【ハーセプチン(トラスツマブ)】というお薬をご存じででしょうか?


ハーセプチンは、転移性乳がんに有効な画期的なお薬で、
乳がん細胞に手錠をかけて兵糧攻めにし、増殖を抑える分子標的薬です。
ただしハーセプチンが効果を示すのは、
HER2というタンパク質を持つ患者さんに限られています。


このHER2タンパク質は、乳がんだけでなく、
卵巣がん、肺がん、胃がんなどにもあることが報告されていますが、
日本では、転移性乳がんでHER2の過剰発現が認められた患者さんにのみ、
ハーセプチン投与の適応が認められています。


そのハーセプチンの生みの親が、
アメリカのUCLAジョンソン総合がんセンター腫瘍学の教授、
デニス・スレイモン先生です。

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先週の土曜日のこと。
秋葉原のUDXシアターで開催された、
『Drスレイモン来日記念、映画「希望のちから」で考える臨床試験のこと』
というセミナーに、乳癌サバイバーのはとこのRINちゃんと一緒に参加しました。


「希望のちから」は、スレイモン博士がハーセプチンを開発する姿を、
実話に基づいて描いたアメリカのテレビ映画で、
セミナーの第1部は、この映画上映会から始まりました。

$SONG OF LIFE~卵巣がんと生きる~

今回の上映にあたっては、
日本医科大学腫瘍内科教授の、勝俣範之(かつまたのりゆき)先生の奥様が、
ビデオレンタル店から「希望のちから」のDVDを、何気なく借りてきたことが発端となっています。
その内容に、ご夫妻がいたく感動され、そこからセミナーの企画が進んだのだそうです。


さて映画の内容は、ハーセプチンの開発に何度も挫折しそうになりながらも困難に立ち向かい、
見事承認を勝ち取るデニス・スレイモン医師の姿を追ったものです。
その一方で、末期乳癌患者の女性達のエピソードが、群像劇としても描かれています。


劇中、「あなたは次の臨床試験に進めない」と
デニス医師が、患者に投薬打ち切りを言い渡す場面があるのですが、
生きる希望を絶たれる患者の絶望感が、身を切るように胸に迫ってきて、
思わずウルルとしてしまいました・°・(ノД`)・°・
そして投薬打ち切り=「死」を宣告する医師の側も、なんとやるせないことか!


私はがん患者なので、この手の闘病モノ映画では、
患者の気持ちに寄り添って鑑賞する事が、圧倒的に多いのですが、
実は医師にも、さまざまな心の葛藤があるのだなぁ…と、
視点を変えて感じとることができる映画でした。


ネタばれしちゃうので、これ以上多くを語れませんが、
この映画はTSUTAYAでレンタルできるそうですので、
病と闘う大勢の同志に、ぜひ観ていただきたいと思います。(●´ω`●)ゞ

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第2部は『みんなで考える「臨床試験」と私たちにできること』というタイトルで
約1時間のトークセッションが行われました。

来日されたデニススレイモン博士と、
腫瘍内科医の勝俣範之(かつまたのりゆき)先生、
モデルで乳がん患者でもあるMAIKO(まいこ)さん、
司会の川上祥子(かわかみさちこ)さんの4人の会話での進行です。


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左から
勝俣 範之先生(日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授・部長)
デニス・スレイモン先生(UCLA Jonsson Comprehensive Cancer Center)
MAIKOさん(モデル)
川上 祥子さん(司会)




セッションでは、今の日本の臨床試験の問題点や、
患者が臨床試験にどうアプローチしていくべきなのかが話し合われ、
臨床検査のインフラ整備の必要性を考えさせられる内容となりました。

難しいお話になるので、
興味のあるかたは下記の「キャンサーチャンネル」をご覧くださいね。

★キャンサーチャンネル
http://www.cancerchannel.jp/


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セミナー終了後は、スレイモン先生と登壇者の方々との交流会にも参加。
卵巣癌治療でも著名な勝俣先生と、奥様も交えてお話ができ感激です!
はじめてお会いする勝俣先生は、患者さんの目線になってお仕事をされているのが
話の端々から伺える素敵な先生でした。(〃∇〃)


そしてスレイモン先生とも写真撮影をさせていただいたり、
スタッフの方とおしゃべりをしたり、おいしい軽食もいただき(←ここ高ポイント)
はとこのRINちゃんと、キャーキャーしながら楽しいひとときを過ごしました。
(↑ミーハーですいましぇん)


$SONG OF LIFE~卵巣がんと生きる~


ハーセプチンを使用した乳がん患者さんにとっては、
スレイモン先生は「神様」みたいな存在なのだそうで、
参加されていた患者さんは、みな熱い思いで握手を求めておられました。

さて卵巣癌の神様は、いつの日かあらわれてくれるのでしょうか。
その日を待望しつつ・・・


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秋葉原にえらい久しぶりに降り立ったら、
すっかりと垢抜けた街になっていて圧倒された。
むかしはさびれた薄暗い感じの街だったのになぁ。
飲食店なんかまったくなかったし、人もまばらだった記憶があるぞ。

あぁ…思えばあれは昭和も末期のことでした。
そりゃ変わるわな!
ところでメイドさんはどこすか?(。・ε・。)