本が増えないように

断捨離を始めて随分経つけど

小川洋子さんの本は冊も手離したくない。


何回目かの再読。「最果てアーケード」。

酒井駒子さんの表紙絵も

まさにその世界に吸い込まれるような

怪しい魅力。


周りから取り残されたような

古いアーケードで売っているものは、

義眼、ばね、人形専用の帽子、ドアノブなど

絵を思い浮かべるだけでゾクゾクする。


忘れ去られたようなこの場所に来て

このようなものたちを

いったい誰が欲するのか、、、

しかし、必ずその一人はやってくる…  


ふと、私が友達と初めてリアルフリマに

参加した日を思い出す。

洋食器やまあまあお値段のした子ども服、

可愛い雑貨。

何が売れるかな、ドキドキを抱えて広げたお店。


一つ目に売れたのは、ロングのエクステ!

実は結婚式に装着して高価だったけど、

二度と使わないと思って出品したもの。

そして一番売れなそうと思っていたもの。


その初めてのお客さまは、

少しくたびれた紺色のTシャツを着た

喧嘩の弱そうな(個人的に持ち合わせている判断軸)細っこい男の人だった。40歳前後か。


「あ、有難うございます」


手渡して頭を下げながら、

記念すべき大事なお客さまだというのに、

胸に渦巻く台詞たち。


「買うんかーい」

「なんでー」

「似合うんかーい」


誠にすみません。

あの時はアラサー。人間としてもあさかった。


今なら鏡のひとつも用意して、

ファッション談義にお花🌸を咲かせたことだろう。ほんとか。


その後、お祭り気分で別のフリマに2回ほど

参加したけど、オープン前やクローズ後に

隣り近所のお店のものを買ったりして

帰りの荷物の量があまり変わらなかった気も。

大した物を持っていないのねの声は

置いておく〜。


でも、私が思うにフリマの面白さのひとつは、

これが売れなかったのに

これが売れるのか。

これこそ多様性。


あなたの欲しいものと

私の欲しいもの


あなたの人生に必要なものが、

私にはなくても大丈夫なものだったり


違うところが素晴らしい👍