サッカー審判TIPS(289)
審判団の意思不疎通
やはり東京BK区のサッカー大会でKenKenが本部をやっていたときのこと。
片方のチームは人数が11人でギリギリ。
ベンチの控え選手もいない。
と思ったら、選手の一人が連れてきていた女児2人がベンチの前で砂遊び。
ちょろちょろとタッチラインの方向に行こうとしてみたり、かと思えばベンチの後ろに回ってみたり。
誰も面倒を見る人はいないようだ。母親はどうしたの?
試合に出かけるお父さんに子供2人を預けてお仕事かショッピングか?
本部として「子供が危ないからチームとして面倒を見なさい」と言うべきだと思っていたところ、さすがにA1の副審が、子供をちょろちょろさせていてはまずいと思ったのだろう。
キックオフ前に主審が両副審に片手を上げて「OK?」と聞くのだが、そのときに片手を前に出して「待て」のポーズをした。
そして、子供を座らせようとしたパパさん選手がピッチを出てベンチに向かい、子供らに「ちゃんと座っていなさい」と言い聞かせたのだ。
ところが主審は「待て」の合図をOKと勘違いしたのだろう。そして選手が一人ピッチを出たのはA2の方を向いていたのでまったく気づいていなかったようだ。
そしてキックオフの笛が吹かれてしまった。
ベンチに子供の世話に行った選手はピッチに戻るに戻れずアウトオブプレーになるのを待って再入場した。
主審は副審の合図を見逃したことがまずい。
副審は主審が気づいていないとわかったら声を出して主審を呼び、キックオフを待たせるべきだったろう。
なお、子供の世話をするために選手がピッチを出る場合、主審に無断で出てしまったのだがこれはどう処理するのが良いのだろう?
試合開始前だから無断退出の対象にならない?
いやいや、入場するときにちゃんと11人いたのにキックオフしてしばらくしてから片方のチームが10人であることに主審が気づいたとしたらやはり警告を出さないといけないだろう。
主審は、選手が再入場をアピールしていることに気づいた際に、退出を許可したはずのない選手が再入場を求めていることに疑問を感じなければいけなかった。
本部のKenKenも何らかの違和感を感じたのだが、声を掛けそびれてしまった。
想定外のことが起きると頭がパニくってしまい正常な判断ができないということはよく言われるが、このときがまさにそうだったのだろうか。
そもそも、幼児だけをベンチに残して試合をせざるを得ない状況を作ったチームの責任でもあるわけだから、子供の世話をする担当を残すべく、選手を一人ベンチに下げさせるか、子供をグランド外に出させるなどの処置をすべきだったのだろう。可哀相なことではあるが、イレギュラーなことをどんどん認めていたらルーズなリーグになってしまう。
服装の乱れを指摘することはできたKenKenであるが、子供の世話をするためにベンチに下がるようにあるいは子供を外に出すようにチームに要求するという案は浮かばなかった。浮かんだとしてもそこまで非情になれなかっただろう。
ちゃんとしたリーグだと、ベンチに入れるのは選手と役員のみ。しかもビブス着用が義務付けられていたりする。
今回のケースでは、その後子供たちはベンチの後ろの方のスペースでおとなしく砂遊びをしていたので大きな問題にはならなかった。
本部KenKenの更なる失敗として、キックオフ時の一連の出来事をハーフタイムや試合終了後に審判団に指摘しなかったこと、審判報告書にも記載させなかったこと(する必要はないかも)、だった。