2月9日10日の視察、続きまして、
富山市の多共生型デイサービスについてです。
アップが遅くなりましたね・・・。
コンセプトはよいのですが、
通常の高齢者サービスや障害福祉サービスよりも予算的に厳しいところがひろがりにネックになりそうです。
↓
拡げていくなら制度的なインセンティブも必要かと思いました。
■富山型デイサービスとは
1.富山発祥の高齢者、障害者、障害児に対して同一施設内で福祉サービスの提供を行う業務形態で、小規模、多機能、地域密着が特徴である。
2.構造改革特区を契機として、同一施設内で複数の福祉サービスの提供を行う場合の規制が緩和され、地域共生型サービスとして設置件数が増加している。
3.普及によって、高齢者、障害者福祉の向上のほか、介護サービス事業の安定化に資することが期待されている。
■規制緩和の概要
◎平成15年以前は、介護保険法の通所介護(デイサービス)を行う事業所が、知的障害者、障害児に対し法律の定める「指定サービス」(公費助成の対象)を提供するには、それぞれの法律上の要件を充足する必要があった。
◎平成15年に「富山型デイサービス推進特区」を設置
・専門職員(指導員、保育士)の配置義務を緩和 ⇒指定通所介護の配置基準(介護職員、看護師等の配置)を満たしていれば、専門職員の配置は不要
・障害者、障害児専用の訓練室の設置義務を緩和 ⇒高齢者との共同利用を可能に
◎平成18年から特区認定を受けなくても上記特区事業の実施が可能に
◎平成23年12月、富山県全域を対象とする「とやま地域共生型福祉推進特区」の指定を受け、新たな規制の特例措置について国との協議を経て、いくつかの特例措置等が認められた。これらの特例措置等を活用して、平成25年度から、富山型デイサービス事業所を活用した障害者の就労支援の取組みや共生型グループホームの開設が推進されている。
■規制緩和のメリット
◎事業者のメリット
①初期投資の軽減
・複数の施設(高齢者用、障害者用など)を設置する必要がない
・小規模施設での運営が可能
②経営の安定
・ケア対象が拡大することで利用者の確保が容易に
・高齢者、障害者を別々にケアするより効率的な運営が可能となり、運営コストが低下
③スタッフの確保が容易
・資格を有する職員の配置が緩和
・必要な職員の数が少なくて済む
◎利用者のメリット
①複数のニーズを持つ者が一箇所でサービスを利用できる
・高齢の障害者など
②居住地の近くでサービスを利用できる
・施設設置が容易となり、身近な地域に立地
・高齢者と子どもの異世代交流により、互いに心身両面に良い影響を与える効果も期待できる。
■富山型地域共生福祉の全国展開
◎民間の柔軟な発想に基づき誕生した富山型デイサービスは、平成12年度の介護保険制度の創設を機に、高齢者の介護に対する報酬が得られる一方、県からの補助金が廃止されるなど大きな転機を迎えた。しかし、富山型デイサービス事業所においては、高齢者、障害児(者)等を一緒にケアするサービスは変わることなく続けられ、県ではこのような富山型デイサービスをさらに支援するため、特区制度を活用して、国に規制緩和等を働きかけ、富山型デイサービスの普及を推進してきた。
①高齢者と障害児(者)の垣根を低く!『富山型デイサービス推進特区』
平成15年11月、「富山型デイサービス推進特区」の認定を受け、①介護保険法による指定通所介護事業所における知的障害者及び障害児の受け入れ、②身体障害者福祉法による指定デイサービス事業所及び知的障害者福祉法による指定デイサービス事業所での障害児の受入れが可能になった。
この取組み(特例措置)は、高齢者と障害児(者)の垣根を低くし、高齢者と同じ空間で家庭的なサービスを受ける障害児(者)にも国の公的な制度が適用されることとなり、身近な地域で区別なく福祉サービスを提供する「富山型デイサービス」の普及に弾みがつくことになった。
この「富山型デイサービス推進特区」において適用された特例措置は、平成18年10月から全国において実施できるようになり、さらに富山型デイサービスが広がることとなった。
また、平成16年4月には、県と富山市が共同で提案した「基準該当短期入所生活介護事業所における身体障害者、知的障害者、障害児の受入れ」が、特区による特例措置を経ることなく全国展開されるようになった。
②小規模多機能型居宅介護事業所で富山型のサービスを!『富山型福祉サービス推進特区』
平成18年7月、「富山型福祉サービス推進特区」の認定を受け、介護保険の小規模多機能型居宅介護事業所における、障害児(者)の通所サービス[生活介護、自立訓練、児童デイサービス(当時)]、宿泊サービス(短期入所)が可能になった。
この取組みにより、障害児(者)が、住み慣れた地域で福祉サービスを受けられる事業所がさらに充実し、富山型デイサービス事業所の普及にさらに弾みがついた。
この「富山型福祉サービス推進特区」において適用された特例措置は、通所サービス(生活介護)が平成22年6月に、宿泊サービスが平成23年6月に全国で実施できるようになり、平成25年10月には児童発達支援、放課後等デイサービス(旧児童デイサービス)が全国において実施できるようになった。
