幻で終わったネオジオソフト「空手忍者翔」の開発話 | 魔界の夕焼けは飛んでいる蚊をパーン!した色Ⅱ

魔界の夕焼けは飛んでいる蚊をパーン!した色Ⅱ

ボクが開発したゲームの開発裏話をメインにしょーもないネタ話をだらーっとつぶやくブログです
【本ブログの無断転載及び無断で記事に引用等は絶対に禁止します】

お待たせしました。お待たせ過ぎてしまったかもしれません...

って全裸監督か!w←ネタが古いですね

ずーっと放置していたアメブロのブログを更新してみますのよ 

Xの方ではツィートしたのですがこっちでもNEO-GEOソフトで

出る予定だった空手忍者翔の開発話をしましょうかね

 

昔、空手忍者翔っていうNEO-GEOのゲームを開発中の時に

雑誌の取材を 受けたのだけどね(雑誌名忘れた) 

その時に記者さんから 「何かこのゲームって昔、有った

銀河任侠伝にどことなく似てますね」 と言われた事があるのさ

で、記者が帰った後にボクが 「何でボクが銀河任侠伝作った

って分かったんだろ」 と言うとメインプログラマーから

 「あんたが作るゲームは独特な匂いがあるんですよ! 言わば

カナヤマ臭みたいな」 と言われた.....何か嫌だぁぁぁ!w

 

このゲームを作るの本当にの大変でした!

ゲーム業界の妖怪って呼ばれるエイコムの井上社長からの

発注でプロジェクトがスタートしたのが、このゲームです

しかも社長の指示がイメージを擬音で話して説明するから

まずそのイメージの解読からゲーム企画 始めないといけない

というね高難易度の企画でして例えばこんな感じ

 「カナヤマくんな!わしのイメージは こんな感じなんや!

ちっさい忍者がな タタタタタと走ってな!でっかい敵を

バーンとぶん投げるんや!分かるか?」 

「はあ。タタタタでバーンですか?」

 「そや!分かっとるなら宜しく!」 

ってそんな説明で分かるかあぁぁぁ!!

「ええか!タタタタタでバーンや!それでタイトルはやな忍者

空手じゃ! かっこいいやろ!」と満面の笑顔

 『うわあぁぁ.....!ダサっっ!』 

ボクは心の中で絶叫しましよね

で仕方なくタイトルは忍者空手から空手忍者とひっくり返して

もの足りないのでそこに主人公の忍者の名前翔をつけて

空手忍者翔としました

 

で肝心のゲーム内容はというと1ボタンと レバーの方向だけで

ド派手な技が出るファイナルファイト形式のゲームにして

主人公の忍者たちの身長を小さくして敵はできるだけ大きくと

かなり苦労しました

さらに敵のメカは全てCGで作画してそれを色数を減らして

ドット画に落とすという気が狂うような手間のかかる作業

もう本当に正気かよ!?って現場でしたわ

ゲームがある程度出来上がって来た頃に井上社長に見せると

 「おお!これや!これやカナヤマくん分かっとるやないか!」

と大層喜んで くれましたけど

 「でもタイトルは忍者空手じゃないのか?」 とまだダサイ

名前に拘ってらっしゃるというね

でボクが井上社長を納得させる為にとった作戦が

ハチミツレモン作戦でして

 「忍者も空手も単語ですから単語2つだけを組み合わせた

場合商標登録が通らない場合が あるんですよ。

かつてハチミツレモンという 飲物が数社から発売された事が

ありまして」 という説明をして渋々納得したというね

で井上社長が帰った後にまたメインプログラマーが一言ボソッと

 「あの人の擬音のイメージを的確に具現化出来るのも

あの人の考えたダサイタイトルを変更して納得させられるのも

あんただけだよ!」 と言われました。何か嫌だぁぁぁ!

 

主人公の忍者4人の名前は男忍者が翔と軍(翔の色違い) 

女忍者が愛と真琴(愛の色違い) でして男忍者2人の名前を

続けて読むと「ショウグン」となりまして女忍者の名前を続けて

読むと「愛と真琴(誠) 」という駄洒落でつけました

敵は地球侵略しに来たスネイカー という名の爬虫類型の

外星人ですけどその他の敵は色々と遊びましたねえ

 ボクの本領発揮という事で 1ステージのボスはロボコングでして

こいつが倒されと溶鉱炉に落ちてもがきながら沈んで行く

というターミネイターのパロディですね

2ステージのブラジルではビーチにいるマッチョな男が

ブーメランパンツを履いて股間アタックをしてくるとかw 

まあ記者さんがこれらのノリの敵をみて銀河任侠伝を

思い出したのかな?って思いますね

2ステージのラストシーンがサンバ カーニバル会場で

そこに登場するボスがボクの一番のお気に入りでして

昔ドリフの全員集合に出ていた ジャンボマックスのような

着ぐるみの女の子ロボで普段はゆっくり動くのに攻撃の

時だけダダダダダって感じで高速移動で突進してくるという

で、主人公たちをその巨大な手で捕まえると

 「遊ぼ遊ぼ遊ぼ」と甲高い人形の声を出しながら

握りつぶします

その動きを最初に観た時に「うわわわわぁぁ!気持ち悪っ!」 

と作ったボク自身が絶叫し続いてスタッフ一同が

「キモッ!」 とボソッとつぶやきましたとさw

 

さてさて長くなったのでこの続きはまたいつかに