前回の投稿の続きです。
■石見銀山から、大田市駅に戻ってきました。
時刻は13時すぎ。
当初はもっと早く戻ってきて倉吉を観光する予定でしたが、今から倉吉に向かっても到着は16時。
これでは、観光することができないため、倉吉での観光を諦め、海の幸を食べに行きたいと思います。
グーグルマップを見て目星をつけました。
鉄道で海のそばにある海鮮丼のお店に向かいます。
■13時38分、特急まつかぜ10号鳥取行は大田市駅を出発。
途中、松江駅にて、昨日途中下車扱いにしていたもとの切符のルートに復帰します。
■14時49分、米子駅に到着。
ここで普通列車に乗り換えます。
19時59分、普通列車は米子駅を出発。
再び、山陰本線を進みます。
■15時47分、赤碕という駅で降りました。
近くに、ちょっとユニークな浜があるので見に行きます。
■「鳴り石の浜」という浜は、地形の関係か、波が石を丸く削っていくようで、丸い石がコロコロと転がる光景が見られます。
そして、波が石の上を通りすぎるとき、カラカラと音が鳴るので、「鳴り石の浜」と言うそうです。
インターネットで見た「鳴り石の浜」は、青空のもと、かわいらしい丸い石の上を、穏やかな波が越えていく、ほのぼのとした光景でした。
私は、その光景を楽しみに浜辺へ向かいます。
ところが、待ち受けていたのは大荒れの日本海。
海岸付近の駐車場につくと、風が吹き荒れ、立ってるのがやっとという状況です。
これでは、浜に近づくこともできません。
危険を侵して見に行ったところで、コロコロ音が鳴るほのぼのとした光景は期待できません。
「鳴り石の浜」の見学を諦め、海鮮丼を食べに向かいます。
■海鮮丼のお店までは、3キロほどあります。
海を見ながら楽しい散歩になると思っていましたが、強い風と寒さに耐え忍ぶ、ただただ辛いだけの道中でした。
現在の気温は5度。寒さが追い打ちをかけてきます。
しかし、歩き出した以上、もう引き返すこともできません。
海鮮丼を目指して、寒さと強風の中、一歩一歩進んでいきます。
■40分ほど歩いてついに海鮮丼のお店に到着。
ところが、目に入ったのは「臨時休業」の4文字でした。
全身から力が抜けるのを感じます。
なんか、旅がぐだぐだになってきました。
もう夕方、日没も過ぎて外も暗くなってきています。
虚しく風が吹き荒れる音だけが聞こえます。
■グーグルマップを開き、1キロほど離れたところに中華料理屋さんを見つけました。
そこに向かうことにします。
■17時過ぎ、なんとか中華料理屋さんに到着。
今度のお店は営業していました。
お店に入り、五目ラーメンを注文。
優しくて暖かいスープが体に染み渡ります。
美味しいお店でした。
来てよかったです。
■汽車を降りた赤碕駅の隣の八橋駅に歩いて到着。
国鉄時代から変わらないのだろう、どこか懐かしさを感じる温かな木造駅舎が待っていました。
これから、宿をとった鳥取に向かいます。
■18時7分、普通列車鳥取行は八橋駅を出発。
真っ暗な山陰本線をひたすら進んでいき、19時37分、鳥取駅に到着。
今夜の宿はお風呂がないので、宿に入る前に入浴します。
鳥取は、都市でありながら、街中に天然温泉が湧いている珍しい街です。
駅から徒歩圏内に、昔ながらの銭湯温泉がいくつもあります。
その中のひとつで旅の疲れを落とし、宿に入りました。
■早くも旅行3日目になりました。
朝の6時半前に宿を出て、鳥取駅構内のドトールで朝食をとります。
今日は、再び陰陽連絡線を使って中国山地に入っていきます。
山陰に行く時にどうしてもスルーしてしまいがちな町を散策していこうと思います。
■まずは、鳥取市の南方にある若桜の町に向かいます。
若桜までは、陰陽連絡の未成線を三セク転換した若桜鉄道が通っていますが、乗継の都合で路線バスで向かいます。
■7時ちょうど、若桜行きの路線バスは鳥取駅を出発。
JR因美線の線路を見ながらバスは進んでいきます。
途中、若桜鉄道分岐駅の郡家駅に寄ると、その先は山に囲まれた穏やかな田園地帯に入っていきます。
八頭町は柿の生産が盛んなのか、柿の畑が広がる光景も見られます。
若桜に近づくと、雨が降ってきました。
7時56分、若桜駅前バス停に到着です。
■若桜の町並みを散策します。
昔ながらの懐かしい雰囲気です。
■さて、お城ファンでもある私は、若桜城を見学ふるつもりで、この町の観光に3時間をとっていました。
ところが、天気は雨。
お城は標高700mの山に築かれており、この天気ではちょっと行くことができません。
