(アメリカ・ニューヨーク州の旗
左は自由の女神、右は正義の女神)
2020年もあと2週間ちょっとということで、西洋占星術の観点から振り返っているところなんですが、
気になっていたことがわかってきたのでシェアさせていただきますね。
西洋占星術では、その年の3月の春分から1年がスタートします。
下の図は、2020年春分のホロスコープです。
「占い師は誰もコロナを予言できなかったじゃないか」と言われる方がたまにおられますが、予言できないほうがマトモな占星術師だと思います(苦笑)
それは置いといて、私が気になっていたことは・・・
アセンダント(2020年の雰囲気)は蟹座28度。
サビアンシンボルは、プラス1度した29度になります。
「ギリシアのミューズが、新しく生まれた双子を黄金の秤にかけて重さを量っている」
(テーマ:経験と直感をバランスよく使い判断する)
なんか、ちょっとステキなサビアンシンボルですよね。
サビアンシンボルは、1925年にアメリカで作られたものなんですが、
占星術家のマーク・エドモンド・ジョーンズが、エリス・フィラーという女性の超能力者の協力を得て、ホロスコープの360度のすべての度数をエリス・フィラーがチャネリングし、それを出版したものです。
29度というのは、もう次の星座に目が向いている複雑な心境を表しているサビアンが多いです。
この双子は双子座のことを言っているんじゃないかという見解もあるそうなんですが、
次の獅子座がもう見えているところで、双子座が出てくるのも腑に落ちないんですよね。
このギリシャのミューズというのは、ギリシャ神話に出てくる正義の女神、テミスのことです。
ギリシャ神話では、テミスはゼウスの妻のひとりとみなされます。
神話においては、天秤は運命を予言する隠喩だそうです。
女神テミスは、正義、ジャスティスの神様として、法学部のある大学や裁判所のシンボルとして彫刻が置かれています。
写真のテミスは目隠しをしていないんですが、実は目隠しをしているテミス像のほうが多いんですよ。
もともとは目隠しをしていなかったそうですが、16世紀ぐらいから目隠しをしたテミスが多く作られるようになったそうです。
誰が最初に作らせたのかわかりませんが、16世紀からということはフリー〇イソンの影響があるかもしれません。
バチカンにあるラファエロが描いたフレスコ画には、目隠しをしていないテミスが描かれています。
なぜ目隠しをしているか?
「見た目の偏見で判断しない」ということだそうです。
人種差別をしないということですね。
うんとお~、私は常識と言われるものは一回疑えという立場を取っていますので、今はそういわれているだけかもしれません。
テミスはタロットカードにも出て来ます。
タロットカードのウエイト版では11、
マルセイユ版では8が正義のカードになります。
現在はウエイト版に描かれているのは、大天使ミカエルと言われているんですが、
マルセイユ版に描かれているのはエジプトの正義の女神マアトです。
あれ?テミスじゃないの?
