こちらは、予算特別委員会の中での、
予算賛成討論です。


枚方市では予算に賛成する場合、
慣例として、副委員長が賛成討論をすることになっております。

そのため、今回は私が討論をさせていただきました。
賛成する委員の方々の意見を集約しての討論です。


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顔が疲れてますね。
こういうときの顔はこういう表情になりますよね。
そういえば、最近トーマスみたいな顔と言われました。




以下、討論内容です。
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 議案第90号 平成28年度大阪府枚方市一般会計予算外(ほか)7特別会計及び3企業会計予算について、本委員会での採決に当たり、全会計を原案可決とすべきものとの立場から、討論させていただきます。

 総務省によりますと、平成28年度の地方財政対策においては、一般財源総額の確保と質の改善を図るため、地方交付税総額について前年度と同程度の額を確保しつつ、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制する措置がなされています。

 こうした状況のもと、本市では、法人実効税率引き下げの影響により、市税で約5億円の減収を見込んでいるものの、国・府支出金は約27億円の増収を見込むなど、一般会計予算の規模は前年度から128億円増加し、1,394億円となっています。さらに特別会計と企業会計を加えた全会計の予算総額は約2,840億円で、前年度と比較すると250億円以上の大幅な増加となっています。

 この要因は、総合文化施設整備事業用地の購入費として約74億円、御殿山小倉線の整備に約8億円、京阪本線連続立体交差事業経費に約35億円など、投資的経費として約150億円を計上するとともに、市民生活の安全性の向上のため、浸水対策事業に約23億円を計上していること、また、維持補修費が約26億円と、前年度から20%近く増加していることなどによるものです。

 また、平成28年度は、防犯カメラの増設や保育所待機児童解消の取り組みを実施するとともに、市内企業への若者の雇用を推進するなど、昨今の社会情勢を踏まえながら、一定、市民及び議会からの要望を反映していることがうかがえます。さらに、地方債の繰り上げ償還による公債費の抑制や下水道事業会計への繰出金の抑制などにより新たに約8億円の財源を確保するなど、市の内部努力が一定見受けられることから、全会計の予算案に賛成したいと思います。

 しかし、市税収入の大幅な増加が見込めない状況のもと、義務的経費の半分を超える扶助費は引き続き増加傾向にあり、本市財政は、依然として厳しい状況にあると言わざるを得ません。
こうした中、新年度からは中学校給食の実施経費が新たに必要となることも含め、現在の本市の財政力では、将来にわたって安定した市民サービスを提供しつつ財政の健全性を維持していくには、多くの厳しい課題があると思います。

 そこで、次のとおり、幾つかの意見を申し上げたいと思います。

 まず、公債費についてです。
これまで本市の財政運営上で問題視されてきた臨時財政対策債については、地方財政対策において引き続き発行を抑制する措置がなされたことなどから、前年度から12億円減少しており、その残高は平成29年度をピークに減少に転じると見込まれています。
しかし、市債全体としては、投資的経費の増加により20億円近く増加しており、今後もさらに増加する可能性が危惧されます。また、自主財源である市税収入の割合は一般会計の歳入予算の50%を大きく割り込み、国などからの依存財源に頼る状況が続いており、危機感を覚えずにはいられません。

 こうした中、事業の実施に当たっては、将来の見通しをしっかりと踏まえ、十分な検証をしていただくとともに、国・府からの補助金や交付金については、それらの情報を的確に把握するよう努めていただき、また、自治体経営の視点に立って財源の確保に努め、決して市民生活への影響が生じることのないよう求めます。

 今後、新行政改革実施プランについては、事務事業の見直しの具体的な実施手法を早期に確立して経費を抑制するとともに、繰り上げ償還なども検討しつつ公債費の抑制に努め、将来世代に大きな負担を残さない健全な財政運営を進めていただきたいと思います。

