■25歳の木村です。


GWの休暇を使い、九州でひとり旅をしました。


今回、宿がとれなかったり、列車本数が少なかったりと、計画を立てるのになかなか苦労しました。


でも、時刻表を手に悩んでいる時間も楽しいもので、、、。



【1日目】

■お昼過ぎに熊本駅に到着しました。


今日は、熊本市内の観光にとどめ、熊本で1泊します。


本格的に動くのは明日からです。


市電の1日乗り放題を買ってまずは熊本城へ。



震災からの復興中で、もとに戻ったのはごく一部ですが、熊本のシンボルの大天守が凛々しく復活したのは、勇気を与えたことでしょう。

その後、熊本藩主が整備した水前寺公園や、健軍神社、商店街で熊本ラーメンをいただき、この日は終了。

【2日目】
今日からは、3日間在来線が乗り放題になるフリー切符を使って移動をします。

最初の目的地は、阿蘇くじゅう国立公園のうちの高森エリア、阿蘇山の地下水が豊富に湧き出すエリアに向かいます。

■朝7時前、宿をチェックアウトし、市電で熊本駅までやってきました。

ここからは、熊本と大分を結ぶ豊肥本線を移動します。

■7時35分、豊肥本線 肥後大津行は、熊本駅を出発。

熊本近郊の人口が多いエリアを進みます。

列車本数の割りに単線で、駅では何度もすれ違いのための待機が発生。

距離の割には時間がかかった印象です。

■8時17分、肥後大津駅に到着。

ここで、駅のロッカーに荷物を預けます。

■8時57分、 引き続き豊肥本線の宮地行に乗車、先に進みます。

ここからは、1両のディーゼルカー。

鉄道ファンに人気の路線のようで、通勤ラッシュのような大混雑でした。

いきなり、GWの洗礼を浴びます。

■9時11分、立野駅に到着。ここで汽車を降りてバスに乗り換えます。

9時25分、目的地の高森に向けてバスは出発。

10時19分、高森に到着しました。

■ここからは、歩いて観光します。

すぐ近くにあるのは、高森トンネル湧水公園。

湧き水で掘削を断念した鉄道トンネルを公園化した施設です。



本来は、ここを線路が通る予定だったようです。

湧き水は今でも続いていて、こりゃ掘るの諦めるわっていう量の水が流れていました。


トンネル内に水路が設けられ、湧き出る水を使った演出がされています。

片道500mほどの探検でした。

■ここの他にも、水の湧き出る場所はたくさんあります。

有名なところで、白川水源。


今でも水が湧き出ていて、汲んで持って帰ることもできます。


私もペットボトルを購入し、1リットルいただいてきました。

この水に、後々助けられることになります。

■次の目的地は、四季の森温泉。歩いて10キロほどの距離があります。

今回の旅行で立ちはだかったのは、公共交通の本数の少なさでした。

立野駅と高森の往復も、本数が限られ、それもビミョーに時間が合いませんでした。

そんな中、別のところからやってきて、四季の森温泉を通って立野駅に向かうバス路線を発見したので、距離はありますが、四季の森温泉に行くことにしました。

■道中は、気持ちのいい畑道でした。


空気もきれいで、心地よいそよ風がふいています。

彼方には阿蘇連峰が見え、荒々しくも雄大な姿を見せてくれています。

さて、最初は軽快に歩みを進めていましたが、13時を過ぎたあたりから疲労がたまってきて徐々に歩くペースが落ちてきました。

2月にフルマラソンを完走していて体力には自信があるのですが、走るのと歩くのは全く別のようです。

しかも、歩きながら興味を持ったところに寄り道をしていたので、思ったより時間が押していて、バスの通過時刻が近づいてきています。

困ったことに飲食店もなければ自販機すらありません。

お腹が空きましたが、頼れるのは白川水源で汲んできた天然水だけです。

■疲れた体にムチを打ち、なんとかバスが通過する前に四季の森温泉に到着しました。

到着したのは、バスが来る13分前。

一時はどうなるかと思いましたが、なんとか間に合いました。

四季の森温泉から立野駅に行くバスは1日に2本、うち1本は朝の7時代なので、これが終バスです。

逃したらさらに徒歩20キロとなるところでした。