■総合特区制度を活用した取組み
◎平成23年12月、富山県全域を対象とする「とやま地域共生型福祉推進特区」の指定を受け、新たな規制の特例措置について国との協議を経て、いくつかの特例措置等が認められた。これらの特例措置等を活用して、平成25年度から、富山型デイサービス事業所を活用した障害者の就労支援の取り組みや共生型グループホームの開設が推進されている。
①地域共生型障害者就労支援(就労継続支援B型)事業
富山型デイサービス事業所では、仕事をしたいという障害者を掃除や洗濯、食事の配膳などを手伝ってもらう有償ボランティアとして受け入れていた。
一般企業で働くことが難しい障害者が、支援を受けながら事業所で就労する「福祉的就労」は、利用者が20人以上の大規模事業所に限られていたが、国との協議により施設外就労の特例措置が認められたことから、少人数の障害者を受け入れる富山型デイサービス事業所が複数集まり、受け入れ総数が20人程度となり、中心的な事業所が就労継続支援B型事業所の指定を受けることにより、障害者自立支援給付の対象として事業を行うことができるようになった。
NPO法人「このゆびとーまれ」が運営する事業所「はたらくわ」が、就労継続支援B型事業所の指定を受け、平成25年4月から事業を展開している。これにより、一般の企業等で働くことが難しい障害者が、地域に密着した場所で働く場を確保できるようになるとともに、「はたらくわ」の職員が複数の富山型デイサービス事業所を訪問することにより、事業所間の連携がより深まり、障害者の福祉的就労への対応がより円滑に行われるようになった。
②共生型グループホームの整備
認知症高齢者グループホームと障害者グループホームの設備の基準はそれぞれ介護保険法と障害者総合支援法で定められているため、両グループホームを併設する場合、例えば1階を認知症高齢者グループホームとし、2階を障害者グループホームとして、それぞれに必要な設備を設けるなど、両グループホームを区分して併設する必要があった。
今回の国との協議により、それぞれ別々の基準に基づき整備されていた認知症高齢者グループホームと障害者グループホームについて、市町村の条例で居室以外の設備(玄関、お風呂、台所等)を共用することができる旨を規定することにより、事業者の判断で設備を共用するグループホームを整備することができるようになった。
社会福祉法人「にいかわ苑」では、平成21年に県内最初の「富山型共生グループホーム双葉」を開設し運営していたが、介護保険組合の条例が整備され、浴室等を共用する初めての「富山型共生グループホーム翼」を整備し、平成25年9月から認知症高齢者と障害者を受け入れている。
これにより、例えば障害のある子を持つ親が認知症になったとしても同じグループホームで生活できるようになる他、共用設備の整備費用が軽減され、共生型グループホームの設置が促進されることが期待される。
■行政の主な支援内容
◎施設開設・設備などの支援
<目的>
高齢者、障害児(者)、児童のすべてを対象としたデイサービス、ショートステイ等の日中及び夜間の介護、訓練及びレクリエーション、保護・預かりを行う施設の施設整備に対して市町村が支援を行う場合、または市町村が自ら施設整備する場合に、当該市町村に助成する。
<実施主体>
NPO法人、市町村、その他知事が適当と認める法人
<補助対象経費(国庫補助等他の助成制度が適用可能な施設整備・設備に要する経費を除く〉>
施設整備のために必要な新築費、既存施設改修費及び初年度備品費
<基準額(国庫補助等他の助成制度が適用可能な施設整備・設備に要する経費を除く)>
・施設整備 新築の場合 1箇所…1,200万円
・住宅活用施設整備 ①住宅等改修 1箇所…600万円 ②機能向上(改修)1箇所…600万円
③機能向上(除雪機、AED等)1箇所…60万円
②、③は平成24年度より、通常の指定通所介護事業所等から富山型への転換を図る際にも利用可能
<補助率>
県…1/3 市町村…1/3
<その他>
福祉車両の設置 1台…50万円(上限)
◎人材育成などの支援
<富山型デイサービス職員研修会>
富山型デイサービス事業所の職員に対し、高齢者、障害者、児童などの分野を横断する総合的な研修を行い、富山型デイサービスの理念普及や、サービスの質の向上を図る。
<富山型デイサービス起業家育成講座>
新たに富山型デイサービスを起業しようとする人のための研修を行う。
政務活動費のあり方検討会も同じときに開催されておりました。
富山に来ましたので富山ブラック!を食べて帰りました。
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枚方市議会議員 木村亮太(きむらりょうた)
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未来に責任
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