ボン珍2017 最後の晩餐  | 不思議戦隊★キンザザ

ボン珍2017 最後の晩餐 

さて、次に我々が向かったのはワインカーヴの「Cave de Tain」である。エルミタージュ区画のワイン製造者による協同組合で、高品質のワインを求めやすい価格で提供しているワインカーヴ兼ブティックである。いま調べた。

 

貰ったパンフレットいろいろ

 

広い店内はたっかいワインからお手頃価格のワインまで揃っており、デギュスタシオン(試飲)も出来る。

 

モダンな店内

 

とはいうものの、ショコラ喰いすぎのうえ暑さに中てられて体力を消耗していたので試飲は諦めた。酒は体調の良いときでないと美味くないからな。まあ、試飲しなくてもいろいろ見て回るだけでも面白い。床が部分的に透明になっているのだが、そこから地下にあるカーヴを見ることが出来る。事前予約で地下に降りることもできるらしい。

 

明るくて清潔

 

デカい樽は手頃なワイン、高いワインは普通の樽で薄暗い場所で寝かせてありました

 

休憩室(?)には子供が描いたらしき画が飾ってあって、それがちゃんとワイン関連の画なので面白い。日本で子供に酒の画を描かせたら、絶対待ったがかかりそうである。

 

交通標語とかではなくワインってところにエスプリを感じるねえ

 

試飲はしなかったけど、ハーフボトルを赤白一本ずつお買い上げ。高いワインは無理なので一番お手頃価格のワインをチョイス。

 

エルミタージュは主にシラー種

 

本日の遠出はここで終わり。といってもここからまたまた2時間弱かけてル・ピュイまで戻ったのであった。そんで、一休みしたら、今夜が最後の夜ってんでちょっとおめかしして(っつっても化粧直しただけ)レストランへレッツゴー!

 

全然関係ないけど、すごそうな建物があったので激写

 

ぷらぷら歩きながらレストランの入り口前に出てるメニューを見て回る。レストラン前には必ずといってよいほどメニュー表が置いてあるので、お料理と値段を確認しながら決める。そして選んだレストランはこちら。

 

外からは中が見えません・・・

 

ミシュランシールはミシュランおすすめのマーク

 

重厚だなあと思ったら16世紀の建物とのこと。確かにヴォールトがそれっぽい!!

 

写真オッケーでした

 

古い建物にモダンな料理のマリアージュ

 

席についてカルトを受け取る。まずアペリティフを頼む。店員がいろいろと説明してくれるのをオレリアが訳してくれる。おすすめはオーベルニュ地方独特のアペリティフ「Aperitif la gentiane」だというのでそれを頼む。原料はLa gentianeとうい植物の根っこ、水で割って飲むらしい。

 

参考:la gentiane

 

サーブされたアペリティフは薄黄色の可憐な飲み物であった。浮かれてたので写真を撮るのを忘れたが、テキトーにWebで画像を拾ったのでこちらをどうぞ。

 

参考:Aperitif la gentiane

 

プリフィクスムニュなので、アントレ、メイン、デセールをそれぞれ決めて注文。まずアミューズ・ブーシェがサーブされる。ひとつずつ説明されたが忘れてしまった。


写真撮る前に一番右のヤツをエルベが食った

 

次もアミューズ・ブーシェ。これは甘くないクレーム・シャンティかな?冷たくて口の中がさっぱりする。

 

奥に見えてる黄色い液体がAperitif la gentiane

 

アントレは鯖を頼んでみた。盛り付けはフレンチだけど、酢で〆たらしき鯖は〆鯖そのもの。それが超美味!五臓六腑に染み渡る美味さ。特に和食を欲していたワケではないが、不意に和食っぽい味が登場するとホッとするなあ。疲れてんのかな、やっぱり。

 

鯖が新鮮!内陸なのに

 

というか、フレンチもここまで来たか!って感じ。〆鯖なんて日本人しか食わねえだろと思っていたが、こんなところで、こんなにオシャレに出てくるとは。しかもルピュイって内陸なのに。それほど魚を食べるひとが増えたということか。或いはアジアン食材が流行っているのか。柚子は定番になりつつあるしな。つぶつぶしてるのはタピオカ。手前の紫色のクリームはイモのピュレだったかな。チップスが刺さっててオシャレでヘルシー。

 

続いてメインも魚を選んでしまった。タラのクリームソース。皮はパリッと身はふっくらでフレンチの王道。ソースは重くなく、あっさり。程よく火の通った付け合わせの野菜が完璧!フランスって野菜の歯ごたえなんか気にしないからな、普通。さすがミシュランおすすめのレストランだけあるわ。

 

赤い皿が和っぽい

 

メインを食べ終えると、なんと次にプラトー・ド・フロマージュがやってきた!!

