最近頂くお仕事の中で、通訳やアテンドがあるのですが、結局イタリアに何年住んでも、全ての分野を網羅するヴォキャブラリーは得られないので、全く知らない分野に対しての通訳は勉強が必要になります。

イタリアに住む期間って、例えば幼少期の5年と大人になってからの5年って本当に学習の容量やスピードが桁違いですよね。。老いが悲しすぎる。。


でも、それでカバーできる範囲なのかにもよりますね。理系のラボとかは勉強しても間に合わないとは思いますし笑

医療通訳も医学名や薬について知識が必要。

ただ、基本的なコミュニケーションに問題がなければ、わからないことは聞けばいいし、聞いたら皆さんわかりやすい言葉で教えてくれるはずです。


また音楽のレッスン通訳というのもたまに頂きますが、これはほかの通訳に比べ、かなり繊細で、またとても重要な意味を持ちます。

先生がどのタイミングでどんなことを要求しているか、生徒の出す音もきちんと聞き分けないといけません。

私自身ファーストコンタクトで、先生の教え方を知らない場合、または知っていたとしても、基本的にはただ言葉通りに訳すのは特に声楽レッスンの場合、危険だと思っています。

楽器が体内にある声楽という分野は、身体の使い方や発声に対するアプローチなど、全て『感覚』的です。

そして、その感覚にはどうしても、個人差があります。

身体が柔らかい人がいるなら、硬い人もいる。腹筋がもともとしっかりしている人もいれば、弱い人もいる。

その人の身体の作り、筋肉のつき方、状態、癖、歪み

本当に全員見事に違うはずなんです。

それにsostegnoとappoggioの違いを含め、声楽レッスン用語的な使われ方をすることが多いので、普通の通訳者が例え、ペラペラの方でも声楽レッスンにおいて通用するとは思えません。

誤解を招きそうなポイントに対して、いかに丁寧に受け取るか、が大切です。
通訳は通訳だけすればいいとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかく通訳にお金を支払うなら、細微にこだわって通訳してくださる方を大事にされた方がいいです。たぶん経験から、補足をされているはずですから。

もちろん、すべてのことは、結局は自分で探求していく必要があるものですが、もし私がレッスン通訳を引き受ける際は、先生の意向にできるだけ忠実に、また表面的な言葉だけを伝えるのではなく、できるだけ掘り下げ(つまりあやふやな点曖昧に訳さず、質問して)、伝えていきたいと考えています。

だって、通訳を依頼して下さる方々は若い方がほとんど。

イタリアに来て、本場のレッスンを受けにいらしてる。

だったら、表面上なものだけではなく、深く濃いレッスンを受けるお手伝いがしたい。

勉強の質は大切です!

レッスンは問題提起と、アプローチを探す時間。
しっかり理解して、それを持ち帰って改善していくためにはレッスン通訳って本当に大切です。

声楽レッスンは声楽家に依頼するのが一番です。
またその方がどういう歌を歌ってるかを聞くのも大事です。

きちんと声楽に向き合ってきた人か。
つまり、たくさん悩んできたか。


これにつきます。

あまり重要性をわかってもらえることが少なくて、今日はまじめに書いてみました。

こんな拙い書き方で伝わるのかしら。。


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