生島ヒロシ氏が冠番組「生島ヒロシのおはよう一直線」を突然降板させられたのは、本年1月27日のことです。
降板理由としては、
①友人から送られた不適切な写真をラジオスタッフに送り、女性スタッフから大変不愉快との指摘を受けた。
②生放送中、思わずスタッフに対して当たりがきつくなってしまった。
の2点だそうです。
重大なコンプラ違反があったための降板だそうですが、どうしてここまで大問題になってしまったのでしょうか。
個人的な意見を結論から言うと、今回の問題は、生島氏の感覚のずれと時代のタイミングが悪い点でジャストマッチしてしまったことから起こった事件だと考えています。
私は「おはよう」のリスナーでもなかったし、生島氏についてもほとんど知らないので、生島氏の本を3冊購入し、氏の考え方を知ろうと思いました。その中から印象に残った部分を書き出してみます。
購入したのは下記の三冊。
「ご機嫌な老活 やっぱり生涯ずっと面白く働いていたい」(2013.日経BP)
「70代現役!「食べ方」に秘訣あり(2022.青春新書)
「70歳からの「貯筋」習慣(2023.青春新書)
人はやはり、面白くて、うれしくなるような、意義のある仕事をし続けられるのが理想だと思います。ご機嫌な老後とは、仕事も続け、若者を元気づけ、誰かのために行動し、すると自分も元気になるという生き方。元気は、仕事から湧き出てくる。
僕は、日本の若い人たちにも、失敗してもいいから、まずは「行けー」と声をかけたいと思っています。
僕は、会社を経営していて、スタッフの生活がかかっているという誇りとストレスがあります。自分が軽はずみな行動をして、担当している番組をなくしてしまうといった行為はできません。
芸能界の価値観はめまぐるしく変わるので、僕も含めて、この業界にいる人は常に求められる価値を高めておく必要があります。
アメリカで学んだ最も大きなことは、自分の身は自分で守る、でした。この外国での独り暮らしで「自助努力、自主判断、自己責任、自己防衛」が絶対的に必要だということを思い知らされました。
アナウンサーは職人芸です。
電話するほどではない。メールではちょっと重い。そんなときにちょうどいいのがLINEです。
最年長の僕が「物言い」をつけると現場の雰囲気が重くなるので、スムーズな進行のために監督の指示にはきちんと従います。
SNSを見る限り、生島氏の態度を高圧的、態度がでかい、という人が多いと聞きます。
ですが、本当にこんなことを書く人が高圧的で単に態度のでかいだけの人だったのでしょうか。
当然ながら、文章や書く内容には人格が出ます。
生島氏は自分では飾らない態度、フランクな態度を取っているだけと考えていたのではないでしょうか。
生島氏は人気がピークだったころに不動産に手を出し、10億円の借金を背負ってしまいます。そこから不屈の精神でリカバリーした猛者。自分に絶対の自信を持っていると思います。話が独善的になる傾向があるのは仕方ないことでしょう。
また、生島氏は芸能プロダクションの社長を兼務しておられました。
生島氏はラジオ番組をひとつの会社、自分を社長のような存在と考えていたような気がします。
「怒っているのではない」「いい番組を作ろうとして厳しい言い方をしているだけだ」という考えがあったのでしょう。
しかし、ラジオ局の社員は生島氏の会社の社員ではありません。
もしかすると、逆に生島氏を使ってやっている、と考える者もいたかもしれません。
若い人が多いと思われる現場では、ジェネレーションギャップによる考え方の違いが顕著です。この違いに目を遣ることなく、唯我独尊の態度を取ってしまえば、反発を招くことになります。若い人が、年寄りの経験談に基づいた説話を好まないのは今も昔も変わりありません。
もうひとつ、役職定年後のサラリーマンなら共感してもらえると思いますが、自分が役職を降りても、退社しても、会社は変わりなく動いていきます。
ラジオ番組も生島氏の冠番組がなくなっても、普通に続いていくものです。
しかし、生島氏は自分を「余人に代えがたい」存在だと思っていた節があります。タレントとしての自分の「大物度」を図り間違えていたのです。
このような感覚のずれと、フジテレビ問題という悪いタイミングが重なって今回の生島氏問題は起きてしまったのでしょう。
同じく昭和に生まれた者として私自身、反省する点は多いです。
前回は借金という大きなマイナスからのスタートでしたが、今回はゼロからのスタートです。生島氏にはぜひもう一度、復活してもらいたいと願っています。
もっとも強いものが生き残るのではなく、もっとも賢いものが生き残るのでもない。 唯一生き残るのは変化できるものである(ダーウィン)
