この記事はインターン生に内容をまとめてもらいました。

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月曜日は知人の紹介で、

不妊治療者を支援する会である

NPO法人Fine様のお話を聞く機会をいただきました。

 

 

 

■不妊症とは。

 

そもそも不妊症って何なのか?

不妊症の定義は「一年間通常の性交渉を行っても子供ができていない状態」となっています。

 

今回お話を伺った方曰く、大体の方が一年では不妊症を疑うことはないでしょう、

とのことでした。

 

この不妊症をどうにかするために行う治療を不妊治療といいますが、不妊治療にはステップが存在します。

 

①タイミング法(排卵日を合わせることにより妊娠の確率を上げる手法)(保険適用)

(ここから保険適用外)

②人工授精(体内受精を人工的に手助けする手法)

↓(1~5万円程度)

③体外受精(体外で受精し、ある程度育ててから体内に戻す手法)

↓(30~50万円程度)

④顕微授精(体外受精でも顕微鏡下で行われるものを指す)

(30~80万円程度)

(③、④はいわゆる高度生殖医療に分類される医療行為です。)

 

必ずしもこのステップ通りとは限りませんが、おおむねこの順序で進んでいくそうです。

この不妊治療のうち、タイミング法を除いた三つの手法が保険適用外となっているのが現状です。

不妊症が病気ではないため、その治療は保険の適用外になる、という理屈になっています。

 

出生児の
2010年37人に1人が
2015年には19.7人に1人が生殖補助医療(体外受精等)により誕生しているとのことです。

また、夫婦のうち、5.5組に1組が
実際に赴任の検査や治療を受けたことがあるか現在受けているとのこと。 

 

 

■不妊治療の課題

 

不妊治療の課題は、大きく3つあります。

①一つ目は、治療の長期化による身体的な負担です。

治療の種類にもよりますが、治療を受けたからと言ってすぐに妊娠できるわけではなく、平均23年は治療を続け、やめ時がわからなくなってしまうようです。不妊治療の説明をしてくださった方は10年間不妊治療を行ったそうです。

 

②二つ目は、時間的負担

医療と仕事の両立が難しいという点があります。

不妊治療をした場合、頻繁に通院する必要が出てくるため仕事を休まなければならなくなり、治療をしながらでは責任ある仕事ができないという理由で、仕事との両立が困難になっています。

 

また、職場での精神的な負担も多く、不妊治療をしていると相談する場が少ないことも問題となっています。大阪府における不妊相談事業は、電話と面談のみで、メールの相談は受け付けていません。面接相談の時間も限られています。

 

相談をする窓口では不妊治療の専門の方が対応しているのか聞いたところ、助産師さんが対応しているところが多く、助産師協会が委託を受けて行っているとのことです。そして月に一回は産婦人科が対応されるそうです。

 

③三つ目は、経済的負担

保険未適用の治療による金額負担です。

保険適用外の治療方法だと、全額当事者負担になります。

 

治療費の助成制度はありますが、制限が厳しく設定されています。例えば、妻の年齢が43歳未満の夫婦は助成を受けられない、一回の治療に15万円負担(初回に限り30万円まで助成)40歳未満で初めて助成を受けた方は6回まで助成を受けられるなどです。

 

■現状どんな取組みがなされているのか

●国の動き

 

①不妊相談事業関連

・不妊専門相談センター事業

②仕事との両立支援関連

・事業主への妊活支援啓発チラシ配布

③治療費の助成関連

・特定不妊治療費助成制度

 

対象:

妻の年齢が43歳未満である夫婦

夫婦合算の所得が730万円未満

 

給付の内容:

1回15万円(初回に限り30万円)

40歳未満は通算6回

40歳以上43歳未満であるときは通算3回

 

 

 
下の写真は、厚生労働省が作成した仕事と不妊治療の両立の理解を促すリーフレットです。

 

 

そして、こちらも厚生労働省が作成した、不妊治療連絡カードという資料です。不妊治療をすると仕事を頻繁に休むことになるため、会社に理解を促そうということで作成されたみたいです。


 

 

●自治体の動きは

 

①不妊相談事業関連

・全国65か所に相談所設置

(主な設置場所は大学、大学病院、公立病院24か所、保健所18か所)

②仕事との両立支援関連

・妊活、不妊に関する啓発セミナーの開催

・三重県津市:中小企業の不妊治療休暇制度導入に際し事業主に奨励金

③治療費の助成関連

・多数の自治体で追加助成、独自の助成金などを各々で実施

(独自の条件や所得制限の有無など様々)

 

その他企業も独自の取組みをしていたりもします。

 

横浜市では、不妊治療を分かりやすくまとめた資料を作成しているそうです。下の写真がその表紙です。

 

学生でも読みやすいような内容になっていました。

 

下のリーフレットは、高校生と埼玉県が共同で作ったものだそうです。

このように、不妊治療の理解を促すパンフレットの作成を自治体が支援している例がいくつかありました。
 

 

自治体に対しての要望としては、大阪ではあまりない相談窓口を充実させ、企業への働きかけも充実させてほしいとのことでした。また、自治体個別の助成金の条件を緩和することも望まれていました。

 

現在の晩婚化や女性の社会進出が進んでいる社会の中で、初出産の時期が遅れ、不妊と気づいた時には妊娠が難しい年齢で、治療費がかかってしまうという負の循環が起こってしまっているように感じました。

 

 

 

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同じ会派の岩本議員が不妊治療の件について質問した内容です。

【質問】
少子化対策について。従来、本市では少子化対策として、子育て世帯を対象にした施策を展開していますが、出生数が減少している今、子どもが生まれる前からの少子化対策が必要であると考えます。そこで、本市が実施している特定不妊治療費助成事業の主旨についてお聞かせください。

【答弁】
特定不妊治療費助成事業の主旨についてお答えします。特定不妊治療は1回の治療費が高額であり、その経済的負担が重いことから十分な治療を受けることができず、子どもを持つことを諦めざるを得ない方も少なくないことから、治療にかかる経済的負担の軽減を目的に、国の制度として治療に要する費用の一部を助成するものです。


【質問】
特定不妊治療費助成事業には、夫婦合算の所得が730万円未満という所得制限があると聞いています。1回の費用が20万30万と高額なのに、所得を少し超えてしまうと、満額の費用が掛かり大きな負担になるという話も聞きます。
 

本市が、出生率の向上につながるよう、子育て世代に選ばれるまちづくりを目指しているのであれば、100か0かではなく、所得制限の対象を上乗せして助成するなど、出生率の向上に直結するような、子どもが生まれる前からの市独自の施策が重要と考えますが、市の見解をお聞かせください。
 

 

【答弁】

妊娠・出産から子育て期まで、切れ目なく子どもを安心して産み育てることができる環境づくりを進める必要があると考えており、子どもが生まれる前からの本市独自の施策として、平成26年度から不育症治療費助成事業を実施しております。
 (不育症はやってるが不妊症の独自はないという意味)


今後も出生率の向上につながるよう、より有効な施策を総合的に検討してまいります。

 

 

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