大腸がん検診で要精密検査となり、受診されてる患者様が最近増えております。


この機会に大腸がんに関して、何回かに分けて整理してみます。


①大腸がんとは?

  大腸は、筒状になった約2メ-トルの臓器で、そこの粘膜から発生するがんです。日本人では、その下部の(肛門に近いところ)直腸およびS状結腸が、できやすいところです。大腸がんは、粘膜から発生しますが、腺腫とよばれる良性のポリ-プから一部がん化して発生するものと、正常のねんまくから直接発生するものとがあります。がんになったら必ず命が奪われると心配されているかたもいらっしゃいますが、実際はそうでありません。またがんは、あっという間に大きくなり、あっという間に転移するというイメ-ジをもたれているかたも多いかもしれませんが、実際は、初期の段階では、がんはとてもゆっくり発育するのです。初期の段階を経て進行すると、大腸の壁を次第に深く侵入し、リンパ節や肝臓、肺といった他の臓器に転移していきます。

②大腸がんの症状

  大腸のどの場所にがんができるかにもよりますが、早期の段階では、無症状のことが多いです。当院で早期の大腸がんがみつかるケ-スは、大腸がん検診での精密検査で来院される方、たまたま身内に大腸がんの方がいらっしゃり心配になって検査を受けにこられたり、また以前に大腸ポリ-プを取ったことのあるかたが、経過観察のために来院されたなどです。少し進行してくると、血便(便に血が混じる)、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細くなる、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などが多いです。

③大腸がんの発見

  大腸がんは、早期の段階で発見することが重要になってきます。早期の段階では無症状のことが多いですので、検診が重要になってきます。胃がんとピロリ菌、肝がんと肝炎ウイルスのように感染症と発がんの関連が明らかになっており、対策型検診といわれる、発がんのリスクが高い人を中心に行う検診もありますが、大腸がんの場合、便秘、欧米型の食事、運動不足など危険因子は明らかになってきておりますが、それだけでは抽象的であり、十分な絞りこみができていないのが現状です。今現在大腸がん検診でおこなわれているのは、便潜血検査(いわゆる検便)で、便に血が混じっていないかを調べる方法です。自覚症状のない集団から、ある程度大腸がんの危険性のある人を絞り込む検査で、大腸がんの死亡を減少させる科学的根拠があるといわれております。ただし、便潜血検査に異常が出ない大腸がんも中にはあります。、大腸がんの発症年齢である、最近では若年化し40歳台でもめずらしくありませんので40歳以降1度は、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。


大腸がんは、この20年間で2倍以上に増え、女性のがん死亡原因の1位となっております。大腸がんの撲滅にに関する団体、ブレ-ブサ-クルがあります。以下のサイトです。よろしければそちらもご参照ください。

http://www.bravecircle.net/index.html