サッカー審判TIPS(533) PKか?
昨日の4種のゲームで副審を担当した。
第1試合、次の試合のチームから2人ずつ審判を出す。
このときは副審担当となったので他の3人は4級であるがA1を走ることとなった。
事前の打合せで、「ペナルティエリア内のファウルは主審に任せてください」ということだったので、当然だなと思って「はい」と了解。
試合中、ペナルティエリアのすぐ手前で攻撃側選手がトリッピングで倒された。
ファウルを受けた選手はエリア内に倒れたが、ファウルそのものはラインの手前だったので、「これは旗を上げてもいいな」と考えた上で「右手で」旗を振りファウルをアピール。
ここまでは良いのだが、次の瞬間ピーーッと笛が吹かれ主審がペナルティスポットに全速力で走り寄ってきた。
「え?PKかい?」
真横で見ていたKenKenがジャッジを主審に委ねず、旗を振ったということはエリアの外ということをあらわしているのだがなー。
もしエリアの中だったら旗を振らずにシークレットサイン(右手でワッペンを数回タッチするとか)で合図をするのだが…。
ここで対応に迷った。
「ファウルは明らかに外でしたよ」と主審に告げるか。
PKであることを認め、ゴールラインまで走りコーナーフラッグの内側まで走りこむか。
副審は主審の判断の補助をするのであるが、自分のほうが主審より明らかに争点が良く見える位置におり、絶対に間違いがないという自信があれば主審にアピールをしても良いかもしれない。
しかし、インカムを使ってコミュニケーションが取れない以上「主審!」と叫ばなければならない。
それはあまりスマートではない。
主審が「今のはラインの中か外か」を自分から副審に確認しに行くのは外から見ていて能動的に見えるので、ジャッジを変更したとしても納得感があるのだが、副審に呼ばれて確認に行って判定を変更するのは周囲から見て主審の権威を落とすことになる。
この件は、上記も含めてほんの一瞬考えをめぐらせた結果、このままPKをさせることにしてゴールラインに移動した。
そしてPKが決まり、得点が動くこととなった。
審判チームの連携が不十分という印象を与えてしまうというリスクはあるものの、事実と異なる判定を下してしまいそれが得点につながってしまったことは非常に残念だった。
反省点としては、主審は「何かあった!」と思ったら副審を見ること。
副審としては、主審の間違いは間違いであると勇気をもって指摘し、正しい再開方法を行なうべきだったこと。
いずれにしても当日初めて一緒に審判を行なう相手であり、遠慮があったことは否めない。
事前打合せで旗のさし違いがあった場合の対処方法など打合せることがあるが、とにかくアイコンタクトを頻繁に行ないましょうということで統一したジャッジを目指すようにしたい。