 

実際見るとすごい迫力

 

これ全部オーベルニュ地方のフロマージュということだ。それでも全種類ではないだろう。店員さんの説明をオレリアが訳してくれる。しかしこんだけあったら素人には難関である。フロマージュは最大に選んでも4種までが暗黙のルールらしいので、とりあえずおすすめの羊と山羊、ニンニクと黒コショウ入りの牛のフロマージュを選んでみた。

 

このためにパンを残していました

 

左から羊、山羊、牛である。コンフィチュールは一番クセのない羊と一緒に食べる。そしてクセのないフロマージュから食していくとのことなので、羊→山羊→牛の順番でいただく。羊のフロマージュは初めて食べたが、全然クセがなく、普通のハードチーズのようである。山羊もフレッシュチーズのようで全然臭みがない。美味い。この中で一番クセの強い牛は、ニンニクと黒コショウの効いた逸品。
パンにのせて味わった後、赤ワインをひとくち。っっっか~~~~~~!!うっまああああいいいい~~~!

 

このようにパン、フロマージュ、ワインという黄金のトリオを「Trilogie Francaise」という。エルベが教えてくれた。さらに「こうやって味わっているうちにパンが足りなくなるので追加、次に赤ワインが足りなくなるので追加したりして、いつもやめどきが分からなくなるんだ」と深刻そうな表情で訴えてきた。無限ループに陥るらしい。

しかしこのあとデセールがあるんだぞ。テキトーなところで切り上げないとデセールが食べられなくなっちゃう!とはいえ、マダムの腹はすでにいっぱいであった。そこへサーブされたのがミニャルディーズのオレンジコンフィとフィナンシェ、マカロン、ギモーヴ。正式なデセール前のプチ・デセールみたいなもんか。

 

いっやー、ヤバいっしょ、コレ

 

っつーか、これ食べたらデセール食べられないじゃん。でも美味しそうじゃん、味見程度でいただいておくか。っつってつい手を出してしまう。罠だと分かってるのに、やっぱり食べられずにはいられない。エルベもオレリアも「分かってるけど、つい手が」的な言い訳をしながらつまむ。食い意地に民族的差異はないようである。
ひとくち食べては自戒の念にかられて悶絶していると、とうとう本気のデセールが登場!マダムとオレリアは洋ナシのコンポートとキャラメルアイス。エルベの選んだデセールはフランボワーズの何か(忘れた)。

 

洋ナシが一番あっさりしてそうだったので

 

ビジュアルが女子っぽい

 

ビジュアルが素晴らしい!これぞフレンチのオオトリを飾るにふさわしい美しさではなかろうか。ちょっとデカいけどフルーツだから楽勝楽勝!と思っていたら大間違いだった。

 

想定外の仕様にビビっております

 

洋ナシの中に濃厚過ぎるキャラメルアイスが詰まってた。おっかしいな~、一番軽そうなデセールを選んだつもりなのに、なにこの濃厚具合。それでもマダムは食べた。もくもくと食べ続けて完食!マダムはね、やれるときはやれるのよ!海外で腹を壊したことは、これまで一度もないんだから!鉄の胃を持ってて本当に良かった!エスプレッソで〆てお勘定。

 

月一くらいでこんなディナーを頂きたいわね

 

食べすぎた腹を抱えた我々は散歩がてらにカテドラルへ向かう。毎晩プロジェクションマッピングをやっているというのである。ま・・・毎晩?ここ数年フランスの各地でプロジェクションマッピングが流行ってんな~とは思っていたが、ル・ピュイも例に漏れず流行りに乗っかったようだ。自治体には手軽で手頃な観光の一環として定着したのだろうか。

 

日が暮れてきた通りを抜けて

 

街燈の色がいいよね

 

暗くなるまでしばらく待ちます

 

始まりました

 

ずっと見上げてるので首が痛い

 

綺麗でした

 

プロジェクションマッピングやってんのはカテドラルだけではなく、礼拝堂のある岩山サン・ミッシェル・デギィユ、巨大マリア像でもやってるのである。ル・ピュイ市内だけでも3カ所のプロジェクションマッピング!しかも毎晩!!どんだけ好きなんだよ!カテドラル→マリア像→デキイユって時間差でやるから結局全部見ちゃったじゃないか!首が痛いぞ!市役所の観光課にマニアがいるに違いないとマダムは確信してル・ピュイ最後の夜を終えたのであった。