nobudou
私が中学生のころでしょうか。
わが家には、ミーとパクという母娘の猫がいました。
パクという名前は万博からとったので、1970年ごろのことですね。

猫って大人になるの早いんですね。
まだ生後1年たっていないのに、パクは妊娠していました。
田舎ぐらしです。避妊手術なんてどこの家もしていませんでした。

ミーがお産のときは、人目につかない押し入れの中や、2段ベッドの上段など、産む場所を考えていたように思いますが、パクは違っていました。子猫が生まれかけているのに、歩き回り、生まれた子を「なんなの、コレ?」とでもいうように眺め、なめてきれいにしたり、お乳をやろうとはしないのです。

「これは育たん」。私の母はそう思ったのでしょう。娘たちの留守の間に子猫はいなくなっていました。

ショックでした。
子猫がいなくなったこともですが、子どもが生まれたら、それで母親になれるというわけではないという事実が。なぜかずっと胸の奥に残りました。そのときは、自分もいずれ母親になるかも、なんて全く考えていませんでしたが。

それから十数年、25歳になった私は結婚し、妊娠。
なんとなく結婚退職するのかなーと思っていた私ですが、継続しなくてはならない仕事があり、産前産後休暇を取って仕事に復帰することになりました。ギリギリまで働いて、ほんとに休んだのは1ヶ月くらいでしょうか。母親学級くらいは参加したと思いますが、心構えはまるでできてなかったと思います。

いざ出産となって、「こんなに痛いなんて知らんかったー」。生まれたら生まれたで、「なんで泣いてばかりなのよー」「お乳が張って痛いー」と、なにか、怒りのような思いでいっぱいでした。

私もパクでした。

ようやく母親らしい気持ちが芽生えたのは、退院のころだったでしょうか。
じわじわと幸福感に満たされていきました。
ネンネのころでも、私の指をしっかり握り、目で私を追います。
やがて抱っこされていても、しっかりしがみつく感じになり、
つぶらな瞳で「おたぁたん」と呼んでくれて! もうたまらん…。

4年後、第二子を産むときには、お産について勉強し、自然なお産ができるところを探し、食生活もアレルギーになりにくいよう配慮して、万全の心構えで望めました。

ただ、「いいお母さんになりたい」という思いが強すぎたんではないかな、という反省もあるのです。子どものためになんでもしてやりたい、できることが幸せで楽しい…と。

でも…。
子育ての目的は、巣立ち…ですよね。
長男は料理上手なので、食べることは大丈夫だろうけど、
甘やかした二男!  一人でも生きていける力…、あるのか?

それを考えるとき、私の子育てはダメダメだったと思います。
二男は半年後に独立の可能性があります。
もう遅いのでしょうか?
今からできることはあるのでしょうか?

このブログで、考えたり、学んだり、皆さんのお知恵を借りたりできたらいいなと思っています。