せっかくここまで来たので、急いで温泉に入ります。

体を洗う時間は削れません。

温泉に浸かれたのは1分だけでした。

せっかく温泉に来たのに、なぜこんなにバタバタしているのでしょう。

ほんの一瞬の入浴でしたが、さっぱりできました。

■14時42分、四季の森温泉バス停を出発し、15時32分、立野駅に戻ってきました。

ちなみに、立野駅から高森までは、第三セクターの南阿蘇鉄道が走っています。

まもなく、災害から復旧する見込みとのことで、これが復活すれば、私と同じような移動をしなくてすみます。

高森は本当に楽しいところでした。

■立野駅から肥後大津駅まで戻り、ロッカーに預けていた荷物を回収します。

15時50分、豊肥本線 肥後大津行は立野駅を出発。

肥後大津駅で荷物を回収し、熊本市内まで戻って少し早い夕飯をとります。

■これから、宿へ向かいます。

宿泊地は、大分県の南部にある佐伯市。

これから、大分県に向けて、熊本大分の県境越えに挑みます。

■熊本市内で夕飯を済ませ、肥後大津駅に戻ってきました。

まずは大分駅を目刺し、豊肥本線をひたすら進みます。

18時20分、豊肥本線宮地行は肥後大津駅を出発。

19時16分、宮地駅に到着。引き続き、大分方面 豊後竹田行の汽車に乗り換えます。

20時ちょうど、豊後竹田行の汽車は宮地駅を出発。

ところが、出発して10分たたないうちに、汽車は動物と接触してしまいました。

突然の運転見あわせです。

この汽車はワンマン運転。

運転手さんが現場を確認し、どこかと連絡をとっています。

汽車は止まったまま、時間だけが過ぎていきます。

■今回の乗り継ぎには全く余裕がありません。

大分での乗り換え時間はわずか7分、これが佐伯まで行く最終便です。

これに乗れなかった場合、最悪野宿でしょうか…。

不安が募ります。

■15分ほど止まっていたでしょうか。運転手さんによる安全確認が終わり、汽車は再び動き出しました。

終点の豊後竹田駅に、定刻20時44分のところ、12分ほど遅れて到着。

引き続き乗車する大分行の汽車は、発車時刻を過ぎていましたが、乗客の乗り換えが終わり次第、速やかに発車しました。

■久々に大都会の光。22時42分、定刻通り大分駅に到着し、熊本・大分の県境越えを成功しました。

さて、そろそろホテルに入りたいのですが、まだまだ移動が続きます。

22時19分、佐伯行の電車は大分駅を出発。

23時38分、佐伯に到着し、駅前の宿に入りました。

【3日目】
今日は別府温泉「血の池地獄」と、岡城&岡城城下町を観光します。

まずは、佐伯から大分まで戻ります。

■5時49分、大分行の電車は佐伯駅を出発。

なんとか電車に間に合うように起きられましたが、さすがに眠いです。

7時11分、大分駅に到着。

しかし、私は爆睡していて、駅員さんに起こしてもらった時は、乗り継ぎの電車は出発してしまった後でした。

駅のパン屋で朝食をとり、後続7時48分発の電車に乗り込みます。

別府の2駅先の亀川駅を目指します。

■別府温泉には、原泉が湧き出る箇所がいくつもあり、これをまわることが「地獄めぐり」として観光の定番コースとなっています。

地獄は全部で7ヶ所あります。

このうち、最も駅から近い「血の池地獄」に行こうと思います。

■8時6分、亀川駅に到着。

駅から2キロちょっと歩いて「血の池地獄」にやってきました。


血のように真っ赤な原泉。

落ちたらアウトな高温です。

さて、当初は、駅から一番近いここだけ見学して次の目的地に向かう予定でしたが、他の地獄にも行ってみたくなり、残る6つも見学することにしました。

急な予定変更です(笑)

■「血の池地獄」の隣にある「竜巻地獄」を見学しました。

ここからはバスで移動します。

残る5つは、少し離れたところにあります。

9時3分、血の池地獄前バス停を、亀の井バスは出発。

急な坂道をバスは上っていきます。

9時10分、終点の鉄輪バス停に到着。

残る5つの地獄は、全てここから徒歩圏内にあります。

■地獄めぐりは、本当に楽しいものでした。


地獄ごとに、湧き方に個性があります。


1個見ればいいやと思って計画を立てたのは大きな誤りでした(笑)


