ボン珍2017 ロダン大回顧展でゲシュタルト崩壊する | 不思議戦隊★キンザザ

ボン珍2017 ロダン大回顧展でゲシュタルト崩壊する

パリ2日目。宿泊に朝食をつけなかったので、リヨン駅前のカフェでプティ・デジュネ。半割バゲットとドリンクのパリジャンセットとかいうムニュがあったので頼んでみる。

 

ドリンクはカフェクレームとオレンジジュース

 

リヨン駅ど真ん前

 

コレ、一人分じゃねえだろ・・・。バゲットが固いのでニルヴァナ状態で噛み噛みしてたら、さっき通った道端に座ってた子連れのロマの女がやってきて煙草をねだってくる。カネでも食い物でもなく煙草ってところがパリだね!こういうロマって、常日頃からアジアン女をカモにしてるんだろうなあ。「ヤダ」っつってサクッと断り煙草を吸う。
一服しながら本日予定している美術館までの経路を確認する。午前は「プティ・パレ」、午後は「モンマルトル美術館」、テーマは「19世紀芸術万歳」かな。ということで徒歩で向かう。

 

現地に着くとプティ・パレと向かい合って建っているグラン・パレで「ロダン大回顧展(百年祭)」をやっているではないか。

 

本日も良い天気でござる

 

おわー、ロダンか!時間があれば左岸のロダン美術館にも行こうと思っていたので、これは嬉しい誤算である。まだ早い時間のせいかひともまばらであった。マダムはプティ・パレは後回しにしてグラン・パレへ。入場料は13ユーロ、フランスでは強気な値段だ。

 

ショボいパンフレットと微妙な表情のチケット

 

今年はロダンが亡くなってちょうど百年目ということもあり、大々的な回顧展に至ったらしい。展示してある作品はあらゆる年代のロダンはもちろんのこと、弟子で愛人であったカミーユ・クローデル、同時期に活躍したブールデル、ロダンから影響を受けたブラック、ピカソ、ジャコメッティなどなど錚々たる顔ぶれの作品群である。

 

地元民がいっぱい

 

アジア人はひとっこひとりいなかったぞ(不可解)

 

ロダンは革命児であった。ロダンの革命的要因は等身大の人間の苦悩であろうか。それまでアカデミーが彫刻に(彫刻というか芸術全般に)求めていたものは神話的な優美さであり典雅さであった。しかしそのアカデミーに入学出来なかったロダンは独学で彫刻を続け、最初の作品「青銅時代」で世間のド肝を抜いた。青銅時代はまさにこれから花開こうともがく若者を表した作品である。
若さの中に怖れと可能性を併せ持ち、変革の予感を漂わせるこの作品こそ、19世紀という時代が求めていたイコンであった。

 

とにかくたくさん

 

ところでここに掲載している画像、どこで撮ったと思う?もちろん現地で撮ったのさ!驚くべきことに撮影オッケーだったのだ。

 

地獄の門のオリジナル、これから鋳造されました

 

考えてる考えてる

 

作品群も素晴らしいが、1900年開催の巴里万博のために作られたグラン・パレもまた素晴らしく、とにかく広い。やっぱり広い。無駄に広い。1階を見終わったら階段で2階へ上がるが、その階段も無駄に広い。

 

どっしりし過ぎ

 

なぜ顔を付けたがるのか

 

手摺の装飾もスゴイ

 

スケールがハンパない

 

装飾したがり

 

世紀末建築の特徴はガラスとアイアンの組み合わせである。当時はこれが最新技術で且つモダンだったので、グラン・パレといったモニュマンだけではなく、駅やら百貨店やら常設市場やら全部こんな建築であった。しかしガラスは脆いので残存している数は少ない。グラン・パレも一度ガラス屋根が崩壊したが(危ねえ)、大規模改修を行ったので現在でも当時の姿で残っている。

 

窓から撮りました

 

壁についてるスタチューなんて2メートルはあるよ!

 

マダム、もうここらあたりで息切れぎれ。それでもモトを取るためにとりあえず全部見なければならない。

 

これはロダンではないが、こんな井戸があったらいやだ

 

みなさん熱心です

 

これらは小ぶりのブロンズ

 

ロダンのニジンスキー

 

ダンスの一連群

 

あー、なんだっけ、タイトル忘れちゃった

 

ずっと見てるとワケが分からなくなってくる。こんだけあると、スゴイのかスゴクないのか分からない。でも見る。

 

カオスになってきた

 

やばい、ワケわかんねえ

 

ルドンなどの絵画もあった

 

これはピカソ

 

最後の方はルドンの絵画作品などもあり、どこがどうロダンにつながってるのか分からない。ロダンを見に来たはずなのに、マダムが見ているこれはいったいなんだろう?

 

もう無理だ、ギブアップ

 

青空にグラン・パレがよく映える

 

屋根のうえにもすごそうなスタチューが

 

見れば見るほど、目の前の芸術作品らしきものがゲシュタルト崩壊するのであった。