サッカー審判TIPS(287)
オレンジカード
かつてJRの切符を買えるということで発行されていたプリペイドカードの名前がオレンジカードだった。
本日はもちろんその話ではない。
昨日発行されたフリーマガジン「R25」にサッカーの懲罰カードについての記事が掲載されていた。
このような媒体にサッカーのルール改正に関する話題が出るのは珍しい。
http://r25.jp/b/honshi/a/ranking_review_details/id/1112009051408
かいつまんで言うと、イエローカード以上一発レッドカード未満の悪質さを持つファウルに対して「一時退場」という中間的な処罰を設けようという動きがあったということである。
結論から言うと、この話は見送りになった。
FIFAのホームページを検索してみたが、オレンジカードの話はひっかからなかった。
内部での検討だけの話なので対外的にオープンにならなかったのだろう。
一時退場して10分後にまた戻ることができる、というのはラグビーやアイスホッケーなどで導入されている。
これを導入したサッカーはどうなるだろうか。
まず主審が管理する仕事が増える。
どの選手に警告を出したのか、どの選手が今一時退場しているのか、その選手はいつ復帰させるのか、の把握。
累積警告の扱いはどうなるのだろう。
累積4枚で1試合出場停止などという扱いはある。
オレンジなら2枚で1試合出場停止だろうか。
オレンジ2枚とイエロー1枚で1試合停止、とか。
一時退場選手の復帰までの時間を管理する審判も必要だ。
第4の審判がいない試合ではA1の負担が多くなる。複数のストップウォッチが必要になる。
なんだかアメリカのスポーツみたいだな。
悪質さのレベルによって「一時退場10分!」とか「15分!」とか主審の判断に委ねられるとしたら、主審のレベルによっても罪の重さを決めるのに差が出るだろう。
それなら、一時退場選手は味方が失点したら戻れるというのはどうだろう。
1失点したら一人戻り、もう1失点したらもう一人戻れる、とかね。
まー、プレーの面白さを味わうというよりも「あと2分で一人戻れる」みたいなヒヤヒヤワクワク感は味わえるだろう。でもそれはサッカーの楽しみ方が今と同じではなくなるかもしれず、それに対しては私はネガティブですね。
ラグビーなどに比べるとサッカーはルールに関しては保守的と言えるかもしれない。