実践的な作り方というか、コツみたいなことも少し書いてみますね。
実際に短歌を作り始められた方の参考になれば幸いです。

(photo/michaela)
短歌を作り始めると、最初の壁は定型(五七五七七)に納めることでしょうか。
基本は定型ですが、絶対にそうしなければいけないわけではありません。
短歌のリズムが大切なのであって、
リズムを感じられるのであれば、字数の増減はある程度許容されています。
五七五七七より音数の多い場合を「字余り」
少ない場合を「字足らず」と言います。
また、大幅な字余り字足らずで作者が意図的に
定型を崩したものを「破調」と言います。
<字余りの例歌>
短歌人(結社)のお仲間だった松木秀さんの歌集『RERA』から
飛び散った人工衛星のかけらさえ宇宙人には地球の飾り/松木 秀
これを定型(57577)に区切ると
上の句・・・飛び散った 人工衛星の かけらさえ
下の句・・・宇宙人には 地球の飾り
となります。
二句7音のところが「人工衛星の」で9音になり、字余りです。
字余りの場合、定型のリズムを大きく乱すような字余りでなければ、
あまり気にしません。
上の歌は、二句以外は定型を守っているので、声に出して読んでみても
気にならないと思います。
<字足らずの例歌>
字足らずは、字余りに比べて例に挙げる歌が少ないようです。
扱い方(使いこなし方)が難しいんでしょうね。
字足らずが効いている(成功している)と高く評価されている歌は、
葛原妙子さん(故人)のこの歌。
疾風はうたごゑを攫(さら)ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ/葛原妙子
上の句・・・疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに
下の句・・・さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ
四句と五句目が合わせても10音しかないんですね。
(本来は14音となるところ)
でも、とても印象的ですよね。
こういうのを歌評では「(字足らずが)効いている」とか
「破調が効いている」とか言います。
晩夏光おとろへし夕 酢は立てり一本の瓶の中にて
四句目が5音で字足らずですが、それよりも
瓶の中に酢が立っていた、と歌っているところが面白いです。
葛原妙子さんの歌は、幻想的というかスピリチュアル的というか。
不思議な感覚を覚える歌が多く、はまる人ははまると思います。
くらがりにわがみづからの片手もて星なる時計を腕より外す
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<まとめとして>
短歌の基本は定型であるが、
定型のリズムが崩れない程度の字余り、字足らずは許容されている。
字足らずは意図的に使えば効果的だが、使いこなすのは難しい。
許容されているとはいえ、安易に字余り字足らずにならないように
助詞を使ったり、語彙の知識を増やすようにするといいと思います。
字余りでも字足らずでもないですが自作から
てにをはに悩める午後を天恵のごとく日照雨(そばえ)の降り始めたり/佐山みはる(自作)
てにをは・・・助詞・助動詞・活用語尾・接辞などの古称。
そばえ・・・日照雨。ある所だけに降っている雨。かたしぐれ。
次回は、「句切れ」について書きますね。