クリーンルームの閉塞感は辛い
ましてや大部屋だと、息がつまりそう
初回入院でクリーンルームへお引っ越しした数日後、同世代の方と70代のお姉さまのふたりの女性と相部屋になりました。その翌朝。隣のベットから
「おはようございます」
と小さな声が聞こえました。
私に言ってくれたのか自信はなかったけど、返さない方が失礼かと思って勇気を出してお返事しました。
「返事来なかったらどうしようかと思いました」
その女性は同世代の方でした。
長い入院を何回も、そして辛い治療を頑張ってきた
初めての闘病先輩でした。
一瞬で打ち解け、その時から、70代の方も交えて
賑やかな女子会部屋になりました
先生も、看護師さんも教えてくれない闘病情報を笑い話にしながらたくさん教えてくれました
髪が突然どっさり抜け始めて動揺しまくっていたわたしに、2人は励ますでもなくこれから起きることを教えてくれました。冬は頭寒いよ~とか
毎日たくさん話をした。お互いのこと、治療のこと、病名は違うけれど、心強い仲間になれた。
彼女は「子どもが夏休みに入るまでに絶対に退院するんだ」と話してくれました。
私が退院になり、外来で会おうねと
話してお別れしました。2人はわたしが退院する時病棟の入り口で見送ってくれました。
泣きそうになりながら大きく手を振ってバイバイしました
何でも教えてくれた闘病仲間のいない久しぶりの世界は嬉しいけれど、すごく不安だった
世間では、脱毛してウィッグしている人、抗がん剤を受けている人は少人数だ。慣れないウィッグに気を遣い、落ちきった体力の中で日常に戻るのは大変だった。孤独だった。
運動会の音楽がどこからか聞こえてくる頃、同世代の闘病仲間は、天へ召されました…
彼女の優しい笑顔を思い出し、わたしはひたすら泣くことしか出来なかった。
優しいダンナ様、子どもたちを残していくのは悔しかったよね。辛かったよね。痛かったよね。
また会おうね、の約束があっという間にかなわない約束になってしまった…
わたしは再発をして、今また彼女と過ごした病棟に入院している。もう闘病仲間はいない。
ありがとうね。その一言を伝えたかったな…