ピロリ菌(ヘリコバクタ-ピロリ)に関してですが

ピロリ菌がいるかどうか調べてほしい」

「ピロリ菌がいるといわれたので除菌してほしい」

などの電話での問い合わせが多く、また来院される方が多数いらっしゃいます。

ピロリ菌が胃癌の発症に関係している記事が新聞や雑誌で再々取り上げられているためではないかと思います。


木村内科胃腸科のブログ-ピロリ菌 現状では、ピロリ菌の検索や除菌治療は、胃十二指腸潰瘍の方またはその既往のある方でないと、保険診療の中では、できないことになっています。

自費診療で了解していただければ、胃十二指腸潰瘍以外の病気でも、除菌治療ができます。(検査と除菌薬を含め大体1万円程度になります。)

 

実際ピロリ菌はどうやって調べることができるのかは、以下の方法があります。


胃内視鏡検査時に採取した胃粘膜組織を必要とする診断法と、胃粘膜組織を必要としない診断法があります。


ダイヤ胃粘膜組織を必要とする診断法=侵襲的診断法

1迅速ウレア-ゼテスト

ピロリ菌のもつウレア-ゼ活性を利用して存在を確認する方法です。反応は迅速で20分から2時間で判定できます。

2鏡検法

採取した組織を染色して、顕微鏡で直接ピロリ菌の菌体を確認する方法です。

3培養法

採取した組織を培地で分離培養し、ピロリ菌の存在の有無を確認する方法です。


晴れ胃粘膜組織を必要としない診断法=非侵襲的診断法

4尿素呼気試験

ピロリ菌のもつウレア-ゼ活性を利用して存在を確認する方法です。13CO2で標識した尿素を服用し、その前後の呼気を分析して、呼気中の13CO2の量を比較する検査です。感度や特異度が高く(信頼性が高い)、陰性の場合はまずピロリ菌がいないと考えられます。

5抗ヘリコバクタ-ピロリ抗体

ヘリコバクタ-ピロリ感染により産生された抗ヘリコバクタ-ピロリ抗体を測定する方法で血液、尿などで調べられます。除菌成功後の抗体の陰性化には約1年かかるため、除菌できたかどうか早く知りたい場合には適しません。

6便中ヘリコバクタ-ピロリ抗原

便中にあるヘリコバクタ-ピロリの抗原を調べる方法です。感度、特異度ともに高く、またモノクロナ-ル抗体を方法では、除菌前はもちろん除菌後も信頼性が高いです。

内視鏡検査ををしなくてもできるピロリ菌の検査456です。5の方法は、感染しているかどうかの診断には適していますが、除菌後の判定にはいろいろな問題点もあり、46の方法が一般には使用されています。