ヨーロッパにおいて、特にイタリアにおいて、椿姫が歌えたことが、こんなに強みになるとは思わなかった。
というか、歌わせてもらえることすら、わたしにはないと思っていたので、蝶々夫人が歌える声質に心底憧れたし、羨ましかった。
だって、日本人として勝負できるんですもの。
わたしの声で、アジアンな見た目でありな役はトゥーランドットのリューくらいですが、それだって、あの重厚なオーケストラを前に歌える声は、相応なものでないと無理なはず。
わたしの声にリューを思い描いてくださったマエストロは数人いらっしゃいますが、いつも、キャリアの先、または最後にね、と付け加えられます。
いや、まさに正しいと思います。
むしろ、わたしを、わたしの声を守ってくださり、ありがとうございますと言いたい。
そんな中で、昨年頂いた椿姫。
まさかそんなオファーがあるとは信じられず、自分のマエストロに相談したところ、
危ない橋は絶対渡らせないあのマエストロが、GOサインを出したんですよね。。
あとあと、周りに、あれは認めてくれている証拠だから、誇りに思いなさいと言われましたが、それでも目の前にあるヴィオレッタ像は気高くも厳しく、、
がむしゃらに向かい合った結果、悔しさの残る舞台に終わったが、また出会えるといいね、と楽譜をレパートリー棚に戻した。
それが、一年後、私の声の柱となり、また代名詞、または、自分の品質を保証する存在になるとは、、、
瞑想中、そんなことも頭に浮かんでいました。
今また椿姫と向き合いながら、ムゼッタとも会話しつつ、妊活もして、オーディションも受け、通訳の仕事をこなし、教える方のレッスンを受けていこうとしています。
少しずつ、回っていってくれるといいな。