私が子供のころ、地元熊本ではカントリーミュージックのラジオ番組などがあり、父と一緒にカントリーの野外コンサートに行くほど、私もカントリーミュージックが好きでした。

 

そんなカントリーミュージックの伝説的な歌手、ロレッタ・リンの半生を描いた映画『歌え!ロレッタ愛のために』を観たので、ちょっと紹介♪

 

映画『歌え!ロレッタ愛のために』(原題: Coal Miner's Daughter)

1980年のアメリカ映画

[出演]

ロレッタ・リン:シシー・スペイセク

ドゥーリトル・リン:トミー・リー・ジョーンズ

パッツィ・クライン:ビヴァリー・ダンジェロ

 

題名はロレッタの代表曲!

ロレッタ・リンは1932年にケンタッキー州で生まれ。映画の原題『Coal Miner's Daughter(炭鉱労働者の娘)』からも分かるように、お父さんは炭鉱で働いていたそうです。ちなみに映画の原題はロレッタ・リン自作の代表曲で、この歌はロレッタの育った環境、両親の働く様子、貧しくも愛情にあふれた家族が描かれ、映画のラストでも歌われます(ネタバレだったらごめんなさい!)

 

 

 

役者の歌が素晴らしい!

 

この映画の主役、ロレッタ・リン役はシシー・スペイセク。ホラー映画『キャリー』で有名な役者さんです。

なんと彼女、映画の中で全曲自分で歌っていると! これがとても上手い! 彼女自身のオリジナルの曲を歌っているように感じるほどでした。

もう一人登場する名歌手パッツィ・クライン。演じたのはビヴァリー・ダンジェロで、映画のエンドロールによると、彼女も吹き替えではなく、自分で歌っているそうです。パッツィ・クラインのような艶のある声で雰囲気たっぷりに歌い、顔も本人に似てる!? メイクアップも上手いなー! と感心しながら見ていました。

とにかく、二人とも歌心が素晴らしく、彼女たちの歌を聴くだけでもこの映画を観る価値あり! シシー・スペイセクが本作でアカデミー主演女優賞を受賞したのも納得です。

 

マネージャーとして支えた夫…しかし

 

もう一人の主役は、夫のドゥーリトル。
ちなみに演じているのは、某コーヒーメーカーのCMで日本でもおなじみのトリー・リー・ジョーンズです!

ロレッタの歌が好きな夫は、結婚記念日にギターをプレゼントし、人前で歌うことを勧めます。その後、ロレッタをラジオ局に熱心に売り込む様子が描かれていますが、同時にさまざまな苦悩もあり、アルコールや女性問題も…。
 

そんな夫との生活はロレッタに作曲のインスピレーションを与えたようで、彼女が作曲した歌の中には、そのような問題などを赤裸々に歌ったものもあるようです。当時としてはかなり挑戦的なことだったのではないでしょうか。カントリーミュージックの歌詞をよく聞くと、生活の苦しみ、世の中への批判を歌っているような曲があり、ロレッタはそのパイオニアの1人だったのかもしれません。

 

妹も大物歌手!

 

ロレッタ・リンは2022年に90歳で亡くなりました。晩年に87歳で「Coal Miner's Daughter」を歌っている映像です。ちなみにこの映像の右隣で歌っているのは、「Don't It Make My Brown Eyes Blue」などのヒット曲で日本でも有名なクリスタル・ゲイル。実は、ロレッタ・リンの実の妹なんですね! (映画にはクリスタル・ゲイルのエピソードは出てきません)

 

 

 

 

 

あまり映画の紹介になっていませんが、この映画を観て、カントリーミュージックという音楽が、時代と共にどう変化してきたのかを少し知ることができたことは、音楽家としてとても興味深い物でした。

すっかりカントリー熱が上がっている今日この頃。

皆さんも是非、映画を観て、カントリーミュージックを聴いてみてください。