先日某製薬会社のセミナ-に行ってきました。「ディスカバリ-COPD」というセミナ-で、COPDに対する疾患啓発の目的で、約2時間30分にわたり、ディスカッション、症例検討会などのプログラムを含んだ勉強会でした。
COPD、最近よく新聞や家庭医学の本でも紹介されることが多くなりましたが、まだまだ認知度の低い病気です。
COPDとは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、日本の死亡原因の10位に位置しています。COPDとして治療を受けている患者さんは、厚労省の統計によると22.3万人、実際には推定500万人以上の患者さんんがいるのではとも言われています。
COPDは、タバコなどの有害な空気を吸うことにより、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素交換を行う肺(肺胞)などに障害がおこる病気です。その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなり、通常の呼吸ができなくなり息切れがおこります。
COPDは、「肺の生活習慣病」ともいわれ、おもに喫煙者、喫煙歴のある人、また受動喫煙(本人は喫煙していないが副流煙による)の人に多い病気です。また身近な疾患でもあるのです。
以下に該当する方は、COPDの可能性があります。病院を受診し、肺機能検査を受けましょう。
①40歳以上の方で、タバコを吸っている人、または以前吸っていた
②しつこく続く咳、痰
③階段を昇ると息切れがする
肺機能検査は、スパイロメ-タ-という機械を用いて行います。
この検査は、最大限に息を吸えるだけ吸い、それを思い切って強く吐き出した空気の最大量(努力肺活量)と最初の1秒間に吐き出せる空気の量(1秒量)を測定し、1秒量を努力肺活量で割った1秒率を計算します。この1秒率が70%未満がCOPDの可能性があります。
つまり1秒率=1秒量/努力肺活量×100 < 70% → COPD
当院では小型手持ち式スパイロメ-ター(ハイチェッカ-)で呼吸機能を簡易に測定しています。この機械では、結果をプリントアウトできないですが、肺年齢を測定する事もできます。50歳以上で喫煙歴のある方はどなたでも無料で測定しております。