サッカー審判TIPS(185)
スローインの距離
本日の試合ではスローインの距離に関する2つの出来事があった。
まず、自分たちの前の試合をアップしながら横で見ていたときのこと。
スローアーの目の前に相手選手が立ち、ボールが投げられたと同時にその相手選手がジャンプしたというプレーがあった。ボールは山なりだったのでジャンプした選手に当たることもなくスローアーの味方選手に渡ってプレーが続けられた。
このときは、ボールを拾ってすぐに投げてしまったのでできなかったのだが、本来であればまずは投げる前に主審あるいは副審が目の前に立つ相手選手に対して離れるよう指示をすることが必要だ。
離れるよう指示してもなおも下がらない場合には警告をしなければならない。
では相手選手が規定の距離を守らないにもかかわらずスローインが行なわれた場合は、投げる側が相手が近くに立っていることを了解した上で投げたとみなして良いのだろうか。
ルールブックには書かれていないが、主審が注意するのを待たずに投げられてしまった場合は、「早く投げたい」という意思を尊重してそのまま流しても良いのではないかと思う。
では、そのジャンプした相手選手に当たってしまった場合はどうなのだろう。
わざと頭にめがけて投げたのでなければ、ということであるが
◇普通にスローインのやり直し?
◇規定の距離を守らなかったから警告して間接FK?
◇規定の距離を守らなかったから警告してスローインのやり直し?
◇プレーを続ける?→当たって出たならその場所からスローイン?
→当たって味方に渡ったらプレー続行?
→では当たって相手に渡ってしまったらどうする?
書いているうちに混乱してきた。
ルールブックを見てみるも上記のようなケースについては書かれていない。
しかし普通にあり得そうなシチュエーションだ。
どなたか正解を教えてくださいな。
一方、自分達の試合でのこと。
相手チームのスローインだったが、拾いに行った選手が3mくらいタッチラインから離れたところから投げ込んだ。
主審も副審も何もせずプレーが続行されたが、これはいけない。
今年のルールブックには書かれていないが昨年のルールブックのQ&Aにある。
Q:スローインのときにタッチラインから離れてよい最大距離はあるか?
A:ない。スローインはボールが出た地点から行なわれるべきである。
ということは、スローインの「その他の違反」に当たるので相手チームのスローインすなわち今回の例で言えば我がチームのスローインとなるはずである。
タッチライン沿いの2、3mには寛容なのに、タッチラインから2、3m離れることに対して厳しく取るのは可哀相ではあるが、タッチラインから3mも離れて投げるのは客観的に見てすごく違和感がある。「あれ?」という変な感じが強いので、相手ボールにするのもやむを得ないだろう。
もちろん攻撃方向にずるずると進んでから投げようとする選手には笛で合図をして正確な地点に戻させなければならない。