インフルエンザの流行も現在のところ下火となり、昨年12月のような発熱外来での診察等も大分へりましたが、先月半ばくらいより感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)が、大
木村内科胃腸科のブログ-geri 流行しています。毎日数名は、このような症状で来院される患者さんがいます。

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この時期に多いのは、ウイルス性胃腸炎、ノロウイルス、ロタウイルスによるものです。夏に多い、細菌性食中毒とは異なり、冬季に多いのが特徴的です。




ロタウイルスは、小児に多く乳児白色便性下痢症といわれるように、米のとぎ汁様の白色~クリ-ム色の水様下痢がみられることが特徴的です。

ノロウイルスは、あらゆる年齢層にみられ、特に近年の感染者数の増加は著しく、食中毒患者全員の70%が本ウイルスによるものといわれています。
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ノロウイルス(札幌市衛生研究所ホ-ムペ-ジより)→


ノロウイルスによる胃腸炎は、カキなどの二枚貝の生食によるものが、よく知られていますが、感染性は極めて高く、汚染した調理台や食品を介した感染も多数報告されています。また患者さんの吐物や便を介した人から人への感染はもとより、吐物、便が乾燥してウイルスが空気中を漂い、これが口に入り感染するケ-スもあるようです。ほとんどは、1~2日以内に自然軽快しますが、高齢者や免疫力の低下した乳児では、重症化することもあり注意が必要です。

現在は、このウイルスに対する効果のある薬剤はなく、脱水を防ぐための水分摂取、補液(点滴)、対症療法が治療の中心となっています。薬は、吐き気止めの薬、整腸剤、下痢止めなどを患者さんの状態に応じて出しております。発症早期に、治療することにより症状はかなり改善しますので、できるだけ早めに受診していただくことがいいいでしょう。