駅へ向かって作戦を練ります。
■若桜駅に来ました。
昔からの風景を大事にしているようです。
時刻表を見ます。
次に来る汽車は8時25分発。
若桜鉄道は決して本数が多いわけではありません。
若桜は綺麗な町で観光もしたかったのですが、お店が空く前の朝8時から長時間の滞在はできません。
この汽車で郡家に戻ることにしました。
■8時25分、若桜鉄道の1両の気動車は若桜駅を出発。
山に囲まれた水田地帯を走る車窓はとても楽しかったです。
■8時57分、郡家駅に到着。
すぐに乗継の汽車はやって来ますが、ここで下車して町を散策します。
■駅前にはロータリーがあり、短いながらも、商店街があります。
ところが、一歩中に入ると、風情ある路地が延びています。
少し歩いて県道に出て、近くの和菓子屋さんに入りました。
美味しそうな和菓子が並んでいます。
栗きんとんを購入。
お店には賞状のようなものが掲げられていて、読んでみると、工法が無形文化財に登録されているようです。
お菓子の工法が文化財になるんですね…。
■スーパーで飲み物を調達し、駅に戻ってきました。
町ブラをしていると、あっという間に時間が過ぎます。
これから、特急に乗って、少し南下します。
10時14分、特急いなば4号岡山行は郡家駅を出発。
ひと区間だけ移動します。
■10時32分、智頭駅に到着。
智頭の町を観光します。
智頭は、鳥取のお殿様が参勤交代の際に定宿にしていた町だそうです。
宿場の面影が残っていて、歩いていて楽しい町でした。
■石谷家住宅に到着。
石谷家は、江戸時代から力を持っており、この地に立派な家を建て、昭和の時代に至るまで改修をしてきたようです。
異なる年代の建築方法が融合した貴重な建築物だそうで、国の文化財になっています。
落ち着いた雰囲気のお庭。
2階の部屋への廊下が階段を跨ぐ形で設置されていて、洒落た造りになっています。
和洋折衷の面白い建物でした。
■次に、グーグルマップで智頭の町を見て気になったお店に行きます。
国道沿いにある小さな焼きそば屋さん。
例のごとく、写真を撮る前に食欲が爆発したため、今回も写真はありません。
甘くて優しい味付けに、ホルモンの甘味が調和した美味しい焼きそばでした。
■智頭駅に戻ってきました。
ここから、当初の予定に戻ります。
若桜で雨が降っていなかったら郡家や智頭で観光していなかったと思うと、不思議な感じがします。
さて、智頭から陰陽連絡線は2手に分かれ、特急は智頭急行線を通って太平洋側に向かいます。
一方私は、特急が通らない因美線で津山を目指します。
■12時54分、因美線の1両の汽車は津山を目指して智頭駅を出発。
私は珍しく車内で寝落ちし、体感あっという間に14時3分、津山駅に到着。
これから、津山の街を観光します。
■津山城にやってきました。
ちょうど紅葉が色づき、お城に華を沿えます。
建物こそ残ってはいませんが、姫路城とともに日本三大平山城に数えらる名城です。
石垣の、頂上にいくにつれてクッとキツくなる勾配も美しいです。
■お城の見学を終え、1キロほど歩いて衆楽園というところにやってきました。
夕方の落ち着いた雰囲気のなか、庭園の風景を楽しみます。
■夕食で、津山名物のホルモンうどんをいただきます。
駅近くの気になったお店に入りました。
甘辛いタレに野菜とホルモンの甘さがマッチします。
食べれば食べるほど食欲が湧く美味しさで、あっという間に無くなってしまいました。
■津山駅に戻ってきました。
これから宿へ向かいます。
旅行最後の夜は、温泉宿に泊まります。
■17時52分、姫新線新見行は津山駅を出発。
あたりはもう真っ暗です。
姫新線は姫路から津山までやってきて、そこから中国山地を横切り新見まで行く路線です。
その途中の中国勝山という駅まで進みます。
■18時48分、中国勝山駅で下車。
ここからはバスに乗り換えます。
この路線は乗換案内に反映されておらず、真庭市役所のHPに掲載されているのみだったため、バスが来るのか非常に心配でした。
バス亭を確認しようと駅を出ましたが、バス停が見当たりません。
これはやらかしたやつかと焦りながら辺りを見渡すと、地元の方が集まっている待ち合い所があり、これがバス停の役割を果たしていました。
19時3分、真庭市のコミュニティバスは中国勝山駅を出発。
暗闇の中をくねくねと進んでいき、19時39分、湯原温泉バス停に到着。
バス停近くの旅館に入り、温泉に入って体を休めます。
おやすみなさい!
