こんばんは、木村たかしです。
【8月15日 終戦の日 ― 忘れないこと、語り継ぐこと】
8月15日、終戦の日。
この日を迎えると、私は母や祖母から聞いた、母方の叔父のことを思い出します。
叔父は7人兄弟の長男でした。
戦時中、海軍の衛生兵として従軍し、マラッカ海峡で乗っていた船がアメリカ軍の魚雷攻撃を受け、戦死したと聞いています。
その時、筏につかまり、九死に一生を得た兵士もいたそうです。
叔父は水泳がとても得意で、「何キロでも泳ぐことができた」と祖母は生前、私に何度も話してくれました。
だからこそ祖母の心には、「もしも……」という思いもあったのかもしれません。
7人兄弟の長男を戦争で失った祖母。
その悲しみが消えることはなかったのだと思います。
祖母は生前、私にいつも話していました。
戦争で犠牲になった一人の命を、決して忘れないでほしい。
心の中に、いつまでも覚えていてほしい、と。
戦後、生き残った戦友の方々は、毎年、終戦の日になると実家に集まり、亡くなった叔父の慰霊のために手を合わせ、祈りを捧げてくださったそうです。
戦争が終わったからといって、すべてが終わったわけではありません。
亡くなった人を思い続ける家族がいて、共に戦った仲間がいて、それぞれが記憶を胸に抱えながら戦後を生きてきました。
祖母もまた、長男を失った悲しみと、人と人との心のつながりの中で、信仰に心のよりどころを求めるようになりました。
「忘れないこと」
「心に覚えておくこと」
祖母が私に繰り返し伝えてくれたこの言葉を、今度は私が次の世代へ伝えていかなければならないと思っています。
終戦から81年。
戦争を経験した世代は少なくなりました。
しかし、一人ひとりの命の向こう側には、その人を愛した家族がいて、帰りを待ち続けた人がいて、その死を生涯忘れることのできなかった人たちがいました。
8月15日。
叔父の命を、祖母の悲しみを、生き残った戦友たちの祈りを、そして戦争によって失われた多くの命を、決して忘れない。
戦争の記憶を次の世代へ語り継ぎ、二度と同じ悲しみを繰り返さない。
それが、祖母から私へ託された思いであり、今を生きる私たちの責任だと思います。