 次に、重点的に取り組むべき施策について、幾つか意見を申し上げます。

 まず、総合文化施設と枚方市駅周辺再整備についてです。
 総合文化施設の整備については、昨今の建設需要の拡大等を起因とした建築費の高騰により、施設機能の見直しが必要とされています。しかし、これまで市民や議会の意見を聞きながら進められてきたものであり、施設機能を縮減することに対しては種々の議論があるところです。
また、この建築費高騰への対応により、施設の設計は既におくれており、そのまま整備の完了にもがおくれが生じることになれば、市の玄関口となる市駅周辺再整備の進捗にも大きな影響を与えることになります。今後は、機能の見直しや整備費の妥当性についてスピード感を持って検討し、土地の有効活用などにより整備費の削減を図りつつ、にぎわいの創出につながるよう進めるべきであり、市駅周辺再整備については民間事業者も巻き込んで取り組む必要があると申し上げます。
 さらに、今回、新庁舎及び総合文化施設整備事業基金を約26億円取り崩すことが見込まれています。今後、新庁舎の整備を控えていることも踏まえ、今後の収支バランスに影響を与えることのないよう、基金の適切な管理を求めておきます。

 次に、ふるさと寄附金についてです。
 ふるさと寄附金については、近年、マスコミでも取り上げられることが多く、全国各地の市町村がさまざまな工夫をしているように、地方創生の大きな原動力となっています。しかし、返礼品等の特典競争が激しくなる中で、何も手を打たずにいると他市に寄附金が流れ、税収が減少してしまいます。現実に、本市では寄附額よりも市民税の控除額のほうが多くなっており、無視できない状況となっています。魅力ある返礼品を選定するには、担当部署の見直しを含め、市内事業者などとの連携を図り、魅力のある商品を発掘することが重要と考えます。財源確保の観点から、本市として適切な手法を検討すべきであると申し上げます。

 次に、市内企業への若者の雇用推進についてです。
 雇用施策は、定住促進に大きな役割を果たす事業です。企業と求職者双方が実際に就職し働いている状況がイメージできるよう、企業と求職者の情報共有が図られる仕組みづくりに努めていただき、市内の中小企業に多くの人材が集まり、それら中小企業の発展と、本市に多くの人が集まる効果がもたらせるよう、積極的な取り組みを求めます。

 次に、地域における安心・安全対策についてです。
まず、防犯カメラについて、犯罪抑止力を向上させるためには設置場所の選定が重要です。プライバシー保護の課題はありますが、必要台数を含め、地域の意見をしっかりと反映した上で、早期の増設に取り組んでいただくよう求めておきます。
また、防犯対策として、青色防犯パトロールや見守り隊など、今後の安心、安全のまちづくりのためには、地域との協働が重要です。今回、地域担当職員制度を導入しようとしていますが、地域の自主性を高められるような適切な役割分担をしていただくよう要望いたします。

 次に、学校給食についてです。
 新たに建設された第一学校給食共同調理場が稼働し、いよいよ中学校給食の提供が始まります。中学校給食については、委員の中でもさまざま意見はありましたが、質疑の中で明らかになった現在の申し込み状況は、1年目に目標としていた30%を大きく下回る12%程度と低くなっています。まずは目標喫食率である50%を目指して、責任を持って全力で取り組んでいただくよう強く求めます。

次に、小中一貫教育についてです。
来年度から全中学校で推進されるとのことですが、学校単位で取り組みにばらつきのないよう注視していただき、不登校を招く中1ギャップの解消に向け、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、認知症対策についてです。
 今後、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者の増加が見込まれることから、地域包括ケアシステムを構築し、住み慣れた地域での生活を支えるケア体制の充実が求められています。こうした中で、認知症について不安を抱える人が気軽に立ち寄り、相談や交流、情報交換をすることができる、いわゆる認知症カフェを支援し、設置を促進することは重要な取り組みであると考えますが、高齢者が気軽に立ち寄ることができるためには、身近なところに多数の拠点があることが必要です。今後も、増設に向けて取り組んでいただくよう求めます。
 また、より多くの方が認知症を理解することが重要で、そのためには、認知症サポーター養成講座を積極的に開催し、単にサポーターの人数を増やすということにとどまらず、講座を受講した方へのフォローを行ってさらに理解を深めていく取り組みも必要だと申し上げておきます。

