5月23日、小沢代表代行が沖縄入りしました。地元紙の記事を転載いたします。

民主党の小沢一郎代表代行が23日、次期衆院選の応援で来県した。西松建設巨額献金事件に対する国民からの批判に耐えきれず代表を辞任する形となったが、公認候補を擁立する選挙区では後援会や支持者を挙げた歓迎ムード一色。「選挙担当」として地方行脚を再開し、影響力の根強さを示した。
 「協力が得られそうな人を集めてくれ。俺が頭を下げてお願いする」。来県を前に、小沢氏は衆院沖縄3区の新人・玉城デニー氏に、後援会幹部や支持する県議や市町村議員らを集めるよう指示した。
 当初は、代表当時から日程が組まれていた衆院沖縄4区の新人・瑞慶覧長敏氏の激励パーティーへの出席だったが、党本部は3区応援の日程も調整。選挙担当の代表代行として公認候補のいる選挙区をフォローし、情勢を把握する精力的な動きを見せた。
 22日、鹿児島県で候補者のパーティーに出席し、その足で沖縄入り。突然の代表辞任の際にも県連側は「ポストを外れていようが党には残る。小沢氏を支持していることに変わりない」と、当初通りの来県を強く要請してきた。
 代表辞任後の初の地方行脚ということもあり、言動に注目が集まる。今回の応援で小沢氏は街頭演説など公の場でのアピールはなく、水面下で支持を固める「小沢流」を貫いた。
 南城市内での瑞慶覧氏のパーティーには、国民新党公認で1区に出馬予定の現職・下地幹郎氏ら、協力政党の関係者も出席。野党共闘を重視する小沢氏を交え、政権交代に意気込みを示した。
 しかし、社民党県連は23日午前の執行委員会で、メッセージのみの対応とすることを決めた。社民公認の2区と民主公認の4区について、選挙協力の形が合意に至っていないためだ。
 社民幹部は「(候補者が競合する)3区があるので『推薦』は難しいとしても、互いに『支持』と決めれば動きだす。しかし民主から明確な回答がない中で、あいさつには立てない」と指摘する。
 小沢氏の神通力が衰えないない背景には、民主候補の多くが強固な支持基盤を持つわけではなく、政治の刷新に期待する無党派層への「風頼み」という側面は否定できない。労働組合や野党との組織的な選挙協力をまとめあげる小沢氏の手腕に、候補者が依存を深める構図がのぞく。
 ただ、今回も小沢氏から西松問題への言及は一切なかった。現執行部に対し「小沢院政」の批判も消えない中で、県内の有権者の評価は不透明だ。(与那嶺松一郎)