サッカー審判TIPS(712)
ラグビー審判に思う
ラグビーワールドカップが開催されている。
私もラグビーは昔から好きなスポーツであり毎試合注目している。
そのような中で主審のアクションに興味を持った。
例えばラックになったところでディフェンス側が横一線に並んで相手側の球出しに備えたとしよう。一人の選手が早く飛び出してボールに向かおうとするところを主審が「出ないで」と声をかけて自制を促す。言われた選手も「あ、まずい」と一歩引いて相手がボールを出すのを待つ。
そのような場面が何度も見られた。
ではサッカーでは?
私が以前に書いたブログで、手を出して相手を押さえようとする選手に対して「手を使わないで!」と叫んで手を引っ込ませようとしたという記事を書いた。そのときのコメントで主審が片方のチームの選手に反則をさせないようにアドバイスをするのは不公平ではというような趣旨のコメントをいただいた。
いろいろなプレーが起こるがままに発生させ、それを反則かそうでないか裁く。それがサッカーの主審の正しい態度というのもわかるが、反則を未然に防ぎ実質プレー時間を増やすことにもつながる声掛けは許されるべき、あるいは推奨されても良いのではと考える次第。
ラグビーではこのような主審の声掛け以外にも、サッカーのVARに相当するTMO(Television Match Official)というビデオ判定を、どうやら競技場のオーロラビジョンをつかって行っているように思える。サッカーではRRA(Referee Review Area)には競技者は近寄れない。
これも大きな違いだ。
そしてアディショナルタイムをどれくらい取るかはラグビーの主審には権限がない。
トライ後のコンバージョンキックにじっくり時間をかけても主審はうながすでもなく待っている。
同様にフットボールという言葉が使われる競技(Association FootballとRugby Football)ではあるが主審の権限と運用の違いが興味深い。そんなところに注目して観戦している。