数週間して結果が出たからということで再び遺伝子センターを訪れました。
なんと結果はポジティブ![]()
母方は完全にガン家系ですが、卵巣癌や乳癌などの婦人科系の癌はなかったので正直意外でした。
私はBRCA1という遺伝子が変異してしまう遺伝を持っていたのです![]()
私も世の中多くの人のように「癌の遺伝子」なるものがあるとそれまで勘違いしていました。
家系に卵巣癌はいないし、だから「卵巣癌の遺伝子」も無いだろう、と。
実は「癌の遺伝子」なんていうものは存在しないんですね。
人の体内にはBRCA1と2と呼ばれる遺伝子があり、この遺伝子が癌細胞を抑制してくているのです。
でもこのありがたいBRCA遺伝子が変異してしまい、そのために癌細胞を抑制できなくなってしまうことがあります。
実は「癌の遺伝子」があるのではなくて、この「変異したBRCAが遺伝する」のです。
で、BRCAが変異してしまい、癌を抑制できなくなってしまうと癌の中でも特に
乳癌
卵巣癌
前立腺癌
メラノーマ
膵臓癌
の癌が発症しやすくなっていることが証明されています。
健常なBRCAならこれらの癌細胞を抑えてくれますが、変異してしまったBRCAではこれらの癌細胞が抑制できないというわけです。
癌によって発症率は違い、また研究機関によっても%が微妙に違いますが、私の遺伝子検査をした機関によるとBRCA1がポジティブ(変異している)の場合、乳癌の発症率はなんと最大で87%まで![]()
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ということは、BRCA1だと乳癌にならない確率の方が断然低い・・・という恐ろしい結果になるのです。
また母方の家系に多発し、私の母の命も奪った膵臓癌はBRCA1ポジティブでも発症率は4%と低いものの、膵臓癌の発症率そのものが低いためにこの数字。
実はBRCAが健常な人の膵臓癌発症率は0・4%だそうで、そうなるとこれも実に10倍の発症率。
ちなみに卵巣癌は発症率最大40%とのことでした。
アメリカではすでに遺伝子検査や遺伝子検査による癌診断は一般的になっており、BRCA1が変異していると分かった場合の通常措置は「卵巣摘出」なんだそう。
もちろんこれから子どもが欲しいと考えいるような年齢なら「モニターしながらさっさと出産して取っちゃおう」と何が何でも摘出と言うことにはなりませんが、出産する予定がない人や可能年齢を超えた人なら「癌になるまでにさっさと取っちゃいましょう」が普通だそうです。
もちろん通常措置として推奨されているので摘出も保険でカバーされます。
乳癌に関しては「癌になる前に取っちゃいましょう」とまではさすがにいってないらしく、「MRIとマモグラムを交互に半年ごと」とのことです。
そして、私の場合は検査でBRCAのどこが変異しているのか分かっているので「妹さんにこの結果を送れば、妹さんが遺伝子検査をするときにどこを調べてもらえばよいか分かるから」と言われました。
医師からは「間違いなく母方の家系からの遺伝だと思います」とは言われましたが、両親のどちらか片方からBRCA1変異の遺伝がある場合単純に言って子どもに遺伝する確率は50%。
私がすでに50%の確率で当たっているので妹は遺伝していないと良いな~と願いながら
変異した遺伝子の個所が記載されている結果報告書を妹に送り、妹も東京で遺伝子検査をしました。
ちなみに日本ではまだ遺伝子検査はまだ一般的な医療措置として認められていないため、保険でカバーされずに全額自己負担だそうです。
当然BRCA1ポジティブと分かって卵巣などを摘出することになってもそれも全額自己負担だから、と妹は説明を受けたそうです。
まことに幸運ながら、妹は無事にネガティブでした![]()
ということで、卵巣はとってしまったから良いけれどこれからは半年ごとにMRIかマモグラム、ホクロやシミの変化に気を付けながら、となります。
ただ一番恐ろしい膵臓癌に至っては特に未然に出来ることはないらしく、RECOMMENDATION の欄にはただ「patient education」とのみ記されていました。
医療がここまで発達した今でもやはり膵臓癌は恐ろしいです![]()
ちなみに遺伝子検査は保険で全額カバーしてもらったため自己負担はゼロでした。