同じ温泉なのに色が異なるのが不思議です。

朝8時から見学できるため、朝イチのお客さんが少ない時間の見学がオススメです。

■地獄めぐりを終え、駅に向かいます。

10時23分、鉄輪バス停を発車。

10時39分、別府駅に到着。

当然ですが、当初の予定よりすでに遅れています。

10時54分発、特急ソニック9号で大分駅まで急行。初の特急課金、急いで戻ります。

11時3分、大分駅に到着。

ところが、当初大分駅から乗る予定だった電車は10時54分に出てしまっているので、次の電車まで大分駅周辺を散策することにしました。

■周辺を散策して昼食を食べ、大分駅に戻ってきました。

これから岡城に向かうため、豊後竹田行の汽車に乗ります。

13時46分、大分駅を出発。

昨日暗闇の中通った線路の景色を楽しみます。

14時59分、豊後竹田駅に到着。

■岡城は竹田市を見下ろす高台にあります。

まずは城下町を散策。


竹田市は、落ち着いていて、風情のあるいいところ。



■岡城にやってきました。


過去に何かのアンケートで1番になったことがある石垣が魅せる名城です。

お城ファンの方は多くないと思うので詳細は省きます。

私は立派な石垣が見られて大満足でした。

■城下町に戻り、花水木温泉でゆっくりと疲れを癒し、駅に戻ってきました。

落ち着いていて、本当にいいところでした。

19時42分、豊肥本線は大分駅に向けて豊後竹田駅を出発。

ちなみに、当初の計画では15時半に豊後竹田を出発して臼杵市内で観光する予定でした。

臼杵の街には、次の機会に遊びに行きたいと思います!

■21時9分、大分駅に到着。

今夜も佐伯に泊まるので、もう1回乗り継ぎです。

この辺は昨日と同じルートです。

できたらこれは避けたかったのですが、空いている宿が佐伯にしかなかったので、仕方ありません。

21時47分、日豊本線佐伯行は大分駅を出発。

23時8分、佐伯駅に到着し、昨日と同じ宿に宿泊しました。

【4日目】観光最終日

今日は高千穂へ行き、その後宮崎市内の観光名所に向かう計画です。

■6時18分、宮崎県の延岡に向けて列車は佐伯駅を出発します。

この区間は、普通列車が1日に1本しかないエリア。

車両も、この普通列車用の車両が準備されているわけではなく、なんと特急用の車両が充てられます。

人口の少ない大分宮崎県境は駅間距離も長く、気分は特急列車に乗っているかの気分です。


■快適な車両に揺られること1時間余り、7時26分に延岡駅に到着しました。

延岡駅のコインロッカーに荷物を預け、近くのコンビニで宮崎交通バスの一日乗り放題券を購入します。

ここでのコインロッカーが、後にこの旅行に影響を与えることになるとは、その時の私は想像していませんでした。

■ここからは、路線バスで高千穂を目指します。

8時45分、宮崎交通バス高千穂バスターミナル行き路線バスは延岡駅を出発。

車内は2人がけの座席に1人ずつ座って全て埋まるくらいの混雑具合。

観光客が圧倒的に多いのですが、延岡駅から高速バスが出ているにも関わらず、路線バスを選択する旅行者たちは見るからに猛者揃いです。

バスは一部区間でバイパスを降りて国道の旧道を通ります。



対岸には、災害でトドメを刺され廃線となった跡が見られます。

バスは軽自動車でも運転したくないような細道を器用に進み、地元のお客さんを運んでからバイパスに戻り、一路高千穂を目指します。

■10時22分、バスは高千穂バスセンターに到着。

当初、高千穂には2時間か3時間滞在する予定でした。

ところが、バスセンターで自分の行動を組み立てていたところ、当初の計画で目的地から外したところに俄然興味が引かれました。

そこで、今回は宮崎での観光を断念し、高千穂を最大限満喫することにしました。

■これから、天岩戸神社に向かいます。

11時8分、高千穂バスセンターをふれあいバス岩戸線は出発。

これは、高千穂町が宮崎交通バスに委託をして運行している路線で、高千穂町内の地域内輸送を担っている路線です。

11時23分、岩戸バス停で下車。

歩いてすぐのところに天岩戸神社があります。

■日本書紀に記された神話伝説の舞台。


とても神聖な空気に背筋が伸びます。

ここは、世の中が暗くなってしまった昔、八百万の神々が集まって対策を相談したとされる洞窟です。

語弊があるのを承知で物語を簡潔に記すと、神様の最高位である天照大御神が自身の弟の悪行に悩んで岩戸に籠ってしまったところ、世の中に災いが起きるようになってしまったそうです。

