誰も知り合いのいない高校を選んだ。
家の事情を知っている友達はいない。
でも、それなりに仲良くなると友達の家に遊びに行くことがあった。
だけど、うちに呼んだことはない。
なかなか遠かったので、家バレしなかったが、
クラスメイトでひとりだけ引っ越して私が当時住んでたアパートと近所の子がいた。
帰り道にばったり会ったのだ。
最初なんでこんなところでと驚いた。
お話しした通り、びっくりするくらいボロいアパートに住んでいたので、
その子にバレたくなくて、アパート名は言わない様にごまかしたが、その子の家は数件先の近所だった。
あと会いたくなくて家を出る時間をずらしたりしていた。
ある日、その子も一緒にグループで休日に遊ぶことになった。
ということは帰り道が一緒だった。
用事があるとウソをついて途中で別れた。
その子は優しい子で、貧乏だからと行って離れて行ってしまう友達ではないので、今思うと、どうしてそんなに隠したかったのかと思うが、
その時の私は隠したくて必死だった。みんなと同じ普通を味わいたかったのか?
その子は、事情があり1年で引っ越してしまった。
さみしかったけど、家バレの件では、ちょっとホッとした自分がいた。
今みたいにグーグルマップで住所から検索できる時代じゃなくてよかったな。と思った。