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この記事はインターン生による

活動報告です。

 

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書いております。

 

ただいま試行中です。 

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この「まちわーく」では、枚方市と自分で選んだ基礎自治体がそれぞれ、
・どのようなまちなのか
・どのような問題を抱えていて
    それをどう対処していくべきなのか
ということについて各自治体のデータを調べ、考えたいと思います。
 
私は今回、枚方市と、同じ中核市である奈良市を比較してみたいと思います。
 
その自治体がどのようなまちであるかを知る方法はいくつかあると思いますが、今回は、それぞれの自治体の計画系・財政系のデータを見ていきたいと思います。
 
具体的に、
計画系については、
「総合計画」
「まちひとしごと創生総合戦略」
 
財政系については、
「決算カード」
「財政状況資料集」
 
を参考にしつつブログを書きたいと思います。
 
 
●計画系

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(図1)
   これは奈良市の将来人口推計です。奈良市も枚方市と同じように人口が年々減少しています。
何も対策をしなければ、現在35万人以上いる奈良市の人口が2110年には7万人ほどまで落ち込んでしまいます。(①)
少子化対策により出生率人口置換水準まで回復した場合(②)と、定住促進により生産年齢人口転入・転出が釣り合った場合(③)を比較すると、③の場合だと人口減少を食い止めるには至っていません。
なので、少子化対策により出生率を回復することがまずやらなければならない課題であることがわかります。
 
   2015年に実施された「結婚と出産に関する意識調査」によると、奈良市の希望出生率は1.70であったようです。これを踏まえ若い世代の希望を実施させることで、2030年までに出生率を1.7程度まで向上させ、2050年には人口置換水準である2.07まで上昇させることを奈良市では目標としています。
 
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(図2)
しかし、奈良市の現在の出生率は1.25です。上昇傾向ではありますが、国(1.42)や奈良県(1.27)にも及んでおらず、ましてや、目標にはまだまだ遠く至っていないのが現状です。(図2)
 
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(図3)
   このグラフ(図3)は年齢階層別未婚者数・未婚率を表したものですが、これによると20歳代女性の未婚率は年々上昇しており、現在では80%を超えています。このような未婚率の増加も、出生率低下の一因なのではないかと考えられます。
 
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(図4)
結婚しやすくなる支援としては、「結婚と出産に関する意識調査」(図4)によると「仕事や家庭を両立しやすくするための制度」を希望する回答が多いため、女性が結婚・出産をしても仕事を続けることができ、また、一度仕事をやめても再就職しやすい職場づくりや支援を充実させる必要があると考えられます。
 

   また、図1のグラフによると、出生率を上昇させた上で、定住促進の政策をすると さらに人口減少を食い止めることができます。(④)
 
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(図5)
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(図6)
 
奈良市内在学大学生の就業に関する意識調査によると、就職先に奈良市外を希望する学生が7割近くに上っています。(図5)
市外での就職を希望する理由(図6)として、「希望する企業や職種が多い」や「賃金などの労働条件が良い」と回答している人が多いので、奈良市にもっと労働条件の良い多種多様な企業が増えれば、市内に留まる生産年齢人口が増えるのかなと思いました。
また、回答の多いものの一つに、「オフの時間に楽しめる場所がある」というものがありますが、たしかに奈良市にはショッピングを楽しめる場所が少ないと感じるので、もっと娯楽施設が増えればいいのでは、と思いました。
 
 
●財政系
 
   まず、枚方市と奈良市の将来負担比率(※1)を比較してみました。
 
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(図7  奈良市)
 
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(図8  枚方市)
 
枚方市は将来負担比率がほぼ0(図8) であるのに対し、奈良市は171.5%(図7)で、これは中核都市の中では最下位の数値になっています。年々減ってはいるので引き続き減っていけば良いなと思いました。
 
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(図9  枚方市)
 
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(図10  奈良市)
 
   そして、これはそれぞれの財政力指数(※2)と経常収支比率(※3)を表したグラフです。先程の将来負担比率も含め、枚方市は思っていたより財政に余裕はあるのかなと思いました。逆に、観光業で財政が潤っていると思っていた奈良市は、あまり財政に余裕がないということに驚きました。
 
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(図11)
 
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(図12)
 
これは観光入込者数の推移(日帰り・宿泊別)、外国人観光客の推移のグラフです。これを見ると、観光客は多いけれど、奈良市内で宿泊する人が少ないのですね。
これは、奈良市がこれまで、都市計画法による市街化調整区域として、東大寺周辺では土産物屋や飲食店の設置は認めていましたが、宿泊施設は景観上の配慮などから認めてこなかったことによる宿泊施設不足も原因の一つだと考えられます。
しかし、外国人旅行客の急増を受け、2016年12月に、土地利用の規制が緩和され、東大寺などの観光資源周辺にも新しい宿泊施設をつくったり、既存の宿泊施設をリニューアルすることが可能になりました。これによって宿泊施設が増え、奈良市で宿泊する旅行客も増えるといいなと思います。
 
奈良市は、奈良市の大きな特徴である観光産業をより伸ばすため、外国人観光客の誘致や宿泊客数の増加につながる取り組みを積極的に進め一人当たりの観光消費単価を上げる取り組みや、観光産業を先導する人材の育成や農産品のブランド化などをを進めようとしています。そして、観光力の強化により地域経済を活性化させ訪れたくなる町をつくることを目標としているようです。
 
 
 
   一つの自治体のデータだけを見るよりは、このように類似団体と比較することで、色々見えてくるものがあっておもしろかったです。今回の「まちわーく」では、奈良市のことはもちろん枚方市のことも、より理解できたように思います。
 
 
 
注)
※1 将来負担比率: 地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したもの。数値が大きいほど今後の財政を圧迫する可能性が高い。
 
※2 財政力指数: 地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値。これが高いほど、財源に余裕があるといえる。
 
※3 経常収支比率: 地方税、普通交付税のように使途が特定されておらず、毎年度経常的に収入される一般財源のうち、人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費に充当されたものが占める割合。比率が高いほど財政構造が硬直化していることを表す。
 
(総務省HPより)
 
 
 
【引用・参考】
・奈良市まちひとしごと創生総合戦略 [http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1446262500163/index.html]
・総務省 平成27年度市町村決算カード
奈良市(奈良県 p.2)
枚方市(大阪府 p.12)
・平成27年度決算財政状況資料集
 
 
 
 
 
 

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