この時に籠ったとされる岩戸も見学しましたが、こちらは撮影不可でした。

伝説では、写真の洞窟で神様が話し合った結果、ある神様が舞を披露して天照大御神を外に誘い出すこととなり、これがうまくいって、再び世の中が明るくなったそうです。

本当かよ?という物語ですが、それを信じてしまうような神聖な空気を感じました。

■高千穂町の中心部に戻ります。

12時56分、岩戸バス停を出発。

13時11分、高千穂バスセンターに到着。

ここからは、歩いて観光します。

■高千穂神社に到着。

長い歴史のある神社です。

写真は載せていいものなのか迷ったのでやめておきます。

■高千穂峡にやってきました。


深く切り立った渓谷美。

言わずと知れた景勝地です。

そして、周囲を見上げると、これまた切り立った山に挟まれており、渓谷の展望台自体も、渓谷の中にあるようです。

本当に深い渓谷です。

大自然の力強さを堪能します。

■高千穂バスセンターに戻ってきました。

今夜、宿をとったのは、熊本市の南にある宇城市。

地図で見ると、高千穂は熊本と延岡のちょうど中間あたりあります。

このまま熊本方面の高速バスに乗れば、宿まで3時間ちょっとで行くことができます。

ところが、当初はこのあと宮崎市で観光をする予定だったので、延岡駅に荷物を置いてきてしまいました。

熊本とは正反対の延岡まで戻らなければなりません。

■15時50分、延岡駅行の路線バスは高千穂バスセンターを出発。

ちなみにですが、今回観光した高森・豊後竹田・高千穂は、地図で見るとそこまで離れていません。

もし宿が自由にとれるのであれば、もっとスムーズな工程が組めたことでしょう。

■17時10分、延岡駅に到着。

コインロッカーに預けた荷物を回収します。

熊本方面の高速バスは終わってしまっているので、結局宮崎方面に進み、鹿児島を経由して、熊本県宇城市に移動します。

大移動が始まります。

今回は、自宅最寄り駅から熊本駅までの往復と宿1泊がセットになったパッケージツアーで、帰りの日付を変えられるオプションを使い、その間を乗り放題切符で旅行しています。

乗り放題切符の期間が今日で終わるため、少しでも熊本に近づきたいのです。

■17時31分、特急ひゅうが15号宮崎空港行きは延岡駅を出発。

大変な移動ですが、長く電車に乗っていられるとプラスに捉えましょう。

■18時45分、南宮崎にて途中下車。

この駅で、鹿児島方面の鉄道に乗り換えます。

■19時4分、特急きりしま17号鹿児島中央行は南宮崎駅を出発。

鹿児島湾を見渡せる景色が綺麗な所だと聞いていましたが、日は落ちて外は真っ黒な世界が広がります。

21時16分、鹿児島中央駅に到着。

■ここから、新幹線に乗ります。

今回使っている乗り放題切符は、別途特急券を購入すれば、新幹線にも特急列車にも乗ることができます。

21時36分、つばめ340号博多行は鹿児島中央駅を出発。

眠たいですが、万一寝落ちしてしまったら、あつというまに降りる駅を通りすぎてしまうので、気合いで起きています。

■22時21分、新幹線は新八代駅に到着。

ここで再び在来線に乗り換えます。

22時29分、鹿児島本線熊本行きは新八代駅を出発。

新八代駅は在来線と新幹線のホームが少し離れていて、私が使っている乗り換え案内では、この1本後の電車が示されていました。

少し急いだ結果、ギリギリにはなりましたが、乗り換え案内で表示された電車の1本前に乗れました。

■22時44分、松橋(まつばせ)駅で下車。

ここでようやく、駅近くの宿に入ります。

【5日目】

■今日は帰るだけです。

6時47分、鹿児島本線長洲行の電車に乗車。

熊本まで最後の移動です。

7時7分、熊本駅到着。新幹線に乗り換えです。

■7時27分、九州新幹線つばめ304号は熊本駅を出発しました。

ついに、GWのひとり旅も終わりの時間を迎えます。

今回は、宿も交通機関も限られるという条件のなかで計画を組み立てることとなり、どうしても移動の時間が長くなってしまいました。

しかしこれもまた、楽しかった記憶として残っていくことでしょう。

長くなった旅行記にお付き合いいただき、ありがとうございました。