上場会社の元取締役兼詐欺師「木村氏」の告白 -5ページ目

上場会社の元取締役兼詐欺師「木村氏」の告白

マザーズの上場会社であるAppBank社から、上場準備中に約1億5000千万の大金と騙し取ってしまった「木村氏」の反省と後悔のブログです。

私はこれまで十数年間、複数の会社で上場実務に携わってきました。
携わる形は、
 
1)社員として働く
2)業務委託等で業務の一部を外部で行う(有償)
3)アドバイスのみで、実務はしない(これは友達の場合が多いので無償)
 
です。
 
私が社員として働く会社は、原則としてベンチャー企業で上場を目指している会社でした。
最近では、IT関連だとなんでも「ベンチャー」と言われているが、私が記憶している限り、ベンチャー企業の定義は、
 
1)斬新なビジネスモデルがある
2)高度な技術力がある
3)市場を創出する事ができる
 
という3つの条件があったはずです。
 
さて、私が入社する会社は、ベンチャー企業の中でも、面白いビジネスモデルがあり、技術力があり、新しい売上の市場を作れそうなんだけど、いまいち事業が軌道に乗らず赤字が続いている会社ばかりでした。
私の役割としては、必要であれば、第三者割当増資等でとりあえず財務基盤を整えつつ、管理部分の強化や営業への参加、ビジネスのアライアンス等を実行していき、事業や会社の営業循環を好転させることにありました。
つまり、平たく言うと、赤字の会社を黒字にして、上場のレールに乗せる事が役割です。
もちろん、成功する時もあるし、失敗する時もあったけれど、今から思えば、本当にいい経験をさせてもらったと思っています。
 
私は、初めてAppBankという最初から黒字の会社に入ったのですが、AppBankはベンチャーの条件に1つも該当していないので、「ベンチャー企業」ではないと思っていて、言うなれば「急成長の中小企業」と思っていました。
そして、その「急成長の中小企業」が上場を目指しているから、その上場実務を行っている、という感覚でした。
 
このように、当たり前だが、なかなか起動に乗れないベンチャー企業もあれば、当初から勢いのある中小企業もあり、それぞれがそれぞれの社内環境や事業状況の中で、上場準備をスタートすることになります
 
中には、会社設立当初から上場を目指していて、会社の事業が軌道に乗る頃には、上場準備のベースとなる部分がほとんど完了している会社もあったし、事業が軌道に乗り、社員も増え続けているタイミングで上場を考え、そこから上場準備のゼロスタートの会社もありました。
それ故に、実際に上場に至るまでの期間や準備の工数も会社によって大きく異なります。
 
上場の予定のタイミングは、経営者や株主の意向によって決まる事が多いです。
「上場したい」と考え、上場準備をスタートしたら、なるべく早めに上場したい気持ちは分かりますが(コストもかかるしね)、前にも書いたように、実務の現場にも目を向けてほしいです。
特に東証は、審査にもっと現場に足を運び、会社の内部を把握するべきだと強く思います。
さらに言えば、上場については、上場準備を開始する申請のような事をさせて、それと同時にターゲットとする上場予定年月と仮決めし、それが現在の社内状態等から成長や準備が無理なく適正に間に合うかを、スタートのタイミングからチェックするべきだと感じます。
そして、準備途中についても、上場準備第三者委員会のようなチェック機構が準備の状況を客観的に見るべきです。
 
主幹事や監査法人は、しょせん上場準備会社をクライアントとして経済関係があるので、客観視は難しいと思います。
 

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