ボン珍2017 フランスの最も美しい村ペルージュ | 不思議戦隊★キンザザ

ボン珍2017 フランスの最も美しい村ペルージュ

フランスには「フランスの最も美しい村(Les plus beaux villages de France)」という協会が存在する。設立目的は歴史遺産の価値の向上、歴史遺産の保護、そして観光に関連した経済活動の促進などである。美しい村と認定されるには条件があって

・人口が2000人以下で、都市化されていない地域であること 
・歴史的建造物、自然遺産を含む保護地区を最低2箇所以上保有していること 
・協会が定める基準での歴史的遺産を有すること 
・歴史的遺産の活用、開発、宣伝、イベント企画などを積極的に行う具体的事案があること

などいくつかの選定基準を満たした村だけが「最も美しい村」としての称号を得ることができる。再審査も行われるので、一度獲得した称号を剥奪されることもある。信頼性と正当性を何よりも重要視しているワケだ。そんな「フランスで最も美しい村」のひとつ、ペルージュに行ってきた。

 

美しい村認定には強力な宣伝効果が

 

まあ、自力では行けないから先生に連れてってもらったんだけどね。あっ、ちゃんとリヨン駅で合流できたから心配しないでね!

 

エルベ先生と奥様のオレリア(きっとマダムより年下)

 

あの階段を上ると、どんな世界が待っているのでしょう

 

ペルージュという名前の由来はイタリアのペルージャがもとになっており、ペルージャから戻ってきたガリア人(古代ローマの傭兵だろうか?)が住みつきペルージュの発端となったという、とても古い歴史を持つ村である。

 

さあ、門をくぐりますよ!

 

中世時代はワイン作りや織物の商業で栄えた。村の建物の多くは15世紀あたりに建造されたという。石造りのがっしりした家々が立ち並ぶペルージュの村に一歩入り込むと、もうそこは中世である。

 

うわー!なんじゃこりゃー!!

 

ぎゃああああ!可愛過ぎるううううう!

 

なんて絵になるんだッ!

 

18世紀くらいまでは普通に栄えていたようだが、山の上という辺鄙な場所(古い村なので当たり前だが)にあるため産業革命という開発から取り残され、徐々に衰退していった。

 

一番良い季節に来ることが出来て嬉しい

 

壁の崩れ加減に歴史を感じる

 

綺麗に手入れされている中庭の花壇

 

囲いも風情がある

 

ところが「開発から取り残された」ことが現代では功を奏し、中世の景観を真空パックしている村として大人気なのである。一時期は50人程度にまで減ってしまった住人も、現在は1200人ほどに回復している。最も旧村の住人は100人足らずとのことで、多くは麓の新村落に住んでいる。しかしこのまま回復し続けて住人が2000人を超えてしまうと「最も美しい村」の称号が剥奪されてしまうなあ。

 

窓辺の赤いゼラニウムが可憐

 

なんでもない空き地(?)もこの可愛さ!

 

藤の緑が眩しい

 

やっべー、ここに住みてえー

 

古びた門扉がカッコいい!

 

景観は中世でも、ホテルもあるしミシュランおすすめのレストランもあるし土産屋もパン屋もケーキ屋もある。紙を手作りしているアトリエもあった。何か買っておけば良かった。

 

村に一軒だけあるホテル(高い)

 

食べ歩き用のお菓子も売ってます

 

ミシュランがおすすめするレストラン

 

ペルージュ名物のガレット、一切れから買えます

 

本当にここに住んでいるひといるの?