って思われますよね。
実は、ギリシャ神話のテミスは、エジプト神話のマアトなんです。
マアトと言う名前は、エジプトの言葉で「真理」を意味します。
女神マアトは、頭にダチョウの羽がついた冠?をした姿で描かれているんですが、
冥界に赴き、死者の過去の罪を裁く役目をしていました。
アヌビスが計量する天秤の片方に死者の心臓、もう片方にマアトの羽根を載せて、心臓と羽が釣り合えば、死者は無罪となり天界へ。
心臓が羽根より重い場合は、過去に悪行を犯した証拠として見られ、有罪とされます。
その心臓は獣に食べられてしまい、その罪人は永遠に復活できないと考えられていた。
正義の概念は、古代エジプトの『死者の書』から始まったのかもしれません。
タロットカードの正義のカードには、裁判官を思われる人物が右手に剣、左手に天秤を持っています。
右手の剣は、地球にある4つのエレメントで言えば、風のエレメントの象徴です。
文明や文化、知性を表しているのでしょう。
別の側面として、剣は武器ですね。
左手の天秤は、人間の理知を表しており、両皿の釣り合いがとれる公正さの象徴ですね。
誰が計測しても同じ結果が出るはず、なんです。
裁判官によって罪刑が違うということは、本来ない、ということになんでしょう。
正義には、情けは無用。
情けは通用しない。
罪人は、その罪によって正当に裁かれないといけない。
という、なんか書いているだけで怖くなりますが。
剣を持たない正義は不正よりも困ったものである、というオスカー・ワイルドは言っていたそうです。
大人気の『鬼滅の刃』は、私は漫画もアニメも見ていないのですが、
悪い鬼を情け容赦なく切り倒していくのは、正義ということになりますね。
神話の時代、罪人を裁くのは神の仕事でした。
今の時代は、罪人を裁くのは人の仕事です。
人が人を裁くというのは、本当は恐ろしいことです。
まあ、そのために、テミスに目隠しをさせる必要が出来たのかもしれませんね。
情を入れさせないためです。
ちなみにジャスティスは、正義という意味のほかに、裁判という意味もあるそうです。
さて、このタロットカードの正義ですが、
聖書のヨハネ黙示録6章に、秤を持った騎士について書かれています。
「子羊が第三の封印を開いたとき、第三の生き物が「出て来い」というのを聞いた。
そして見ていると、見よ、黒い馬が現れ、乗っている者は、手に秤を持っていた。
わたしは四つの生き物の間から出る声のようなものが、こういうのを聞いた。
「小麦は1コイニクスで1デナリオン。大麦は3コイニクスで1デナリオン。オリーブ油とぶどう酒を損なうな。」
※コイニクス・・・1.1リットル
※デナリオン(通貨)・・・1デナリオンは、一日の賃金
この「小麦は~」からのくだりは、飢饉に備えておくように、という意味だと言っておられる聖書研究家もいます。
剣についても聖書に記述がありますが、割愛します。
そして、一番最初のサビアンシンボルに戻りますが、
興味深いことに、2020年は夏至も、春分と同じ蟹座28度のアセンダントでした。
7月21日の新月、この日の新月の度数も蟹座28度だったんです。
同じサビアンシンボルが出来てくるときには、テーマが継続しているということです。
ギリシャのミューズは、なぜ?双子の体重を計ろうとしているのでしょう?
不思議に思いませんか?
私は考えてたら、眠れなくなって徹夜してしまい、寝不足で昼寝しました(苦笑)
神話の世界で双子といえば、双子座になったポルックスとカストルが思い浮かびますが、
テミスは夏至と冬至を司る神でもあったそうです。
テミスはゼウスの2番目の妻で、タロとカルポという二人の娘を生みました。
タロ(「開花・芽生え」「芽生える」夏至を司る)、カルポ(「結実・収穫」「枯死する」冬至を司る)
まあ、夏至と冬至は、双子のようなものかな?
天秤に夏至と冬至を載せて、重さを計っているということなのか?
いったい双子とは何を指しているのか?
女性性と男性性、右脳と左脳、鏡に映ったもうひとりの自分。あるいはツインソウルのことか?
上の絵は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンという15世紀のベルギーの画家が描いた『最後の審判』の一部です。
元の絵はこちら
天秤を持った人物が大天使ミカエルと言われています。
大天使ミカエルといえば剣を持っているはずなんですが、剣は上にいるイエス・キリストの左手側にあります。
天使たちがラッパ(トランペット)を吹いて、審判の時が来たのを知らせています。
天秤には人間が乗っています。
二人の魂が天秤にかけられており、善人の魂の方が天秤が上がっているそうです。
もしかして、同レベルで比べているとしたら、、、、
ちょっとした嘘をついていることで天秤が重くなったりして
ギリシャのミューズが計っている双子座の体重とは、そういった魂の差かもしれません。
うーん、また検証いたします
わかった方は教えてくださいね~。