僕は子供の頃、ものこごろついてからあまり、父と一緒に生活してなかったので、父のことはよく知りませんでした。
どのような考え方をする人なのか?
どのような生い立ちで、どのような思いで生きてきたのか?
そんなこと知りませんでした。
正確に言うと知りたくありませんでした。
父は僕を捨てた人だ、僕たち家族を裏切った人だ、だからそんな父なんて嫌いでした。
大好きだからこそ、大嫌いでした。
父は僕にとって、あっち側の人でした。
こっち側の人と思っていたのに、あっちに行っちゃったのです。
子どもながらにそう思っていました。
また、父親をあっち側の人として見なければ、子どもの僕はやっていけなかったのです。
父親が小さい頃いなくなったことで、悲しい、寂しいと思っていましたが、その感情を感じることが嫌で、その感情を感じてしまうと、やってられかいから、その感情に襲われそうになると、逃げてました。
長男だから頑張らないといけない、父がいない家だからと馬鹿にされないようにしないといけない、頑張って父を見返してやるんだなどに気持ちをすり替えてました。
しかし、本当の自分の感情から逃げれば逃げるほどその感情が追いかけてきます!
逃げても逃げ切れません。
これは参りました。
すべては父のせいだと僕は被害者意識を強く持ったこともあります。
しかし、長い年月を経て、被害者意識も父のことを悪く思っていたのも、すべて自分がそのように思っているだけのことなんだということに気づいたのです。
父がいないという事実を受け止めたくなかった為に父のことを悪く思ったりしていたんだなと。