 

だっておとぎ話の世界なんだもの

 

おとぎ話の住人かー、いい車乗ってんなー

 

こんなにカワイイ住人も

 

そんで、村をあげて中世を売りにしているので、土産も中世っぽいアイテムが多いのである。例えば騎士やドラゴンのフィギュアとか、妙なアクセサリーとか、中世時代の地図(コピー)、ソード(偽物)や兜(偽物)、リッチー・ブラックモアの嫁のキャンディス・ナイトさんが着てそうなワンピとか、中二病が炸裂しているのである。新選組のハッピやら提灯やらカタナやらを売ってる京都の土産物屋みたいだ。見る分には面白かったが、マダムはもう大人なので手は出さなかった。

 

微妙にドラクエ風な土産

 

参考:キャンディスさん(左)とリッチーさん(右)

 

村の中心にはちゃんと教会もあって、この教会も中世のものだろう。外観はロマネスク様式だが内部はゴシックっぽかったので改装を重ねたのだろう。住人の手で修繕を加えられつつ、移り変わる住人と一緒に長い時間を経てきたのだと考えるとグッとくるね。

 

素朴なロマネスク様式

 

石造り!

 

天井はゴシック様式かな

 

こぢんまりした教会

 

このあたりの装飾は中世っぽいですねえ

 

教会でずっと荘厳な音楽が流れていたので、どっから聞こえてきてるんだろう?と不思議に思っていると、壁にスピーカーが取り付けられてあり、ここから荘厳なBGMが流れているのだった。なんか、うーん、まあ、いいけどね。

 

うーんこの

 

小さな村なのですぐ一回りできる。入ってきた門を通って村を出る。

 

名残惜しいなあ

 

また来たいなあ

 

夢みたいだ

 

こういった山の上にある小さな村の入り口は必ず門を通らなければならない。昔は朝になると門を開け、夜になると閉めたのだ。山頂にある村は壁に囲まれ、門から出入りする。外敵の侵入を阻むためである。城外に住む者は山賊や世捨て人、魔法使い(?)、恐ろしい化け物たちだった。

 

何気ない風景が沁みる

 

さて、ここから2時間のドライブを経て、ル・ピュイ・アン・ヴレイの先生のお宅に到着。おうちの紹介は次回にして、お腹が減ってるのでさっそく夕食にしよう。本日の夕食はお外でBBQ!豚と羊、お野菜のブロシェット。肉が柔らかい!!

 

あ~、なんて素敵なの!

 

先生夫妻の紹介は次回

 

ああ~~、いいな~、この感じ。っつってくつろいでいると思われるかもしれないが、マダムまだ緊張してた。緊張してたわりにはワインをおかわりしたけどね。明るく見えるけどもう21時だよ。自己紹介と一週間のレッスンと観光の予定を確認しながら食べ終えた。

 

飲み物はワインに決まってっしょ!

 

お肉とアプリコットのブロシェット、美味い!


食べ終えたと思ったら、チーズプレートが出てきた。生憎写真を撮るのを忘れたのだが(非常に後悔)、6種類くらいプレートに乗ってて、しかも全てこの地方のフロマージュだという。何種類かいただいたが、これが美味いのなんのって!!シェーブルってあるじゃん?山羊チーズ。ちょっとクセがあって苦手なひとも多いけど、ここで食べたシェーブルはフレッシュチーズのようにクリーミーで全然臭みがない!何コレ何コレ!?こんなの日本で食べたことないよ!

マダムはフロマージュの種類の多さと想定外の美味さに感動しつつ、日本在住のフランス人の嘆きをやっと理解できた。彼らは口を揃えてこう言うのだ。「日本は完璧である。フロマージュ以外は」と。

 

残ったフロマージュは冷蔵庫で保存して、また次回の食卓にのぼる。その間もチーズは熟成が進み、めったなことでは腐らない。ってゆーか、腐るかわりに熟成しているのか。乾燥して固くなったらチーズおろし器でおろしてパスタにかけたりサラダに混ぜたりして喰い尽すという。この日に登場したフロマージュたちはマダムが滞在している間も登場し続け、先生夫妻とマダムで喰い尽した。

 

こんなに美味いフロマージュ、もっと日本で喰いたい。探せばあるだろうが、何せ高い。そんなところへ日欧EPA交渉が大枠合意との朗報!欧州の美味しいフロマージュがもっと身近になるかも知れない!

 

 

 

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