■旅行最終日。
朝8時前、目が覚めました。
昨夜は9時半に布団に入ったので、10時間以上爆睡していました。
今宿を出れば温泉街を散策できますが、お尻に根っこが生えたようで、バスの時間まで宿でゆっくりします。
■9時15分、宿をチェックアウト。
基本6時台から動く私にとって、これまでで一番遅いスタートです。
9時23分、真庭市のコミュニティバスに乗り、湯原温泉を後にします。
天気は晴天。
この旅行で初めての晴天です。
バスからは昨日は真っ暗で見えなかった景色がよく見えます。
紅葉に染まった渓谷沿いの道。
運転しても気持ちいい道だろうなぁと感じました。
10時3分、中国勝山駅バス停で下車します。
■中国勝山駅のダイヤが、なかなか難しい設定でした。
中国勝山駅の新見方面の始発は5時45分で、その次は7時9分です。
この2本は、湯原温泉を始発のバスで出ても間に合いません。
そして、その次の便は約4時間後の10時58分発で、それに合うバスが先程乗った便でした。
それでも、接続があまり考慮されていないようで、駅到着から汽車が来るまで50分あります。
町を散策しましょう。
■ここは、勝山藩の城下町として発展し、当時の町並みが残っています。
駅前には、「檜舞台」と名づけられた商店街があります。
商店街を抜けた先に、町並み保存地区があります。
地元の方が多数行き来しており、写真を撮るのはやめておきました。
その後スーパーで地元のパン屋さんのパンを購入し、駅に戻ってきました。
今回は乗継待ちでの観光でしたが、じっくり観光してみたいな、と感じた町でした。
他に誰もいない待合室で朝食をとり、汽車を待ちます。
■10時58分、姫新線のディーゼルカーは中国勝山駅を出発。
11時50分、終点の新見に到着し、陰陽連絡線のもう1つのメインルートである伯備線に乗り換えます。
てっきり真っ黄色の国鉄車が来ると思っていたら青帯のステンレス車が来たのでびっくりしました。
伯備線の普通列車で目的地の備中高梁を目指します。
11時55分、新見駅を出発。
この電車は岡山の先、赤穂線に入って、西大寺という駅まで行くようです。
12時29分備中高梁駅で下車。
■最後の目的地は備中松山城。
予約制乗り合いタクシーでふもとまで運んでもらいました。
お城は山の頂上に築かれており、山道を登ります。
山道を歩くこと20分。
ついにお城の中心部に到着。
城主猫の「さんじゅうろう」が出迎えてくれました。
3年前に訪問した時より大人しくなった印象です。
小振りな天守。
日本にある江戸時代から現存する12基の天守のひとつです。
私のおすすめポイントは、なんといっても石垣のカッコヨさ。
天然の岩肌を生かした圧巻の石垣が脇にあるのですが、肝心なところで写真が上手く撮れてとらず、掲載することができませんでした。
■備中高梁駅に戻ってきました。
とうとう、家に帰る時間が来てしまいました。
15時12分、定刻の6分遅れで特急やくも18号岡山行は備中高梁駅を出発。
やくも号は新型車の導入が発表されており、この機体にはこれが乗り納めとなりそうです。
■15時45分、定刻の6分遅れでやくも号は岡山に到着。
遅れの影響で新幹線への乗り換え時間は7分しかありません。
別れを惜しむ間もなく新幹線乗換改札へと急ぎます。
■ホームに上がると、新幹線が入線してくるところでした。
15時52分、新幹線のぞみ168号東京行は岡山を出発。
その後、途中在来線に乗り換え、自宅最寄り駅に到着。
三次から使ってきた切符に穴を空け、無効印を押してもらいます。
切符には、鳥取や津山等の途中下車印が押されています。
自動改札がないエリアが中心となった旅ならではです。
バスに乗り、自宅最寄りのバス停で降りました。
これで夢のような4日間は終わりを迎えます。
長くなりましたが、旅行記録を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。