生産緑地の今後について

です。

 

●市街地の中で農地保全・緑地保全の制度として、

 生産緑地制度がある。

 

●生産緑地に指定されると基本的に

 30年は農地・緑地として保全される。

 

●平成34年で最初の30年が経つ。

●平成34年には多くの生産緑地が解除され、宅地化される可能性が大きい。

 

●平成34年で30年が経つ生産緑地は約90ha、

 駅徒歩圏内(800m以内)は約32ha

 

●コンパクトシティの観点から駅徒歩圏内は宅地になってもいいが、それ以外の生産緑地は宅地化をうまくコントロールする必要があるのでは。

 

 

●今後に向けて、都市計画・農・税の部署で一体的に検討するべき

 

 

というような内容です。

 

2022年問題や、平成34年問題、とググるといくつか記事が出てきます。

 

今から議論して、国の制度改正を待つのもわかるのですが、

自治体として「こうなったらこうする」というしっかりとした考えを作っておくことが必要だと思います。

 

他会派の議員も農地保全の観点で質問されていました。

保全されるべきところはしっかりと都市農地として保全されていくのがいいですね。今は普通にしていたら農業従事者がおらず、宅地化されていっています。

 

 

 

【質問】

次に、生産緑地の今後について伺います。

現在、本市においては、一定の要件が満たされた場合は、市街化区域内の都市農地を「生産緑地」として指定し、都市農地の保全などを図っていると伺っています。

「生産緑地」に指定されると、農地として活用することとなり、建築の制限が設けられるなど、指定を解除するには農業従事者の死亡や故障などの事由が必要となります

しかしながら、生産緑地として指定されてから「30年」が経過した場合は、随時、申し出により、指定解除の手続きができることとされており、当初指定が平成4年度であったことから、平成34年度には、指定の解除可能となります。この平成34年には、生産緑地が一斉に解除され、宅地が大量に発生し、地価が下落していく懸念も考えられるといわれております。これは「平成34年問題」や西暦で「2022年問題」とも言われており、このことを踏まえ、国としてもこれらの問題に対応するため、生産緑地制度の見直しに向け取り組んでいるところです。

そこで、まず、本市域において、平成34年度に指定後30年を経過する「生産緑地」の発生見込み面積、および、これらの生産緑地の取り扱いについて、どのような対応を行ってくのかを考えを伺います

 

 

【答弁】

本市においては、平成4年度当初指定において「生産緑地」として面積 約145haを指定しましたが、それ以降、廃止や追加指定など、現時点では、面積 約98haが生産緑地に指定しています

このうち、約90haが当初から指定している生産緑地であり、平成34年度以降、土地所有者等からの申出により指定の解除ができる対象となる生産緑地となります。

国におきましては、本年6月に生産緑地法を一部改正し、指定後30年を経過した「生産緑地」については、土地所有者等の意向により、10年更新にて「特定生産緑地」として指定し、営農環境の保全を図ることとしており、併せて、現在、関連税制の見直しについて検討に取り組まれている状況にあります。

本市としましては、こうした国の動向を注視し、来る平成34年度に向け、土地所有者の営農意向等も確認しながら対応する必要があると考えております。

 

 

【質問】

平成34年度には、約90haの「生産緑地」が、指定後30年が経過する対象となる生産緑地になるとのことですが、現在、生産緑地に限らず、市内全域の農地については、農業従事者の高齢化や農業の後継者などの担い手不足を背景として、営農が困難化している状況があります。

このような状況において、今後、「農地」を宅地化する「住宅開発」をはじめ、30年を経過した「生産緑地」についても、生産緑地が解除され、宅地化されることが想定されます

一方、本市では、これからの人口減少社会に対応するために「コンパクトシティ」を目指し、「枚方市立地適正化計画」を作成し、鉄道駅周辺の利便性の高い地域において居住の誘導を図ることとしています。