 次に、子育て支援について、順次申し上げます。
まず、待機児童対策についてです。
 子育て環境を充実させるためには、待機児童の解消は、最優先に取り組むべき課題です。保育所の定員増はもちろんのこと、あらゆる手法を活用し、年度当初においても、通年でも、待機児童を発生させない体制を整えることが必要と考えます。
なお、特に待機の多い1・2歳児を中心とした小規模保育施設については、現在、枚方市駅周辺と樟葉駅周辺に1カ所ずつ整備する予定と伺っておりますが、さらなる増設も含めて検討いただくよう求めます。

 次に、病児保育事業についてです。
本市の病児保育室のここ数年の利用率は5割程度にとどまる一方、インフルエンザ等感染症の流行時には利用希望者が増えて待機状態となることがあり、運営手法については工夫が必要です。利用者ニーズの把握に努めるとともに、訪問型の病児保育の導入についても検討していただくよう求めておきます。

次に、切れ目のない支援についてです。
本市を安心して子育てのできるまちとするには、妊娠期から、出産直後の産後ケア、さらにその後の子育て期に至る、切れ目のない支援策を構築することが不可欠です。本市では、来年度に地域の担当保健師を設定するなど推進が図られますが、さらに地域の拠点づくりを検討するなど、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

次に、子どもの貧困対策についてです。
全国的な問題となっている子どもの貧困問題について、本市においても実態調査が行われるとのことです。貧困の連鎖を断ち切り、次代を担う子どもたちの健全な育成のため、庁内連携を密接にし、全庁的な取り組みとして貧困対策を推進するよう求めます。
また、新たに設置される子ども総合相談センターでは、家庭児童相談所の機能も統合されるとのことです。子育てに不安を持つ市民のいかなる相談にもワンストップで応じられる窓口として運営されるよう求めておきます。

 次に、国民健康保険についてです。
 多額の累積赤字を抱える国民健康保険特別会計については、今般、平成30年度からの広域化を見据え、財政健全化に向けて赤字解消計画が提出されたところです。今後は、本計画にのっとり、保険料の適正な賦課や収納対策の強化、医療費の適正化などを確実に進めていただきますよう求めておきます。
また、特定健診の受診率向上など、保険加入者の健康予防にも努めていただきますよう要望いたします。

次に、介護保険についてです。
今後のさらなる高齢化に伴い、介護給付費の増大が見込まれます。本市においては、年代ごとの認定率は全国と比べて高くなっています。今後、一人一人の健やかな暮らしのためにもさらなる介護予防の普及、啓発に努め、健康寿命の延伸などにも取り組むべきと申し上げます。

 次に、上・下水道事業についてです。
 上・下水道事業については、水需要や使用水量の減少が見込まれる中、老朽化が進む施設の更新、改良がともに大きな課題となっています。平成28年4月より、より戦略的な事業運営の推進等を図るため、上下水道局組織を経営部と事業部に再編するとのことですが、再編後は、公営企業としての効率性をさらに追求しながら、施設の更新、改良を初め、浸水対策事業などを着実に進めていただきますよう求めておきます。

 次に、市立ひらかた病院についてです。
 平成26年秋に開院した新病院も、駐車場やロータリーなどの整備を経て、平成28年12月にいよいよグランドオープンすることとなります。一般会計からの多額の繰り出しがあり、また、平成31年度までは単年度赤字が続くとされていますが、さらなる経営の健全化を進めていただかなくてはなりません。
また、「心のかよう医療を行い、信頼される病院」として、患者に寄り添った運営を行っていただきますよう求めておきます。

 以上、特に懸念の大きい事業などに絞って意見を申し上げましたが、いずれにおいても市民ニーズの把握が不十分であるように思えてなりません。こうした視点は、今後の厳しい都市間競争に打ち勝つため必要不可欠なものです。本市が財政健全化の視点に立ち、市民ニーズの把握と費用対効果の見きわめがなされているかどうか、我々も今まで以上に厳しい目を向けていくことを申し添えておきます。

 平成28年度からは、国の統一的な基準による財務諸表を作成する予定となっており、他団体との比較分析が可能となります。こうしたツールを効果的に活用するとともに、職員一人一人が財政健全化に関する強い意志を持って職務に邁進していただくよう最後に申し上げまして、討論といたします。
以上です。


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枚方市議会議員
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