

米国側は、プーチンの言うことをきかないわけにいかないことを露呈していく。

 

この展開を見ている中国やインドや中東アフリカ中南米などの非米諸国は、ロシアとの関係を切らずに維持する傾向を強める。



米国の制裁に穏健な反撃しかしてこなかった露国が天然ガス取引をルーブルに限定
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202204010000/

ロシア政府は3月23日、「非友好国」が同国の天然ガスを購入する場合、決済は4月1日からロシアの通貨ルーブルに限ると発表した。

 

アメリカが「制裁」の対象にしていないロシアの銀行にルーブルの口座を作り、そこでやり取りするとしている。

 

アメリカ政府に比べて穏健な処置だが、西側諸国は混乱しているようだ。

この仕組みは1970年代にアメリカが始めた「ペトロダラー」と基本的に同じで、ロシアの天然ガスを購入するためにはルーブルをかき集めなければならない。

 

いうまでもなく、エネルギー資源は暖房のためだけに使われているわけでなく、手に入らなければ製造業は機能しなくなる。

 

COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で生産活動や商業活動は麻痺していなければ、ショックは今より大きかったはずだ。

EUがルーブルで支払う決断をしても、ノードストリーム2を稼働させないようなので、やはりロシア以外からエネルギー資源を調達しなければならない。

 

調達先としてアメリカが想定されるが、この国はシェール・ガスやシェール・オイルが中心。

 

これらはコストが高い上、生産が可能な期間は長く続かない。

 

産油国であるベネズエラをアメリカが制圧しようとしてきた一因はここにあるだろう。

しかもシェール・ガスやシェール・オイルの生産方法は地下水を汚染して農業生産にダメージを与えているようだ。

 

食糧の問題でもウクライナでの戦争は影響がある。

 

ロシアとウクライナは食糧の輸出国で、現在の戦乱で世界の食糧生産量が減ることは避けられない。

 

そこに「制裁」が加わると、飢餓が問題になってくる可能性がある。

ところで、ロシアが穏健な対応にとどめているのは、アメリカ政府が行っている「経済制裁」がアメリカとその従属国へ跳ね返ることを見越してのことだと考える人もいる。

 

ロシアとの貿易が止まると世界経済に影響が及ぶ。

 

すでに1930年代より経済状況は悪くなっているとも言われている。

 

ロシアはアメリカの自爆を待っているというわけだ。

アメリカの「経済制裁」はドルが基軸通貨だということで成り立つ。

 

今回の「制裁」はアメリカにとって切り札なのだが、切り札は出した時点で相手を威圧する力はなくなる。

世界の国々がドルを基軸通貨と認めた一因はアメリカが世界全体の利益を考えると期待したからだが、それが幻想に過ぎなかったことは明確になりつつあった。

 

そうした中、今回の「制裁」だ。

 

自分たちの利益だけを考えた動きをするアメリカへの信頼度はさらに下がり、ドル離れは加速する可能性が高い。

そうした中、ロシアとインドはルーブルとルピーで決済する方向で話し合っていると伝えられている。

 

サウジアラビアが中国との石油取引で人民元で決済する可能性が出てきたという。

 

アメリカはロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したが、すでにロシアはSWIFTに替わるSPFSを稼働させている。

 

アメリカ中心に設計された現在の金融システム全体が崩れる可能性もある。




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