先ほどの平成34年で指定後30年がたつ約90haのうち、鉄道駅周辺の徒歩圏域において、生産緑地として指定されているところはどれくらいの面積があるのか伺います。また、「枚方市立地適正化計画」における居住誘導区域内の生産緑地の取り扱いはどのようになっているのかも伺います。

 

 

 

【答弁】

現在、鉄道駅から徒歩圏域である概ね800m圏域における「生産緑地」の面積につきましては、約32ha程度となっています。

枚方市立地適正化計画における居住誘導区域内の「生産緑地」の取り扱いにつきましては、都市農業の保全などを図っていくため、居住誘導区域には含まないこととしておりますが、「生産緑地」の指定の解除がなされた場合につきましては、都市的土地利用が可能な農地として取り扱うこととなります。

 

 

 

【質問】

指定継続や特定生産緑地の指定に向けた取り組みを進めることは重要でありますが、平成34年度以降、特定生産緑地の指定の申出がなければ、指定の解除が可能となり、土地所有者からの申出により、宅地化が進むことが懸念されます。

これらの農地について、今でも既存の住宅の空き家が増えてきているわけですので、一律に住宅開発を認め、住宅供給量を増やすのではなく、行政として住宅供給量をうまくコントロールをしていくことが必要だと思います。もちろんそれぞれの土地にはそれぞれの地権者がおり、それぞれの意思があるのは重々承知してはいます。しかしながら、例えば、先ほど答弁いただいた鉄道駅周辺の徒歩圏域における生産緑地、約32haについては住宅開発を可能とし、圏域外の生産緑地については、住宅開発を抑制することができれば、市が考えている、コンパクトシティに近づいていくと思います。

国においては、生産緑地の制度設計を考えるうえで、「国土交通省」や「農林水産省」など、複数の部門に渡る横断的な組織で検討されている状況にありますので、枚方市においても、国と同様、横断的な組織で検討していくべきではないかと考えますが、市の見解を伺います。

 

 

 

 

【答弁】

国では、関係省庁連携のうえ、都市部の農地である「生産緑地」を維持するための対策や制度設計について検討が進められている状況にあり、今後、具体の方向性が示されるものと考えております。

本市としましても、国の動向を注視するとともに、生産緑地地区の指定、管理等に関する調整を図るために設置した庁内委員会において、「特定生産緑地」の指定に向けた検討に取り組むなど関連した施策について検討を進めてまいりたいと考えております。

 

 

 

【要望】

現段階において、国から具体の対策等が示されていない中で、検討を進めることは困難であることは理解していますし、国の動向を注視するのもわかります。

しかし、自治体としてしっかりと考えを持っておくことが必要だと思います。国の制度が枚方市の思っている方向性と同じならいいですが、そうじゃない場合は、制度を上乗せするなど独自部分を作っての対応も考えないといけないと思います。国でこう決まったので・・ではなくて、市としてどうするのか、を決めて、国で設計した制度で問題がないならそのまま適用する。国の制度としては不十分であれば市として補うことが必要です。

住宅地が増えて人口が増えてというのはうれしい話かもしれないですし、それぞれの地権者の方の意向や居住の自由ももちろんあるのは承知しています。人口減少社会やコンパクトシティのことを考えていく中では、新しい宅地開発は、駅からの距離も考えて、インフラの維持管理のコスト、公共交通の運営コストのことも考えるべきだと思います。道路や上下水道の維持管理などにどれくらいのコストがかかるかがわかれば、どれくらいの費用をかけてでも、市として農地・生産緑地として保全するべきかどうかもわかると思います。ぜひそういった計算もしていただきたいと要望します。

 

こういったことも踏まえて、市としても、「都市計画」や「農業施策」、「関連する税制」など、多様な分野と連携した施策について検討を行っていただき、生産緑地の宅地化の抑制など、コンパクトシティの実現に向けた取り組みが行われるよう検討を行っていただくことを要望します。

 

 

 

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