病院再生についての補足 | 「病院のしくみ」木村憲洋の日記

病院再生についての補足

1日経ちましたので、NHKクローズアップ現代の話題の補足です。


医療機関の経営効率を考えるということで、辛口のコメントをします。


もし、病院REITなどに投資する場合は、慎重に行動してください。


「病院経営の効率が悪いのは本当でしょうか?」

病院経営は、効率が悪いことは確かです。クローズアップ現代の事前取材で話したことは、医療従事者が何をポイントに医療を行っているかと言ったことです。一般企業は、効率を重視し、よりマスの中へ、標準化や単純化を求めて起業活動を行います。しかし、医療従事者は、希な病気などの例外事例をいかに対処するかといったことを考えます。このポイントは、医療従事者にとって重要なことであり医療の効率が悪くなる部分です。もし、皆さんや皆さんの家族が、希な病気になったときに対処できないと言われたらどうしますか?極論ですが、近隣の医療機関がそのようになることは、良いことなのでしょうか?因みに、番組で出てきた経営コンサルの事例で、薬剤指導料や細かい業務の合理化をコンサルタントに指摘されないと改善ができない病院は、遅かれ早かれ潰れるのではないでしょうか。コンサルタントに月に相当額を支払い、毎月10万円や20万円の経営改善をしたところでも焼け石に水です。


「病院再生ファンドが10%の利回りを本当に確保できるのでしょうか?」

投資利回りというのは、ファンドが突っ込んだお金に対しての利回りですので、買い取った負債や投資した不動産の利回りに当たります。そうすると、買い取る負債の圧縮を大きくすることや不動産賃料を高くすることにより短期的には、高利回りは可能と思います。ただし、不動産賃料が高いと言うことは、医療機関の費用負担が大きくなり最終的には、経営を圧迫しかねないのです。よって、私は長期的には???です。残念なことは、会計操作で短期的には高利回りが確保できることではないでしょうか?


「病院経営状態の悪い病院は良くなるのか?

番組でもありましたが、専門特化したくても地域医療を担っている限り専門特化にも限度があるということです。田舎に行けば行くほど地域医療を担っています。経営状態が悪いのにも病院の歴史や地域性などわけがあります。選択と集中は、統計学で表現するとSDを小さくすることです。そうすると、3SD位の人は救えない体制にすることになるでしょう。医療従事者は、そんな医療をやりたいとは思っていないはずです。求人倍率は、医師や看護師については5倍です。好きなところに行けます。医療従事者がやりたいことをやれない医療機関は衰退すること間違いありません。病院は、医療従事者が辞めるとただの箱です。


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●著書

<イラスト図解>病院のしくみ

<イラスト図解>薬局のしくみ

〈イラスト図解〉看護のしくみ

2006年度診療報酬改定 33個の「変化」と「対応策」

第五次医療法改正のポイントと対応戦略60  (←実はこれも)


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